項目名 | おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 |
読み | おかしなふたりおかじまふたりせいすいき |
分類 | 青春小説 |
作者 | |
公的データ | ミステリー合作コンビ誕生と消滅の記録。 岡嶋二人というのは、僕にとって故郷のようなものだ。なにもかもが、そこから始まった。そこは僕の遊び場だったし、学校でもあった。職能訓練所だったし、強制収容所みたいな場所でもあった。僕はそこでミステリーについて学び、話の組み立て方を覚えた。面白い話と面白くない話は、どこで違ってくるのかを知った。小説にとって、何が必要で、何が不必要なのかを教えられた。 だから、今、僕がまがりなりにも小説を書く側の人間としてワープロの前に座っていられるのは、なにもかも岡嶋二人から与えられたものなのだ。もし、過去のあの日、徳山諄一という男と出会っていなければ、僕の人生はまったく違ったものになっていただろう。それは僕だけじゃなくて、たぶん、彼にとっても。――(本文より) |
感想文等 | ちゃんとした1つの「小説」になっているのは、なるほど流石だよね、って思う。『僕』はそのまま井上夢人とは被さらないのかもしれないけれど、講談社文庫版の解説で大沢在昌が言っているように、本当にまるで恋愛小説のようにも読める。ただ、私はやはり、『僕』のほうが「男」だと思う。このなんともいえない切ない想い方は、「男」のものだ。。。 ジャンルわけは、さすがに「恋愛小説」にするわけにはいかないけれど、「エッセイ」とかではなくて、「青春小説」に入れてみた。それが一番近いと、思ったから、、、、だ。(おっぺ) |