項目名 | 悲しき天才怪獣ノーマン |
読み | かなしきてんさいかいじゅうのーまん |
分類 | 特撮 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | 前編では、知能の劣った出前持ちの三吉が、高知能化手術を受けて天才となる。ボビーというのは、まさしく元ネタではアルジャーノンになるわけだが、三吉に先んじて高知能化手術を受けた犬のこと。 天才犬のボビーと、天才になった三吉。しかし、手術の副作用で(これは実は、地球支配を画策する宇宙猿人ゴリの策謀だった)、次第にボビーは凶暴化していく。生肉を獰猛に食べ、三吉にすら噛みつくようになる。 人間を襲い、その頭部――脳を食らう怪物と成り果てたボビーは、ついには巨大怪獣と化す。 かなりグロい描写もあり、巨大怪獣ボビーに頭部を食いちぎられた女性がそのまま地面に投げつけられ、首無し死体が転がるなど、「アルジャーノン」ファンには許しがたいところがあるかもしれない。 前編はスペクトルマンがボビーを倒し、ボビーの墓ができて終わっているのだが、後編のこちらでは、いよいよ三吉が怪物に変化していってしまう。 「アルジャーノン」では、自らの知能の低下を防ぐために自らの天才頭脳を振り絞るのだが、こちらでは怪物化を防ぐためなので、皮肉なコントラストの哀しみは弱い。そして勿論、報告書形式から来る「アルジャーノン」の凝縮されたせつなさには遠く及ばない。 それでも、換骨奪胎というより焼き直しと言うべき造りに違いないのに、やはり三吉の辛さや焦躁は画面を注視させてしまう。「スペクトルマン」といえば、やはりまずノーマンが頭に浮かんでしまう。 それほどまで、そもそもの「アルジャーノン」のプロットが秀逸だったということだろう。 しかし、焼き直し、「イタダキ」であるエピソードで印象強いというのは、やはり「スペクトルマン」にとって不幸なことだろう。他にダストマンの話など記憶に残るものもあるのだが……(おっぺ) |