やっとこさ01/02より続いてた仕事が一段落したので、
以前からちくと言ってた読書感想文について。
【DARPAが頭からはなれない】
[マインド・ウォーズ]読了。
http://www.amazon.co.jp/dp/4048673629
イントロダクション(13ページ)の時点で最高にクールなので
是非皆様に一読いただきたいトコロですが、
ここに、本書のあらすじを転載しておきます。
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本書では、思考を読み取る技術、薬物や電子的な手段による
兵士の能力増強、脳から直接マシンに命令を送るシステム、
脳に致命的なダメージを搭載したウイルス、
敵を殺さずに無力化する化学兵器など、
米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)が研究する
先端脳科学についてわかりやすく解説する。
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ま た D A R P A か !
冒頭で「現DARPA局員からは回答がもらえなかった」と
書いてあるため、結局は周辺情報からの飛躍した推測であり、
ななめに読むとMMRっぽく思えるやもしれませんが――
国防という関心事をとっかかりにして脳医学の
発祥から現在に至るまでの歴史、そして未来展望を
面白く書き綴ったトコロを高く評価。
さらに本書はそこから脳医学の枠を超え、
民軍複合という形で最先端科学が進められている
現在の研究機関の、その在りようについても
綴っていくことになるのですが。
――んまあ、ここからは少々蛇足っぽく見えるやもしれませんが、
上手にDARPAの機密機関っぷりを煽りながら拡げていく事で
『DARPA驚異のテクノロジー!』という読者の読機から
大きく外れていっても熱量を奪わないのが良い感じ。
(それでも少々熱量奪われたけど)
んまあ、あれだ。巻末のほうで
「ちゃんとしたキャリアと意識を持つ調査機関を作らなねー」
と書いてたのですが、ちょうどその調査機関に
相応しい人として著者があてはまるように思えます。
すこし飛躍した考えをもよおせば、本書は、
著者が調査機関に宛てた履歴書のように思えましたw
前半までのDARPA驚異のテクノロジーと
脳医学の歴史をわかりやすく紹介していったという、
脳研究ウォッチングの入門書という点で、
良書認定しておきます。
【21世紀のポール・C・W・デイヴィス】
ミチオ・カクがSci-Fi-テッキー丸出しで書いた
[サイエンス・インポッシブル]を読了。
http://www.amazon.co.jp/dp/4140813245
どう考えても必読書。
控えめにいっても全てのSFファンが読むべき本。
大げさに言えば全国民に読んでいただき、
宇宙移民の原動力にしていきたい。目指せ、木星!
本書はSci-Fiにおける伝統的なアイテムについて、
その実現可能性を――
・Lv1:努力次第で可能。
・Lv2:科学の縁にある問題。今後の研究待ち。
・Lv3:絶!対!無理! 物理法則を捻じ曲げるしかない。
上記の3段階に分けて紹介していく構成となっており、
読み勧めるごとに最新物理学を知る事へと繋がります。
※:Lv1の段階では『実はこーゆーのがありまして』という
ノリで最先端技術を駆使して実現させていくのですが、
Lv2以降になると[何故ソレが難しいのか]という説明で、
結果、最新物理学の解説へと繋がっていく。
とまあ、概要だけ説明すればSci-Fiのアイテムを
可不可にカテゴライズしていく本なのですが、
『できる』『できない』と[と学会]っぽく
処刑人きどりで首を狩っていくのではなく、
『なぜ』『では』と科学のカッティングエッジを
判りやすく綴っていくのがすばらしかったです。
一般学術書という意義にもとづいた完成度を
ここまでエレガントに追求し実践した本は
いまだかつて無いでしょう。
んまあ、間違いなく、ミチオ・カクは
21世紀のポール・C・W・デイヴィスと言えるかとw