感想文等 | 19話「罪も憎んで人憎む」、20話「狙う女を暗が裂く」に先駆けて、情念の名に相応しい物語が存在するのがこのエピソード。 主水の腕が立つことに対する言及、武士とは・侍とはという表面上のテーマ性と、そこから来る主水の述懐。 「俺にもそう思うときがあったからよ。俺にはそれができなかったがな」 仕置人になる前の中村主水のアンビバレンツが窺えるセリフが聞けるのが、このエピソードなのだ。そして、対する錠の憤り。 相変わらず恬淡とした鉄。 最初の頃の、元気溌剌明るく楽しい仕置稼業、という部分はだいぶ削り取られてきていて、パワフルさプラス仕掛人のテーマ性といった部分が見えてきている感じもする。 サブタイトルは最も工夫のない1つではないかと思うくらいなのだが、中身は濃い。 おきんが鉄について出任せを言って女に口を割らせる場面はなんとも可笑しい。(おっぺ)
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