文字盤全体を使ったプラネタリウムは現在発見されている8つの太陽系惑星、すなわち水星・金星・地球・火星・木星・土星・海王星・天王星(冥王星は準惑星)の公転を表現します。
更にリアルな軌道を表現するため、軌道の中心が太陽からズレたエキセントリック(偏心)配置となっています。
これは、天体をリアルにするとともにメカニズムを上手く配置することにも役立っているようです。
それぞれの惑星は文字盤上を反時計まわりに回転し、最短の水星は87.97日で、最長の海王星は164.80年という途方もない時間をかけて一周します。
この動きの方向を分かりやすくするためにそれぞれの星の後ろには彗星のような「尾」が埋め込まれています。
この「尾」は公転周期が長いものほど長くなっています(9時位置の海王星が分かりやすい)が、厳密に比例した長さにすると内惑星と外惑星の差が大きくなりすぎてしまうため、「あくまでイメージ」の長さになっているとのことです。
また、既存作のプラネタリウムではプラネタリウムの他に補助表示となるカレンダー表示がありましたが、文字盤全体がプラネタリウムのため搭載することができません。
その代わり地球の180°逆の位置に赤色のサブマーカーが設けられ、その軌道上に黄道十二宮のインデックスが設けられています、ブライトリング スーパーコピー最外周には黄道十二宮と通常のカレンダーの日付の対応も示されているため、これを使ってプラネタリウムを合わることができます。
プラネタリウム表示はリュウズ一段引きで進み・戻りの両方向に調整が可能です。
プラネタリウム機構はデイト機構のように時分表示からの24時の「位上がり」で1日1回進む方式のため、調整もクリック感があって1日ずつ動かす方式になっています。
↑ではピムが装着していたワーキングプロトタイプを用いて説明しているところです。
リアルなムーンフェイズのように時分から連続的に駆動するのは?と伺ったところ、調整の容易さや機構的にデイトのように1日1回動く方式の方が有利と判断したそうで、これのおかげで合わせる時もクリック感で日付を数えることができます。
「カレンダー」という意味では閏年の処理は?と考えるかもしれませんが、この機構は周期ベースで設計されているため地球が一周する周期は365.24日と非整数になっています。
これは閏年(4年と100年と400年)が処理する必要がある切り捨てている小数部の0.24日分の誤差は直接プラネタリウムの周期によって処理されてる、と見做すことができます。
そのため、「1年(より正確には4年)の相対値」で合わせれば永久カレンダー的な末日処理はいらないという事です。
その意味では、日付よりも均等分割している黄道十二宮(黄経)を使った方がよりこの時計のキャラクターを表している、と言えるかもしれません。
CVDKのシグネチャーとなっている12時の太陽と9時から3時を地平線と見做し、その上にだけアワーインデックスを配置するデザインはサファイアクリスタル上に直接描くことで表現しています。
サイドから、ボックスサファイアで惑星が取り付けられている様子まで子細に見ることができます。
既存作のプラネタリウムでは9時位置の太陽マークにプラネタリウム調整用のプッシャーがありましたが、リュウズ調整のためこの作品では純粋なマークになっています。
アベンチュリンの宇宙感が伝わるでしょうか…
何枚か挑戦。
アンドレアス・ストレーラ―先生とコラボレーションしたマニュファクチュールムーブメント(ピム自体が話していたので、公知と判断しました)。
星・宇宙をイメージさせる意匠をふんだんに散りばめています。
スクールウォッチ的な意匠も感じるネジ止めラグ。
天文時計専門で50年間取り組んできたブランドだけではなく独立時計師クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウの「集大成」に相応しい作品ではないでしょうか。
トークショーでは三越350周年の特別企画として、「時の起源=天文学」として時間の定義・時計が生まれたのは天文学からという事を捉えた各種の催しを行っていることが説明されました。
数学者・物理学者・天文学者と言った学者が自然を観察して「時」を定義しようとしてきたのが1300年代から、やがて科学革命・宗教改革により1500年ごろから時は宮廷時計師のものとなり、そして王から民の時代になって時計メーカーの時代になった、とし、最初期の学者の時代の精神を受け継ぐものとしてCVDKを紹介。
ピムからは独立時計師クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ、マリア・ダニエル、そしてピム・コースラグという三世代にわたるCVDKの歴史や、過去に作られた様々な天文コンプリケーションが紹介されました。
そして大トリとして、グランド・プラネタリウムエキセントリック・マニュファクチュールが発表されました。
ニュースに掲載済みですが、動画を再び。
イベントにはCDVKのアンティーククロック・ウォッチも持ち込まれました。
天文表示付きの4面クロック。
「作り手」の肖像もCVDK一色に。