軽井沢編第三弾
やっとコテージに着きました(笑)
お泊り旅行の一日目 スローペースでスタートです(笑)
まだまだ完結には程遠いですが・・・最後までお付き合いいただけますと幸いです。
以下本文です
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配役
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「ここに泊まるの?」
野明は目の前のコテージを見て遊馬の顔を覗き込む。
「そ。連泊するならこっちの方が経済的だし、何より気兼ねなくていいだろ?」
言いながら 遊馬は鍵を開けて中に入る。
パチンと部屋の電気をつけると、車に荷物を取りに戻った。
野明も慌てて後を追う。
一通り荷物を運び終えると 遊馬はコテージ真横にある駐車スペースに車を入れてくるといって外に出た。
1人残った野明は室内をぐるっと見てまわる。
ダイニング机の上に建物の説明と注意書きのような冊子があるのに気付き手にとった。
間取りは大きな1DKといった造りで 16.5畳のリビング・ダイニングにカウンターキッチン、隣室はセミダブルのベッドが2台ある13.5畳もある寝室。お風呂とトイレ、洗面所はきちんと独立していて、バスルームには大きめの窓があり外囲いにかこまれた坪庭を見ることができる造りになっている。寝室の窓からは睡蓮の浮かぶ小さな池が望め、大きく張り出したベランダには専用のバーベキュー台もあるらしい。
典型的な貸し別荘。
野明は冊子を置いてキッチンに向かう。
戸棚を開くと一通りの食器や炊飯器などの家電、調理器具、調理道具に食器洗い用のスポンジや洗剤、塩、醤油をはじめとする簡単な調味料も用意されていた。
洗面所も覗いてみれば 洗濯機も物干し台もあるし、掃除機他掃除用具も一式、タオルやバスマット、シャンプーやリンスに石鹸まで揃っていて 冷暖房も当然完備されていた。
「至れり尽くせりだね」と思わず口に出す。
「ホテルより充実してるだろ?」と帰ってきた遊馬が玄関口で答えた。
「本当だね、ないのは食料品と着替えくらい」
「だから 買い物してきだんだろ?」
遊馬は愉しそうに笑って買ってきた食料品と寝巻きなどの入った袋を手にしてキッチンカウンターにドサッとおく。
「冷蔵庫 冷えてるかな?」といいながら扉を開け中からひんやりした空気が流れ出すのを確認すると袋の中身を冷蔵庫に入れ始めた。
野明も駆け寄って「やるよ」と声を掛けたが、遊馬は「いいから座ってろ」と言ってテキパキと冷蔵庫の中に買って来た物を仕舞い込んだ。
手持ち無沙汰になってしまった野明は寝室を覗きに行く。広い部屋に結構な間隔をあけて2台のベッドが配されていた。『随分無駄に場所使ってるなぁ』と思って近づくと 其々のベッドの下にトランドルベッドが用意されているのをみてこの間隔の広さに納得する。
そういえばダイニングのいすも4客あったしここは4人まで泊まれる建物なんだと得心が行く。
バスルームを覗けばそこもかなりの広さで『ひろみちゃんでも足が伸ばせそうだ』と思うくらい浴槽も広く ファミリー層でも十分に対応できる施設だと知れた。
床も浴槽も綺麗に洗ってあるのを確認して遊馬に声を掛ける。
「ねぇ 遊馬ぁ お風呂って沸かす?」
時間はもう8時を回っていて遊馬は少し考えて答えた。
「順番に入ると時間掛かるしな、沸かしといてくれ」
「はーい」返事をして野明は全自動給湯器のボタンを押した。
リビングに戻ると遊馬は既にソファに座ってTVを見ながら寛いでいて野明に軽く『こいこい』と手招きをした。
「なあに?」といってそばに寄ると「座れよ」といって自分の隣をぽんっと叩いた。
「そこに?」
「嫌ならいいけど?」
「座らせてもらおっかな」
遊馬の横にぽすんと座って顔を見上げる。
「ほら」
グラスに移した缶チューハイを野明に手渡すと、自分もビールの入ったグラスを手に持った。
「おつかれさん」と軽く笑う。
「疲れたのは遊馬でしょ? 私運転してないし」
遊馬の顔を覗き込む。
「そうでもないさ。大した距離じゃないしな」
さらりと言う遊馬に 少し不満気な顔で頬を挟むように両手を添えて言う。
「目の下に隈できてるよ。大丈夫?」
「ばーか 気にしすぎ。今日はもうあとゆっくり休むだけだし明日になったら消えてるさ」
言いながら つまみに出していたポッキーを一本野明の口にぽいっと放り込む。
野明は遊馬の頬から手を離してポッキーの尻尾を人差し指で押しながらポリポリと食べると「ならいいんだけど」と呟いた。
TVを見ながらお酒とつまみを手にリビングでまったりと過ごす。
暫くしてから野明は 「あ!」と声を上げた。
「ご飯前にこんなの食べてよかったのかな・・・」
「そういや 惣菜買ってたよな、確か・・・」
そういうと二人でキッチンに向かい冷蔵庫とレジ袋を開く。
買ってきたものを机に並べて幾つか選ぶとお皿に出してダイニングテーブルの方に運んでいく。
遊馬も飲みかけのビールやチューハイをダイニングテーブルに移動させた。
「野明、お茶とコップな」
「お茶ってあったかいの淹れる? それともペットボトルの?」
「そうだなぁ 熱いのくれ」
「はーい」
返事をしながら急須に買ってきたティバッグの緑茶を入れてお湯を注ぎ抽出を待つ間に湯呑みを探してお湯で温め お茶を注いでテーブルに運ぶ。
「はい お茶」
「サンキュー」
お茶を受け取る遊馬を見て野明は『なんだかなぁ』と思う。
いつも二課でしている事とやってることは全く変わらないのだが何となく浮き足立っている自分が居る。
遊馬の正面の椅子に座って食事を摂りながら、ふと思った。
「ね、遊馬」
「ん?」
「向かい合って座るってあんまりない気がしない?」
二課ではいつも隣に座る。食事もそうだし普段の席も隣同士だ。
「そうか? ・・・そうかもな。それがどうかしたのか?」
「ちょっと新鮮だなぁって思って」
「新鮮ねぇ。そういうもんか?」
不思議そうに首を傾げる遊馬に野明は「うん」と頷いてみせる。
「なんかちょっと変な感じ」
両手で顎を支えるように肘を突いて遊馬の顔をしげしげと眺める。
「・・・なんだ?」
遊馬は怪訝な顔をして箸をとめた。
「何ってことも無いんだけど・・・」
何と言って良いかわからなくて言葉に詰まる野明をみて、遊馬は「ふーん」としたり顔で頷く。
「なんとなく落ち着かない、違うか?」
悪戯っ子のような笑顔で楽しげに問う。
「えっと・・・そう・・・なんだと思う。良くわかんないんだよね」
困った顔で答える野明に目線を合わせると クックッと笑う。
「あんま悩むなよ そんなんであと3日保つのか?」
「・・・悩んでる様に見える?」
「見えるけど、違うのか?」
「・・・どうなんだろう?」
「ほら それだ」笑いながらそういって席を立つと野明の隣の席に移る。
「隣の方が落ち着くなら 並んで座ればいいだろ」
頭の後ろで手を組んで軽く伸びをすると「折角 遊びに来たんだから楽しくやろうぜ。」といって野明の髪をくしゃっと撫でた。
食事が一段落して 使った食器を片付けにキッチンに入る。
野明の洗った食器を遊馬が綺麗に拭いて棚に積み戻していった。
食事当番の時に何となく出来上がった分担。
いつもと同じ作業なのに 妙にそわそわした気分になった野明は遊馬にくすくす笑いながら声を掛けた。
「なんか ままごとしてるみたい」
「え?」
「家付き 実物大のままごと」
「・・・・まままごとねぇ・・・」成る程、確かにそうかも知れない、と思う。
「遊馬は子供の時にやらなかった?」
「・・・あんま 記憶に無い」
「え~ そうなの? 近所の女の子とか公園でやってるのに巻き込まれたりとかさ?」
「小さい時は公園とかあんま行かなかったしなぁ。爺さんと住んでたから。」
「そうなの?」
「庭で大人相手に過ごす時間の方が多かった。学校上がってからは外でも遊んだけどな」
「学校に上がると 男の子巻き込んでのままごとってしなくなるよね。嫌がられちゃうし」
「家に来た客の子供と数回やったくらいかな、多分。すぐ逃げるから相手が怒るんだよな」
溜息混じりに言う遊馬に野明は笑った。
「遊馬らしいというか。興味ないと全然乗ってくれなさそうだよね」
「楽しいと思うか? 男があんな遊びして。何が悲しくて会社帰りのサラリーマンの役とか演じなきゃならんのだ。」
「へぇ? 旦那さん役だったんだ、それは好待遇じゃない」野明はクスクス笑う。
「なんで?」
「そりゃね、好意がある人ほど旦那さん役にしたいじゃない。そうでない人は子供とか赤ちゃんとか果ては近所のお店の人とか演らされるんだよ。そういうの無い?」
「さあなぁ・・・そういうのは記憶に無いなぁ・・・・」
「遊馬 モテモテだったんだ♪」
「そういう問題か?」遊馬は呆れたような顔で野明を見下ろす。
「そりゃ 旦那さん役に指名するなら好きな人がいいじゃない? それ以外の役指名されたこと無いならモテモテじゃない」
からかう様に言って笑う野明を横目に遊馬はにやりと笑う。
「じゃ、野明。お前は俺に何の役くれる?」
虚を突かれて野明の動きが止まる。
遊馬はにやにやと笑いながらもう一度聞く。
「実物大のままごと、なんだろ? 俺の役は何?」
「えっと・・・」
口ごもる顔が赤く見えるのはチューハイの所為ばかりでもないだろうと思いながら野明の顔を眺める。
更に一言いってやろうか、と思った時 給湯システムが軽やかな電子音で浴槽に湯が張れたことを知らせた。
「あ 遊馬! お風呂沸いたよ」
あからさまにホッとした顔をして話題を逸らす野明に思わず小さく笑いその話に乗ってやる。
「先 入ってくるか?」
「私 用意あるから遊馬先でいいよ。」
「そっか? じゃお先。」
「ごゆっくり」と小さく手を振る野明に 片手を上げて返事をすると着替えを手に浴室に向かう。
『逸らされた質問の答えはおいおい聞き出すさ。時間は有るんだし』そう思うと遊馬は妙に楽しい気分になって浴室の扉を開けた。
to be continue....
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追記
なかなか時間が進みません(笑)
時間経過から行けば 2時間くらい?!
このままのペースでうっかり4日設定してしまった休日を何回で書ききるのでしょう?(^^;
まずは ここまで 長い駄文にお付き合いくださって有難うございます。
日咲 2009年06月12日(金)04時57分 編集・削除
いつもコッソリ読み逃げばかりでスミマセン~。
続き毎回ソッコーでチェックしてますよん。
なーんと連泊!!!
そんなに長い時間をふたりは一緒に過ごすのですね…ほうほう。
いやぁ。
なんだか読んでるこっちが赤面しそうなほどラブラブな展開にどうしよう?って感じです。(どうもしなくていいですね、はい)
リアルおままごと(笑)の続きを楽しみにしております~。