語る「万華鏡」

(悲しき天才怪獣ノーマン)

悲しき天才怪獣ノーマン(かなしきてんさいかいじゅうのーまん)

項目名悲しき天才怪獣ノーマン
読みかなしきてんさいかいじゅうのーまん
分類特撮

作者
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  • 公的データ
  • スペクトルマン第49話。
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  • 感想文等
  • アルジャーノンに花束を」をそのままパクって、あまつさえ副作用で主人公を怪獣化させた……と悪名高き特撮作品がこれ。『スペクトルマン』のエピソードの一つで、前エピソードの「ボビーよ怪獣になるな!!」と前後編になっている。
     前編では、知能の劣った出前持ちの三吉が、高知能化手術を受けて天才となる。ボビーというのは、まさしく元ネタではアルジャーノンになるわけだが、三吉に先んじて高知能化手術を受けた犬のこと。
     天才犬のボビーと、天才になった三吉。しかし、手術の副作用で(これは実は、地球支配を画策する宇宙猿人ゴリの策謀だった)、次第にボビーは凶暴化していく。生肉を獰猛に食べ、三吉にすら噛みつくようになる。
    人間を襲い、その頭部――脳を食らう怪物と成り果てたボビーは、ついには巨大怪獣と化す。
     かなりグロい描写もあり、巨大怪獣ボビーに頭部を食いちぎられた女性がそのまま地面に投げつけられ、首無し死体が転がるなど、「アルジャーノン」ファンには許しがたいところがあるかもしれない。
     前編はスペクトルマンがボビーを倒し、ボビーのができて終わっているのだが、後編のこちらでは、いよいよ三吉が怪物に変化していってしまう。
     「アルジャーノン」では、自らの知能の低下を防ぐために自らの天才頭脳を振り絞るのだが、こちらでは怪物化を防ぐためなので、皮肉なコントラストの哀しみは弱い。そして勿論、報告書形式から来る「アルジャーノン」の凝縮されたせつなさには遠く及ばない。
     それでも、換骨奪胎というより焼き直しと言うべき造りに違いないのに、やはり三吉の辛さや焦躁は画面を注視させてしまう。「スペクトルマン」といえば、やはりまずノーマンが頭に浮かんでしまう。
     それほどまで、そもそもの「アルジャーノン」のプロットが逸だったということだろう。
     しかし、焼き直し、「イタダキ」であるエピソードで印象強いというのは、やはり「スペクトルマン」にとって不幸なことだろう。他にダストマンの話など記憶に残るものもあるのだが……(おっぺ)
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