語る「万華鏡」

(幸せな孤独な薔薇)

幸せな孤独な薔薇(しあわせなこどくなばら)

項目名幸せな孤独な薔薇
読みしあわせなこどくなばら
分類舞台劇

作者
  • 田嶋ミラノ(おっぺ)
  • 公的データ
  • 作 田嶋ミラノ 演出 成井豊

    CAST 
    老婦人 ルカ 田嶋ミラノ
    老婦人の孫 菅野良一(演劇集団キャラメルボックス
    ルカの友人ミサ 遠坂百合子
    老人エンジュ氏 首藤健祐
    老人の義妹エリカ 中村恵子(演劇集団キャラメルボックス
    屋敷の執事ノバラ 平野くんじ
    屋敷の園丁テッセン 工藤順矢
    屋敷の料理人イガ 宮腰健司(おっぺ)
  • 感想文等
  • ずっとキャラメルボックスの芝居しか見ていないので、このお芝居の静謐さにはしばらく慣れなかった。とはいえ、演出がキャラメルの成井豊のせいか、ところどころでキャラメル風の部分、ギャグなどもありはしたのだけれど。。。
     キャラメルボックスの「不思議なクリスマスのつくりかた」ほど多重構造なわけではないけれど、回想と現時点が複層的につながりながら、不思議な世界を創っていた。ここで1つ語られるのは、愛と、コンプレックス。ヒロインだけのことなら薄く終わりがちなところを、老人の義妹の同様な淋しい悩みが重なって、普遍的なものだということを芝居の中でも露出させている――そう、これは普遍的な、誰でも知っている哀しみなのだ。
     気になるのは、タイトルの意味。。。幸せな薔薇でも、孤独な薔薇でもなく、幸せな孤独な薔薇であるその意味は。。。
     ヒロインの友達のミサ、彼女のことが気になるのだ。どうしてもヒロインの方ばかり感じるのは当たり前なのだけれど、ミサにコンプレックスが無いとどうして思えるだろう。嫉妬や、悪意や、そういったものに侵されそうになる哀しみがないと、決められるだろう。そして、もちろん、そんなはずはないのだ。
     美しく優しく、誰にも好かれる彼女は幸せだろう。。。だが、孤独ではなかったろうか。あの中で、彼女もまた。。。
     過去を振り返るとき、あのときあの時間、あの空間――心の底にしがみつくようにして残っている甘く苦しい場所が誰にでもある。
     ルカにとっては、最後に優しい思い出となった「館」だろう。果たして、ミサにとってはどれほどの思いの残る場所だっただろうか。
     それがなんだか、とても気になるのだ。。。。。。
     (おっぺ)
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