語る「万華鏡」

(「脱獄のチャンスは一度」に書き足す)

脱獄のチャンスは一度(だつごくのちゃんすはいちど)

項目名脱獄のチャンスは一度
読みだつごくのちゃんすはいちど
分類アニメ

作者
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  • 公的データ
  • 「ルパン三世」第1シリーズ第4話。
  • 時価数十億の財宝が、ダム建設現場に埋蔵されている事を知ったルパン次元は現場へ急行。だが、そこには銭形警部が張り込んでいた。ルパンは逮捕され、刑務所へ護送される!! 宿命のライバルを逮捕した銭形は、鼻高々である。不二子ルパン救出に向かうが、次元に止められる。季節は流れ、ルパン入獄より1年の歳月がたつ。処刑の日がやってくる…。次元銭形も、このままルパンが処刑されてしまうのかと、やきもきする。しかし、ルパンにはある考えがあった。それは、中に生えたヒゲを使う脱獄のトリックだという。果たして、ルパンは脱獄に成功するのか…。
  • 感想文等
  • 本家たるモーリス・ルブランの怪盗ルパンシリーズで、「あっ」という意外性や、どんでん返し、謎の解明のスリルと快楽に目覚めた(笑)。
     冒険活劇部分は全然というほど記憶に残っていなくて(^^;)、「面白かった」と印象強いのは、「八点鐘」とか「バーネット探偵社」とかの、ルパンが名探偵としての活躍なので、嗜好が知れようというものだ。最初にはまったのは「魔女とルパン」だったんだけど。
     本家ルパンで何度となく読み返して感心していたのが、銭形ならぬガニマール警部がルパンを逮捕し、投獄、そして……という物語での、ルパンの拍手喝采ものの脱獄術だった。
     法廷を舞台にしたどんでん返しへの盛り上がりは、なんだか「Zの悲劇」のようなスリリングな物を感じさせる。法廷での決着への伏線、また、ルパンを成功させてしまうのが、他ならぬガニマール自身であるという皮肉さ、見事なとしか言い様がなかった。
     この「脱獄のチャンスは一度」は、その「アルセーヌ・ルパンの脱獄」への挑戦か。
     やり口としては、本家の策を少し捻った感じだが、本家ほどにはトリッキーではなく、脱帽まではいかない。
    むしろ、ここでは、銭形ルパンへのアンビバレンツが強調され、第1話での銭形のモノローグ、「お前がアルセーヌ・ルパンでなかったら……俺が銭形平次の子孫でなかったら……」に一つの選択肢を示しているようだ。
     また、逆にルパンの、1年も投獄に甘んじてでさえも「あの銭形に俺と同じ屈辱感を味わわせてやりたかった」と吐き捨てるように言うプライドの高さと対抗心は、のちの「とっつぁん」と親しみをこめて呼ぶのからは意外なほどだ。
     様々な点で印象深いエピソードに違いない。(おっぺ)
  • 作者
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