語る「万華鏡」

(おかしな二人―岡嶋二人盛衰記)

おかしな二人―岡嶋二人盛衰記(おかしなふたりおかじまふたりせいすいき)

項目名おかしな二人―岡嶋二人盛衰記
読みおかしなふたりおかじまふたりせいすいき
分類青春小説

作者
  • 井上夢人
  • 公的データ
  • 人と人の出会い。人と人の別れ。二人が出会ったとき、著者21歳。徳さん28歳。そして18年後、二人は別れた。
    ミステリー合作コンビ誕生と消滅の記録。

    岡嶋二人というのは、僕にとって故のようなものだ。なにもかもが、そこから始まった。そこは僕の遊び場だったし、学校でもあった。職能訓練所だったし、強制収容所みたいな場所でもあった。僕はそこでミステリーについて学び、話の組み立て方を覚えた。面白い話と面白くない話は、どこで違ってくるのかを知った。小説にとって、何が必要で、何が不必要なのかを教えられた。
    だから、今、僕がまがりなりにも小説を書く側の人間としてワープロの前に座っていられるのは、なにもかも岡嶋二人から与えられたものなのだ。もし、過去のあの日、徳山諄一という男と出会っていなければ、僕の人生はまったく違ったものになっていただろう。それは僕だけじゃなくて、たぶん、彼にとっても。――(本文より)
  • 感想文等
  • 面白いです。
  • もう何度も何度も何度も読み返しているけれど、読むたびにいつも面白い。面白いって言い方には、語弊っていうものがあるかもしれないけれど。
    ちゃんとした1つの「小説」になっているのは、なるほど流石だよね、って思う。『僕』はそのまま井上夢人とは被さらないのかもしれないけれど、講談社文庫版の解説で大沢在昌が言っているように、本当にまるで恋愛小説のようにも読める。ただ、私はやはり、『僕』のほうが「男」だと思う。このなんともいえない切ない想い方は、「男」のものだ。。。
    ジャンルわけは、さすがに「恋愛小説」にするわけにはいかないけれど、「エッセイ」とかではなくて、「青春小説」に入れてみた。それが一番近いと、思ったから、、、、だ。(おっぺ)
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