項目名 | 倒錯の帰結 |
読み | とうさくのきけつ |
分類 | ミステリ小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | そして、とうとう、倒錯三部作の掉尾を飾る「倒錯の帰結」。 前に「遭難者」で、凝りに凝った造りにワクワク期待だけして、そしてガッカリした覚えがあるのだけど、この「倒錯の帰結」も凝っている。「首吊り島」「監禁者」二つの長編が何と本の裏表というのか、反対方向からそれぞれ読めるようになっている。帯には「前代未聞、前からも後ろからも読める本。」とある。そして、まん中あたりは袋とじになっていて、二つの長編の終章が合体して存在しているのだ。。。 読み終わってみれば、何もこういう造りにする必然性はなくて、単に、「首吊り島」「監禁者」の順に収録してあって、最後に袋とじ部分が来るだけでも、まあ、いいのだけれど、内容的にはこの造りの方が面白いのは確か。 ただ、あの「倒錯のロンド」「倒錯の死角」の完結編というものにしては、少しボルテージが低い気も。。。 また、袋とじ部分には「首吊り島」「監禁者」のどちらから読んでもいいが、「首吊り島」から先の方がいい、「監禁者」からだと驚きが1つ減るから。。。と親切に書いてあるのに、同時に「倒錯のロンド」「倒錯の死角」の完結編だけれど単独でも読める、と書いてある。。。 うーん、単独でも読めるけど、単独では読まない方がいいでしょう。だって、「ロンド」「死角」のネタバレになっちゃってる。それにやはり、「ロンド」「死角」を読んでいてこそ、まあまあ面白く読めるような。。。 が、それよりも何よりも、問題はこの最後の最後のエピローグ部分なのだ。 この最後の部分を読むと、なんだか、新津きよみが折原一の代作をさせられていたかのように書いてある気が。。。 新津きよみは折原一の奥さんだそうだけれど。 一体、このエピローグは、そこまでマニアックな知識を要求する、ギャグとして書かれたものなのか、それとも。。。(おっぺ) おおむね私は折原一の叙述ものは好きだが、密室もの等は面白いとなかなか思ったことがない。パロディはパロディで面白いのだけど。「首吊り島」は折原一の、私にとって面白くない部分ばかりがつまっている感じがする。 「監禁者」から読むようになっていたら、もしかしたら評価はまた違っていたのかもしれない。。。(おっぺ) |