両口屋碧城訪問記
2003.11
碧南市の市役所はかなり派手な庁舎なのですが、そこから200m程離れた所に有る両口屋という御菓子屋さんの店舗は、それに勝るとも劣らないど派手な建物です。
とはいえ、その方向性は全く異なっていて市役所の方が近代的な高層建築であるのに対し、両口屋は碧城と名付けられた五層の天守風建築物です。
ところで、世の中に天守風建築物は数多く有りますが、それらはどちらかと言うと批判にさらされる場合が多々有ります。
その根拠の一つとして、建築物として無駄が多いというような意見が有ります。確かに、現在の建築技術からすると逓減を伴う天守風の建築物はスクエアな形状の建築物に比べて、敷地面積に対して床面積が少なくなってしまいます。
それでは、逓減させずに天守風にしようとすると、皆生温泉・幸楽園のように、かなり頭でっかちになってしまい、とても天守風には見えなくなってしまいます。
そこで、天守としての見た目も重視しつつ建物としての効率もそれなりに維持するにはどうしたら良いだろうか。
と、以前から頭を悩ませていたのですが、その解決案の一つが、一面あるいは二面だけを天守風にする、というものでした。
そんなある日、メールで頂いた碧南市の両口屋の画像は正にそれを実践した建物であり、その衝撃的な外観に思わず呆然としてしまったのでした。
本当にこんな建物を建てる人が居たとは・・・
2003年11月撮影
そして、現地にて実物を直接見て頭に浮かんだのは、
「削り出したい・・・」
車道側半分の天守部分と同様に後ろ側も削ってしまえば、完璧な天守型に出来そうな気がします。ていうかプラモデルだったらやってしまうでしょう(結果、破綻するのは目に見えてますが)。
影になって見にくいですが、一階店舗の両側は石垣風になっています。そのため、外観上の一層目が妙に幅が狭くなっています。
その他、よーく観察するとあちこちで天守とビルのハイブリッド化の無理が祟ってか、辻褄が合わない部分が多く見受けられます。
<天守の左手前にビルが有る訳ではありません>
因みに、真横から見ると余りに違和感が有りすぎて一つの建物に見えません。画像にすると余計に見えないと思いますが・・・
<くどいようですが、天守の右手前にビルが有る訳ではありません>
なお、裏側からも写真を撮りましたが、全く普通のビルにしか見えないので画像は貼りません。
−情報提供:ogisanさん−