項目名 | 邪悪の家 |
読み | じゃあくのいえ |
分類 | ミステリ小説 |
作者 | |
公的データ | ニックが狙われたのは四度目だった。最初は寝台上の額が落ち、次は車のブレーキが壊れ、続いて崖の上から岩が転がり落ちてきた。そして今度はポアロの目前で何者かに狙撃されたのだ。古い屋敷の若い女主人で財産もないニックがなぜ襲われるのか? そのうち、パーティの最中にニックの従妹が射殺されてしまった。執拗に女主人をつけ狙う謎の人物の動機、大団円に待つ驚くべき逆転とは? 初期の作品を代表する本格傑作! |
感想文等 | 解決編間近でのヘイスティングスのセリフで、あれっと感じて真相らしきものが閃いたのは、まあ、たぶん再読だったからではあるだろう。パラパラ前のページを繰ってみて、閃きについて確認してしまったことよ。うんうん、なるほど。 しかし、犯人もかなり意外になるように誘導されていたのだが、それより目から鱗が落ちる仕掛けは、「実はチャールズ・ヴァイズもフレデリカ・ライスも、ニックについて正確なことを言っていた」ということ。読んでいる側としては、いつの間にかそれらを偏見なり中傷なりと思い込んでしまうのだ。 そして、堂々と張られまくっていた、それはそれは数多くの伏線たち! ポアロの解決編でパズルのピースがカチリカチリカチリと嵌り込んでいく様は、本格ミステリの王道そのものだった。 印象に残っていなかった作品でも、今読み返すとこれほどとは、再読しようと思っていなかった他の作品もちょっと読んでみたくなってしまうではないか。(おっぺ) |