語る「万華鏡」

(「トップをねらえ!」の一部削除)

トップをねらえ!(とっぷをねらえ)

項目名トップをねらえ!
読みとっぷをねらえ
分類アニメ

作者
  • 監督・庵野
  • 公的データ
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる、庵野明監督が贈る青春SFアニメ(おっぺ)
  • 今となっては実現不可能とされるアニメ界最高のスタッフ陣が手がけた、
    OVA最高傑作!
    宇宙パイロットに憧れるタカヤノリコは、おねえさまに見守られ、コーチの特訓を受けながら遂に宇宙に旅立つ。強力なライバルの登場、敵宇宙怪獣との遭遇、そして父の戦艦「るくしおん」がノリコの目の前に…。
  • ●メインスタッフ
    企画・原作・脚本:岡田斗司夫
    監督:庵野
    絵コンテ・設定:樋口真嗣・庵野
    アニメーションキャラクター・作画監督:窪岡俊之
    作画監督:森山雄治、貞本義行
    キャラクター原案:美樹本晴彦
    メカニックデザイン:宮武一貴
    ロボットデザイン:大畑晃一
    音楽:田中公平
    制作:GAINAX
    ●キャスト
    タカヤノリコ:日高のり子
    ユングフロイト:川村万梨阿
    アマノカズミ:佐久間レイ
    コーチ:若本規夫
    ヒグチキミコ:渕崎ゆり子
    カシハラレイコ:勝生真沙子
  • 第1話 「ショック!私とお姉さまがパイロット!?」
    第2話 「不敵!天才少女の挑戦」
    第3話 「初めてのときめき☆初めての出撃」
    第4話 「発進!!未完の最終兵器!」
    第5話 「お願い!!愛に時間を!」
    最終話 「果てし無き、流れのはてに…」
  • 感想文等
  • オリジナルアニメ。
     もともと「エースをねらえ!」のパロディみたいに始まったのが、どんどん凝りに凝ったマクロス型パロディ調正当感動活劇(笑)アニメに発展していった連作型感動発展式ロボットアニメ(笑)

     どう表現してもこの面白さは伝わんないと思うので、観てもらうしかないのだけれど、全話合計3時間だから、ぜひぜひ3時間一気で観てほしい。。。

     この3時間で、最低3回美味しいと、思う。。。(おっぺ)
  • だんだんと手もいい!
  • いったい、このアニメが、例えばジブリ作品などのように「誰にでも面白い」ものかと言えば、難しいのかもしれない。
     あちこちそこここにギャグやパロディやくすぐりやネタや拘りが満載なのだが、それに「ピン」と来なければ、面白さは何分の1かにもなってしまうのではないか?
     とはいえ、私だって全てのネタを判っているはずもなく……だから、「或る程度の素地」があれば、くらいの要件でいいのかもしれない。
     このアニメは、ほとんど全編パロディと言えば言えるはずで、シリアスなシーン、感動のシーンにも、しっかりネタが挿入されていたり、前面に出ていたりする。
    そもそものタイトルから「エースをねらえ!」で、だから第1話ではヒロインの靴の中に画鋲が入れられたりするのだ。
     ヒロイン(タカヤノリコ)と、お姉さまと(お蝶夫人に当たるんだけど、エンディングのテロップで、「アマノカズミ」って名前ではなくて、しっかり「お姉さま」と書いてある(笑))、鬼コーチがいて、相川マキに当たる親友・キミコもいて(この親友が、エピソードが進むにつれて、本当に重要な役回りになるのが泣かせる)、実にもって「エースをねらえ!」なのだ。
     スポ根ふうな展開とセリフなのに、画面では、お姉さまが「ゲタを履いてランニング」していたり、ロボットに乗り込んでの訓練ではロボットがランニングはおろか、腕立て伏せとか腹筋運動とかをしていたり、いざ戦闘シーンで繰り出す必殺技の名前は『イナズマキック』(笑)。ギャグとパロディをバックボーンに、けれども盛り上がるだろうというところで期待を違えず思いきり盛り上げてくれる気持ち良さは見事なものだ。
     一話目二話目三話目と起・承・承と続いて、四話目、いよいよ超巨大ロボット・ガンバスターが登場し、快な活躍を見せる。繰り出す武器はバスタービームやバスターミサイル、昔懐かしい感じのギミックやデザインで放たれるのがすてきだ(笑)。
     だが、盛り上がるのはさらにこの次で、五話目でお姉さまと2人でガンバスターに乗り込み、激闘に至るシーン。
     愛するコーチの余命が短いことで絶望に沈み、戦えなくなるお姉さまを叱咤し、初めて「カズミ!」と名前で呼ぶノリコ、そしてを上げるカズミ……
    「わかったわ、ノリコ……合体しましょう!」
     精気を取り戻すお姉さまに、ノリコの目も輝く。
     そして、挿入歌「トップをねらえ!〜Fly High〜」が高らかに鳴り響く。ここのノリのよさは絶品物だ。
     パロディだからできる正統派活劇の造り、というのがあるわけで、この「トップをねらえ!」はそれを思いきり発現させたアニメーションだったのだ。
     この五話目は、それまでのスポ根パロディSF活劇からの「転」にもなっていて、ウラシマ効果を『地球に戻ってみたら、親友がすでに結婚して主婦をしており、子供までいた』という形で描き始める。
     ウラシマ効果自体は第三話から小出しにされていたが、以降は、どんどん差が開いていくノリコとキミコの年齢、どんどん成長していくキミコの娘、と具体性をいや増しにする。この「時間SF」としての描き方も見所に違いない。
     そして……「結」たる最終エピソードはなぜかモノクロ画面。
     これが奇を衒っただけのものでなかったのは、最後の場面で判る仕掛けになっている。最後の輝きをさらに輝かせるためのモノクロなのだ。「時をかける少女」や「星空のむこうの国」のような〈世界が変わった〉というまでの演出ではないが、狙いは近いだろう。
     ラストの『オカエリナサイ』は永遠の語り草ではないか?
     最近「トップをねらえ!2」ができているらしい。「マクロス」の続編や新作がいずれも個人的には今一つだったので(「出来」の良い悪いではなくて、期待してしまうタイプと違っていたというだけ)、不安半分上というところか。(おっぺ)
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