感想文等 | 久しぶりに再読してみて、意外に面白くて驚いた(笑)。大学時代に読んでいるはずなのだが、まるで印象に残っていなかったのである。 解決編間近でのヘイスティングスのセリフで、あれっと感じて真相らしきものが閃いたのは、まあ、たぶん再読だったからではあるだろう。パラパラ前のページを繰ってみて、閃きについて確認してしまったことよ。うんうん、なるほど。 しかし、犯人もかなり意外になるように誘導されていたのだが、それより目から鱗が落ちる仕掛けは、「実はチャールズ・ヴァイズもフレデリカ・ライスも、ニックについて正確なことを言っていた」ということ。読んでいる側としては、いつの間にかそれらを偏見なり中傷なりと思い込んでしまうのだ。 そして、堂々と張られまくっていた、それはそれは数多くの伏線たち! ポアロの解決編でパズルのピースがカチリカチリカチリと嵌り込んでいく様は、本格ミステリの王道そのものだった。 印象に残っていなかった作品でも、今読み返すとこれほどとは、再読しようと思っていなかった他の作品もちょっと読んでみたくなってしまうではないか。(おっぺ)
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