感想文等 | ハードなストーリーと描写の第1シリーズ前半の中でも、これはプーンというキャラクターがひたすら渋くて、子供時分にはあまり面白く感じられなかった。それは「雨の午後はヤバイぜ」などにも共通することなのだが、あまりにもアダルト過ぎた、時代的には早過ぎた、ということだろう。そして、とうとう「青ルパン」は路線変更を余儀なくされ、大隅ルパンは短命に終わり、そして宮崎ルパンが出現した。基本的に路線変更というのは残念なのだが、まだアニメという言い方すら一般化していない頃のことで(「テレビマンガ」だね)、特に騒ぎになるわけでもなく、観ているこちらは別に気にもしないで観続けていた。要は、「面白ければいい」というわけで、そして「魔術師と呼ばれた男」や「脱獄のチャンスは一度」などと同じに、コミカルに比重が傾いてからの「タイムマシンに気をつけろ!」や「どっちが勝つか三代目!」なども遜色なく面白かった。 「青ルパン」はやはり試行錯誤の作品だったろうが、何度も見返したい面白さを十全に持ち合わせていた。 この「殺し屋はブルースを歌う」も、子供の時分も、そして今も、「このエピソードが大好きだ」という回ではない――が、不二子の、 「撃たないで……」 という、かすれた声とその結末。せつないとか、物悲しいとかいった気持ちを実感させたエンディングは心に残っている。 だから、やはり何度も見返してしまうのだ。(おっぺ)
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