感想文等 | あの叙述トリック爆発の原作を、一体どう映像化するのかと思っていたけれど、なるほどね。これは面白い手法かもしれない。 文章の上でしか成り立たないはずの叙述トリックを、映像の上でしか成り立たない叙述トリックとして作り直しているのが見事だった。 悔しいのは、先に原作でネタを知ってしまっていたことだ。原作を読むより前に映画が観られていれば――いや、そのときは、あとから原作を読んだ時、同じに感じたに違いない。先に映画でネタを知ってしまっていて悔しかった。映画を観るより前に原作が読めていれば……と。 ネタは全く同じなのだが、見せ方が全く違う。これはつまり、別の新たな作品に等しい。少なくともミステリというジャンルに限って言えば。 だから、すこぶる我儘な言い方なのだが、別のタイトルで、内容もそれなりに変えて、「これは『ハサミ男』の映画です」とは判らないようにしての、映像化をしてほしかった。そうすれば、どちらを先に知っていても、1ネタで2度美味しい思いを出来たような…… 無理無理な我儘なのは当然なのだけど(^^;)。 いや、それくらい頑張った映像ミステリだったと思うのだ。ネタを知らないで観ていたら、どうだったかなあ……(おっぺ)
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