感想文等 | だいたい長編小説を映画にしたものは、原作の縮小抜き出しでしかないので、ペケなことが多い。この映画の場合は、原作の持っていた多くの要素のうち、一番メイン部分のみに絞り、しかもヒロインの年齢部分も絞り込んだことで、かなりよくできていたと思う。 突っ込みどころが多いはずなのを、わざとコミカル仕立てにしたのは上手いと思う。これを原作同様完全にシリアスにしたなら、きつくてとても観ていられない。 ただ、おおかたの評価もそうじゃないかと思うのだが、ラストの改変はどうだろう? 「秘密」――このタイトルの重みは、原作のラストにのみ似合っているように思う。また、主人公の言葉として発せられたことが、唯一の真相のようにされてしまうのは、せっかくの2時間を薄っぺらくしてしまう気もする。 たぶんは、「いかにわかりやすい映画にするか」に尽力された結果なのだろうなと思う。それはそれで成功しているだろう。ただし、やはりこの映画を観た人には、原作も読んでみてほしいと思う。これは、長編小説の映画化されたもの、全てを観たときやはり思うことなのだけれど。(おっぺ)
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