■剣風帖アニメ化ですか…
いや人にはそれぞれ趣味というものがございますしな。
少なくともうちの攻龍(うちのパソ、田文さんは黄色い龍と認識してない模様)は、
あんなまともそうなひとじゃないな。
絵が不思議な感じだなー、と思ったら、サムライの人でしたか。納得。
個人的な趣味からするともっと「はらぁっ」とした淡白さと、
「ふぬぬゅ」といったうさんくささ、「ろろろろるぉ」といったばたくささが欲しいのですが。
(『へうげもの』的表現でいってみました)
まあ気に食わなかったらそのまま流せばよろし。
そんな寛大さでこっそり見つめていきたいと思います。
■『荒涼の地、君が花咲く』の次の作です
御簾が上がる音がする。
林愁才は叩頭したまま、かの声を聞いた。
「そなたの央挙の解答、余も見せてもらった」
林愁才は目が覚めるような思いでその声を聞いた。
「詩文では色鮮やかに穏やかに山河を謳いながら――私論ではまったく別人のようだった」
握った拳が、大理石の床の上で震えている。
広い玉座の間に響くのはさっきまでの下吏の声ではない。
もっと若く、むしろ幼さすらある――。
これは――皇帝の玉声ではないか!?
「国力をつけてわが国に迫りつつつつある諸国。《大歳》を筆頭に国内が抱える諸問題。
――論に破綻なく、文は堂々。余はおおいにうなずいた」
声が近づいてくる。わずかな足音とともに。
「――臣らはそなたを三位としたが。…そなたの問いは余の問いでもあった」
皇帝は即位して二年。聡明ながらまだ若く、実際の政治は宰相に委ねられているという――。
「余一人で悶々と考えるよりも、同じ問いを有する者と答えを探すほうがよいであろう。
ゆえに、余はそなたを師としようと思う」
足音が止まった。
床につかんばかりに下げられた視界の隅に、金の刺繍の入った黒い絹の長衣の裾が見える。
皇帝の正装だ。
「顔をあげてもらえるだろうか。師が弟子に叩頭するなど聞いたことがない」
苦笑いするような、照れるような声。
ひざをつきながら、林愁才は恐る恐る顔を上げた。
現帝――李紅琰の顔を林愁才は目にした。
「玉の転がるような」、という表現がしっくりくるような声と表情。
愛らしい顔立ちを彩るのは金の宝冠。
豪奢すぎる正装をかろうじて着こなした小さな体。
御年十三歳の――幼い女帝の姿を。
■まだタイトルついてません
えー、林愁才(おろおろあわあわな小市民皇帝専属家庭教師)が主人公です。
この他に「底皇」のうさんくさい御方とか。その美貌の乳兄弟とか。
政権を握ろうとする老宰相とか、いいひとな皇族とか。
陸の政治なんて知らんぜ俺は、な白髪のヒゲオヤジ(太鼓腹必須)とか。
そんな人が勝手気ままにそれぞれの目的をもって動くお話です。
歴史ものに見えますがちと違います。
ロ ボ ッ ト も の で す。
――本気ですか四號さん。あーたまたジャンル不明になりそうなものを。
一番の難題は皇帝陛下の御名が印刷できるかです。
■『正しい世界の生き延び方』を読んでないと困るんじゃないのか
「お前ら、弱いな」
ショートパンツの少年はつまらなさそうにベレッタで自分の肩をたたいた。
「これだから人間ってつまらないんだ」
諏訪森は有馬のそばで相手を見据える。
《認定者》相手に自分が勝てる確率は低い。有馬も手負いだ。
そして明らかにこの少年は並ではない《認定者》である。
この少年に勝てる仲間がいるとするなら、それこそ鷹取か代表か――幹部級。
「あんた、つまらないから死んだら?」
アイドル事務所がよだれをたらしそうな顔立ちの少年が、あざ笑うように言う。
「ろくなことないんだろ、《認定者》の関係者って」
「…さあ、そうかもな」
「――なんで笑うんだよ」
あからさまに少年の表情が変わった。激変、といっていい。
「お前はオレに殺されるんだ。弱いんだ。そんな奴がなんで笑う。笑っていいはずがねぇだろ」
ひきつった顔。狼狽が声に現れている。
「てめぇの顔ぐらい、おれで選ぶよ」
片手に有馬をかかえ、諏訪森はグロッグの照準をあわせる。
子供を撃つ――けっして気分のいいことではない。
だがやらなければやられる。
「…銃の扱いは覚えたのか?」
振り向いたのは少年のほうが早かった。
足音なく近づいてきたのは中国服を着た男――魏蒼鳳だ。
「幇主…」
「なんだ、てめぇ」
「――口のきき方がなってないことは忘れてやろう、少年。…助勢してやろうか? 諏訪森」
美貌の青年の横に、小柄な影。長身の彼の横、やや後ろをついてきている者がいる。
香幇領という場所でも――そこですら、「彼女」は目をひいた。
もうじき夏だというこの季節に、彼女は長袖の黒い子供用ロングドレスを着ている。
子供用だが、スパンコールやレースの飾りはまったくない。
ふくらみのない、ゆるやかなウェーブを描いた光沢のある漆黒のドレスだ。
手にはレースの手袋。
ドレスと手袋のあいだから、細い金属――アクセサリーらしき鎖がちらちらと何本ものぞく。
そして肌を一切見せないような黒いストッキングと黒いエナメルの靴。
くるぶしのあたりにも銀の鎖が揺れている。
顔はわからない。彼女は頭からやはり黒いレースをべールにしていたからだ。
レースが顔全体を覆い、胸元まで広がっている。
体格からして子供なのは間違いなかったが――まるで喪服めいたいでたちだった。
「――お前に頼めるか?」
「幇主さまのおのぞみならば、いかようにも」
嘘だろう、と諏訪森は思った。
この幇主がこれほどまでに優しい口調で他人に接することがあるのか。
そして――ひざまづいて答える少女の声の幼さはなんだ。
魏蒼鳳がやってくる。地にひざをつき、有馬の傷を見て眉をひそめて言う。
「藍遥。私は彼らを守らねばならん。あの少年――お前が相手をしてやれ」
「はい」
ベールをかぶったまま彼女はうなずき、少年は顔をひきつらせる。
「なんだてめぇら…」
少女は諏訪森たちと少年のあいだに立ち、ベールをとった。
後ろから見える長い髪は黒。青みを帯びた――黒。
「おやさしい幇主さまのおこころをさわがせる」
少年が引き金をひくのと、少女が跳躍するのが同時。
「だから、ころします」
少女の手から流れ出したもの。それは細い銀色の鎖だ。
両腕から十本は飛び出していただろうが――それぞれに種類が違う。
丸い輪を連ねた普通の鎖があれば、何本かワイヤーめいた極細のものもある。
そのすべてが、いっせいに少年へとむかう。
「はっ…!」
少年が笑うような声をあげた。
「てめぇも《認定者》だな! どこの飼い猫だっ!」
「――そんなもの、しらない」
宙にとどまり、藍遥は鎖をひきもどす。
弾丸をかわす彼女の周囲を巡る、銀の鎖と金の雷。
「何なんだ、幇主。あの子は」
「見てわからんか?」
諏訪森は口を閉ざした。
見てわかったのだ。あれは――まぎれもなく鄭貴恭の血縁だ。
あんな髪の色は他にそうはない。まして雷の使い手など。
「鄭藍遥。腕は『父親』仕込みだ」
「おれたちを助けたのは暇つぶしか?」
「よくわかってきたな」
幇主の声はいつものように冷たい。
「…なんであの子にだけ気持ち悪いくらい優しいんだ」
「あれは、私のことをそう思っているからな」
――飼いならすための餌。
人を人と思わない男だ。幼い子供を篭絡することなどたやすいことだろう。
そうと知っていても気分は悪い。
■容量オーバー
問・藍遥の服は誰の趣味ですか
解・幇主ではありません。
一応、設定上では「きれいなものずき」の藍遥ちゃんの趣味ですが、
むしろ正しくは作者の趣味です。
かわいい子がお高そうなきれいな服着てたら萌えませんかそうですか。
…んなわけで、別名「元○○御一行」でした。(ネタバレなので伏字)