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心を占めるもの

こっそり書いていた駄文の続きです。

ここからでも読めますが 内容は「ガールズ・トーク」の続きになっています。

続きは?
と訊かれて調子に乗って書き出したは良いけれど・・・
無駄に長くなってしまった為取り敢えず 一部を先行公開状態に。
いきなり連載状態になってしまうあたり本当に行き当たりばったりです。
そしてこの大風呂敷、畳めるんでしょうか、私・・・

それとツッジー様~ 今回挿絵断念です(笑)
何しろ絵にして面白い場面が全く無い、というのが難点で。
完結するまでには一枚くらい入れたいと思います(←弱気)

では 小学校レベルの作文で 且つ無駄に長いお話になってきましたが・・・
ご興味を持ってくださった方へささげます。

では どうぞ。

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心を占めるもの
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野明と緑は待ち合わせ場所になっている新宿の居酒屋に向かった。
他愛も無い話をしながら野明は久しぶりに二課以外の人と沢山話したなと思った。
二課はすごく居心地のいい職場だけど常に限られた人としか接しない職場でもある。
その上、月の半分は当直として泊り込むわけで 妻帯者の進士ですら家に帰る日数より職場にいる日数の方が多いだろう。
そういう関係においては 寝食をともにすることで互いを熟知し気心が知れている反面、相談し辛いことや話しにくいことも出てくる。
ましてあの職場には女性が極端に少なく、同年代の女性は1人もいなかった。
そんな理由からも他愛も無い、けれど職場では言いにくいことを話すには緑はうってつけで、且つ彼女はそういうことを興味本位で掘り下げたりしない。
野明にとってはとても有難い友人の1人だった。
はっきりと口にしたことはない遊馬に対する複雑な感情も彼女は何とはなく察している雰囲気があって、もしかするとそれは野明自身よりも良く見えているのかも知れなかった。

「さて ついたね」
緑が入り口で予約している旨を告げると店員が「こちらへどうぞ」と二人を奥の座敷に案内した。
店内は小洒落た日本庭園を模していて、客席の殆どが個室のようになっている。
通路には玉砂利に飛び石が配置されていた。
おもわずキョロキョロろしてしまう野明に緑は「おもしろいでしょ?」と笑う。
案内された部屋に入ると既に席についている人がいた。
自分達を含めて女性4人、男性3人。
「女性が少ないんじゃなかったの?」と聞くと「向こうが5人だったはずなんだけど」と野明に耳打ちして、先に来ていた男性に声を掛けた。
「武田、残りは? 来れなくなったの?」
「いや、なんか少し遅れるって」
「そ、じゃ先に始めちゃおうよ。待ってても時間勿体無いしね」
そういって店員を呼び「はじめてください」と告げると、飲み物をオーダーした。
一通り飲み物が行き渡ったところで 「武田」と呼ばれた男性が「じゃ 取り敢えず乾杯!」といい皆でグラスをカチンと合わせ飲み会が始まった。

野明はグレープフルーツサワーのグラスを手にして無意識にマドラーをクルクルと回していた。
何か落ち着かないのだ。居酒屋には遊馬とだってよく行く。その時には景気よく日本酒をグイグイ飲めるのに、今はそういう気分になれなかった。
それは小洒落た店構えの所為かもしれないし、着慣れない洋服とメイクの所為かも知れなかったが、変な緊張感みたいなものがあって気が緩まない、というのが正直なところだった。
野明のそんな様子に「難しい顔しないの、それとも篠原君がいないとつまらない?」と緑は苦笑しながら声を掛けた。
「え? そんなことないよ、楽しんでるよ」野明は慌てて否定すると サワーをクイっと呷った。

「泉さんって 雰囲気変わったよね?」
武田が突然声を掛けた。野明は 「え?」といって小首を傾げる。会ったこと、ある人だっけ・・・? 全く思い出せなかった。
「なあに? 武田いきなりナンパ?」緑がからかう様に言い、「気をつけなさいよ~」と野明の肩を小突く。
交番勤務だと言った武田と野明には接点はない、研修校も自分は早稲田だったが武田は三鷹だったという。どこで会ったのか・・・。
「僕のことは覚えてないよね、でも特機の適正試験を受けに行った奴の中では有名人なんだよ、泉さんは」
「・・・ああ あの中にいたんですか?」
「うん、あのシュミレーターに乗って真面目に交番勤務から始めるべきだって身に染みた」
野明は平気だったのでなんともいえないのだがあれはかなり評判が悪く体験者の殆どが居住性の悪さにギブアップしたというある種の伝説になるようなものだったのだ。
「あれから出てきて ”もすこしゴツゴツうごいてもいいな” なんて言ったのは泉さんだけだったよ。ましてそれが小柄な女の子だったわけだからね、みんな君をよく覚えていると思うよ」
「・・・あはは・・・そうですか」 なんだかちょっと恥ずかしくなってグラスを口元に持ってきて顔を少し隠してみる。
「あの時は始め 男だと思ったんだよね、ショートカットだったし。それが随分 女の子になったなぁって」
そういわれて野明の顔に朱がのぼる。そんな風に言われたことが無かったので免疫が無い。
「・・・えと・・・どうも・・・」といいながら俯いてしまう。
そんな野明を横目で見ながら「ほらね、それらしい格好すればちゃんと女の子扱いされるのよ」と言って緑は野明に笑顔を向けた。

その後も相変わらずお酒の進まない野明はすっかり氷の解けたグレープフルーツサワーのマドラーをクルクル回しつつ当たり障りの無い会話を皆と交わしていた。
「女の子になったなぁって」と言われて思ったことは 今のこの格好を遊馬がみてもそう思ってくれるのかなということだった。
見て貰いたい気はするけど いつもと全く違うこの格好を見られるのはちょっと抵抗があった。
「似合わない」と一言で否定されるかも知れない。考えて思わず溜息をつく。

「泉さん 退屈?」
「え・・あ、違います。ごめんなさい、なんか普段着慣れないものを着てると落ち着かなくて」
思わず吐いた溜息が 他人に思わぬ気を使わせてしまったことに気づいて野明は慌てて顔の前で手を振る。
「そうなの? よく似合ってるのに。それからさ、」そういうと武田は野明の手にあるグラスをひょいと取ると机の端に置いた。
「新しいの頼んだら?もう味がしないでしょう?」
「有難うございます」野明は普段されないこの手の気遣いに少し動揺する。
こういう扱いに慣れていない為どう対処していいのか戸惑っていた。

新しくオーダーした飲み物を持って店員が障子を開けたとき通路の方から声が聞こえた。
一瞬 耳を疑う。その間もその声はちょっと怒った様に誰かと会話を続けていて。
やっぱりそうだと確信した時 野明は動揺して思わず立ち上がってしまった。
緑が可笑しくてたまらないという顔をして私を見上げ「座ってなさいよ」と手をひいた。
「なんで・・・? 緑は知ってたの?」ちょっと恨みがましい視線を向ける。顔が多分真っ赤だ。
「健診にいってたんでしょ?捕まるかどうか判らなかったじゃない?」としれっと言ってのける。
障子の外からは「合コンなんて聞いてない」とか「そういうの嫌なんだよ」とここまで来てダダをこねる声が聞こえる。
野明はその声を聞きながらどうしたら良いのか判らずに緑の横で縮こまっていた。
会いたいのか、会いたくないのか・・・自分でもよく判らなくなっていた。
武田が「しょうがないな」と言って席を立ち入り口に向かう。
「そこで騒ぐと迷惑だからさ、とにかく入れよ」そういって声を掛けると男性が二人部屋に入ってきた。
「小池、あとで覚えてろよ」不貞腐れたような顔をしてやや不機嫌そうにいって室内をざっと一瞥した彼と・・・目が合った。

「・・・野明?」
「え? あ、はい」動揺して声が上ずっているのが自分でもわかる。引き攣ったような笑顔を浮かべて返事を返す。
遊馬は野明の格好をざっと眺めると ふーっと息を吐く。
野明は緊張と気恥ずかしさで真っ赤になって俯いた。
程なく遊馬はふいっと視線を外すと男性陣が固まっている辺りに黙って腰を下ろした。
微妙に緊張した空気が漂う。
武田が気分を切り替えるように もう一度乾杯の音頭をとり場を繕う。
その後は 遊馬も特に不機嫌さを表に出すことなく穏やかに飲んでいたし野明もちびちびとサワーを飲み続けた。
暫くすると野明の顔の火照りも収まり、ついでに浮ついていた気分もどこかに行ってしまった。
後には 妙に寂しい気分が残る。
緑が時々気遣わしげに視線を向けるのがわかったので頑張って笑うことにした。
気を使ってもらうのは余計に辛いから。

つい先刻まではこの格好をみたら何か言ってくれるかなとか どんな顔をするだろうとか 似合わないって言われたら辛いだろうなとか色々考えていたけれど。
似合わないって言われるよりも関心を持って貰えないという方がよほど辛いのだということに初めて気がついた。
他の人に褒めてもらっても、さりげない気遣いで女の子扱いしてもらっても それは違うんだと。
「似合わねーな」と言われても「なんだよ、それ」と小馬鹿するのでも何でもいいから。
私は遊馬に構って欲しかったんだ、そう気づいたら凄く悲しくなった。

to be continue...
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追記

なんだか暗くなってきました。
そもそも別行動の日をネタに無計画に始めたものでつじつまが合わなくて(^^;
遊馬なかなか出てこないし来たと思ったら結構不機嫌です。
このまま続けて収集がつくのでしょうか?!

ちなみにでてくる男性陣の名前は コミックの1巻目で適正試験を受けに来た人からそのまま貰いました(笑)

コメント一覧

ツッジー 2009年05月20日(水)22時11分 編集・削除

わおー(≧∇≦)
続きだー(≧∇≦)
良いんですよ!!挿絵は(*⌒∇⌒*)テヘ♪
お気になさらずです(*⌒∇⌒*)テヘ♪

いやー、出会ってしまいましたね!!
合コン会場で!!!

遊馬もテレやさんだから、可愛い野明を見て
言葉を失ってしまった様子!!
うん!!うん!!遊馬の気持ちわかる!!!

野明の心境も複雑ですね・・・。

続きが気になります!!

楽しみにしてまーす(≧∀≦)

さくら 2009年05月20日(水)22時21分 編集・削除

>ツッジーさん~!!
書いてみたものの・・・どうしよう 風呂敷畳めるかしら?!
言葉を失った遊馬って 不機嫌なんだか緊張してるんだか一見わかり辛いですよね(^^;
野明と書いてる私自身 ものすごく困ってます。(笑)
なんとか 終われるようにがんばりますね~

ASAKI 2009年05月20日(水)22時58分 編集・削除

さくらさん~切なくて、ちょっと最後に胸が締め付けられました。
無視の理由はそりゃわからなくないけど、野明の気持ちになって、きゅ~ってなりました。
はぁ~溜息です。
続きまってるね~

さくら 2009年05月20日(水)23時02分 編集・削除

>ASAKIさん~
きゅ~ってなりました?(笑)
なんか暗くなってきたぞって 自分でビクビクしてます。
無事に終わるんだろうか、この話(^^;
頑張ります~(笑)