語る「万華鏡」

(屋上物語)

屋上物語(おくじょうものがたり)

項目名屋上物語
読みおくじょうものがたり
分類ミステリ小説

作者
  • 北森鴻(おっぺ)
  • 公的データ
  • そのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪。ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆ァ、うどん店の主である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。彼女の手が空いた時間帯に、まるで何かを伝えたいかのように…。屋上の名探偵さくら婆アの奮闘ミステリー。(おっぺ)
  • 感想文等
  • 買った理由は、裏表紙の内容紹介。どうやら連作ミステリらしい。。。そして、「それにしても何故こんなに怪事件が頻発するのか。」という部分を読んだから。
     シリーズ探偵の連作の場合、「探偵はどうしていつも怪事件に遭遇するのか」というギャグというかツッコミがあるのだが、そこに切り込んだ作品なのかと思ったから。
     読んでいて面白かったのは、裏表紙にも書いてあった「連鎖ミステリー」の部分。
     けれど、それだけなら、この場所にこうして書こうとは思わなかったろう。。。

     第1話「はじまりの物語」も相当暗い話だったが、まだ客観視というか突き放して「読者」でいることができた。
     問題は第2話「波紋のあとさき」から。
     ここで出てきた「るりちゃん」という娘さんは、続く第3話でも出てくるのだが、まずこの第2話ラストシーンでの科白は胸に響いた。

     「思い出があまり多すぎると、つらいですから」

     わかるよね。。。

     。。。そして、第3話。
     これはもう、泣くしかないじゃない。。。? そんなつもりで読み始めたミステリ小説じゃなかったのに。。。
     それはないよ。。。と思う。
     第2話がこうして。。。そして第3話がこれかい。。。?

     他にも、「残る」科白はいろいろあった。

     「冗談じゃない! 俺たちはちょっとふざけることはあるけど……」
     「おまえさんたちにとってはおふざけでも、相手にとってはそうじゃないかもしれない」
     「そんなこと、知るかよ!」
     「よく聞くんだ!」「ヒトってものは、どれほど小さなきっかけでも爆発的に殺意や悪意を抱くことのできる動物だ。その是非や有無を決定するのはおまえじゃない。おまえが作った小さなきっかけで、ついたと感じる人間がそれを決めるんだ」

     この科白に異論を持つことはできる。けれども、この正当性も判る。

     そして、第1話の被害者である少年の、最終話での状態についても、それは。。。

     けれど、やはり戻ってくる。この第3話。。。

     そのために。。。まるで第2話が置かれていたようじゃないか。

     これが。。。現実だとしても。それは。。。(おっぺ)
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