感想文等 | これは随分と大胆な物語で、要するに「スタートレック・ストーリー」が全てSF小説内の出来事だとしてしまっているわけだ。 もっとも、夢オチ的な部分もあるので、作家のシスコと司令官のシスコと、どちらが属する世界が【本物】なのか、あるいはどちらもがパラレルワールドとして存在しているのか、その辺りは不明瞭に処理されている。 ただ、このエピソードはのちのち最終章でも絡んできたりするので、単なる【夢オチ】編として忘れることはできなさそうだ。 だが、実際のところ、こういったマニアックなSF的考察もどきはどうでもいい。肝心なのは、主人公の慟哭だ。黒人だからとか、そういう部分も看過してもいい。ただ主人公の慟哭を聞いてほしい。そしてもしも理由もはっきりしない強い動揺をおぼえたなら…… 全ては夢から始まる。その夢とは、希望のことだ。(おっぺ)
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