語る「万華鏡」

(「自殺への契約書」の一部削除)

自殺への契約書(じさつへのけいやくしょ)

項目名自殺への契約書
読みじさつへのけいやくしょ
分類サスペンス映画

作者
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  • 公的データ
  • 『火薬に火を』を書いたジャック・ロベールの小説の映画化。脚色は原作者とジュリアン・デュヴィヴィエがあたり、監督は「私の体に悪魔がいる」のデュヴィヴィエ。撮影は「夜の騎士道」のロベール・ルフェーヴル、音楽はジャン・ヤトヴが担当。出演は「奥様にご用心」のダニエル・ダリュー、「レ・ミゼラブル」のベルナール・ブリエ、セルジュ・レジアニ、「死刑台のエレベーター」のリノ・ヴァンチュラ、他にポール・フランクール、ノエル・ロックヴェール等。

    郊外の大邸宅に集う九人の男と一人の女。彼らは第二次大戦中のレジスタンスの同志で、ナチの手入れで命を落としたリーダーを偲んで十五年ぶりに一堂に会したのだ。なごやかに進む席上、紅一点のマリーが爆弾発言を放つ。「今日集まってもらったのには理由があるの。この中にリーダーを売った裏切り者がいるわ」
     フランス映画の大巨匠デュヴィヴィエがその後期に残した本作は、開けてびっくり手箱、ディベートミステリの傑作である。とにかく、集まった連中が十五年前の記憶をたどりながら「過去」を推理するという、パット・マガーばりの設定にはしびれる。
     二転三転する犯人当てでは、コリン・デクスター負けのアクロバットが炸裂。全員で犯人と思しき人物の名を投票する「サバイバー」みたいなシーンから、ラストの犯人引っ掛けの大芝居まで緊迫のドラマが展開。フランス産ゆえ、純粋なパズラーとしては機能していないが、本格ファンなら必見の「名画」だ。

    と、「越境する本格ミステリ」に触れられている作品。(おっぺ)
  • 感想文等
  • 確かに、ディベート・ミステリの構造だし、「過去の罪は長い影を引く」というアガサ・クリスティばりのプロットだけど、コリン・デクスターのアクロバットというのは言いすぎだろう。ラストシーンの引っ掛けも、大芝居というには小技すぎる。
    なにより、集まった「容疑者」たちのキャラクターの書き込みが足りなすぎて、誰が犯人だろうと構わないし、それどころか、一人一人の区別も余りつかない。ましてや、犯人は結局一番疑わしいやつだったのだから、驚きも感動もなにもない。
     もっとも、ラストシーンだけは、映画らしいものだったかも。「12人の怒れる男」的なつくりだとは思った。(おっぺ)
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