語る「万華鏡」

(「ルパンVS複製人間」に書き足す)

ルパンVS複製人間(るぱんたいふくせいにんげん)

項目名ルパンVS複製人間
読みるぱんたいふくせいにんげん
分類アニメ

作者
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  • 公的データ
  • 監督: 吉川惣司
    脚本: 大和屋竺 吉川惣司
    原作: モンキー・パンチ
    音楽: 大野雄二
    出演: 山田康雄 増山江威子 井上真樹夫 納谷悟郎

    人気アニメ劇場版第1作。1万年に渡って歴史に介入し、クローン化によって偉人たちをコレクションするクローン人間・マモールパンマモーに狙われたことからその正体を知り、仲間たちと共にマモーと対決する。

    原作はモンキー・パンチの同名漫画。脚本に大和屋竺と吉川惣司を、監督に吉川惣司を起用した劇場用作品第1弾。旧TVシリーズ初期の雰囲気が色濃い、硬派な作品。主題歌の「ルパン音頭」を三波春夫が歌った。峰不二子にねだられ、エジプトのピラミッドから“賢者の石”という石ころを盗み出したルパン三世不二子はその石の入手をマモーと名乗る不気味な男から依頼されていた。だが、ルパンが渡した石は彼がすり替えた偽物だった。マモーに捕らえられたルパンは、賢者の石が不老不死の力を得るために必要な秘宝だと知る。一方、ルパンと行動を別にしていた次元大介と石川五右ェ門の元には、アメリカ大統領の特別補佐官が極秘で接触を謀ってきていた。どうやらマモーは世界各国を脅迫しているらしい。果たしてマモーの正体とは…!?
  • 感想文等
  • 正直なところ、「青ルパン」の好きだった私は、「赤ルパン」のスラプスティック一本占めという作風には、やや寂しいものをおぼえていて、この赤ルパンでも「私の愛したルパン」とか「時をかける少女」とか、やはりセンチメンタル系で哀しい眼をしたルパンを見ることもできるのだけど総体的には多くはなく、もっとアダルトなルパンをまた見られないかなあ、、、とないものねだりをしていたわけで。
    そんなとき、この映画では、さーすが映画だもん、という感じで、なかなか渋めの演技でルパン三世が活躍してくれたのだ。
    心に残るシーンが幾つかある。
    峰不二子が複製人間のマモーにさらわれ、(この、敵役の名前がマモーだというのも、旧ルパンの「タイムマシンに気をつけろ!」での印象的な敵役、魔毛狂介を思い出させてくれたのだけど)それをルパンが救出に行くというシーン。
    「神」を自称するマモーに対し、
    「神様だってんなら、天変地異でも起こしてみろってんだ!」
    と啖呵を切るルパン
    すると、なんと実際に大地震が起きる。
    さすがにルパン次元大介も仰天する。
    次元「じ、地震だ! 奴は、本物の地震を起こしやがった!」
    ルパン「ばかやろ、そんなことあるかい!」
    しかし、そんなことあって、ルパンのアジトは崩壊する。
    それでもめげずに出発しようとするルパンを、次元が制止する。
    次元「奴が神様とはいわねえ。。。だが、とんでもない力を持ってるのは確かなんだぞ!」
    ルパン「こねえのか?」
    次元「……ああ、いかねえ……」
    ルパン「(にやっとして)いいよ、信心深い奴にはむかねえ仕事だ」
    そして、出かける。
    次元はしばらくそのまま動かないが、やがてコンバットマグナムを一発空に向けて放ち、叫ぶ。
    「行くな! ルパン!」
    すると、ルパンは静かにこう答えるのだ。
    「俺は……夢、盗まれたからな。取り返しにいかにゃ」
    次元「? 夢ってのは、女のことか?」
    ルパンはまた笑い、
    「実際クラシックだよ、おまえって奴は」
    このシーン、たぶん、ルパンの言う夢とは女=不二子のことではないのだ。

    このほか、マモーとの決着のついたあと、ポツリと漏らすセリフとか、この映画では、ルパンのロマンティックな部分やハードボイルドな世界がなかなかに堪能できる。当時の赤ルパンのテレビ版が人気沸騰していたことからすると意外なほどだ。
    ハードさとコメディ部分が見事にバランスの取れている、「カリ城」がセンシティブなルパンの傑作であれば、こちらはロマンティックなルパンの傑作だと思っている。(おっぺ)
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