| 感想文等 | 「根暗」とか「根あか」なんて言葉が流行ったときにはかなり抵抗がありました。一所懸命考えることが「暗い」んだったら、じゃあ、人間には脳味噌いらんじゃないかよ……なんて。 筒井康隆さんの短編に、たしか「ポルノ惑星のサルモネラ人間」とかいう奇怪な題名の作品があり(違うかもしれない)、その中に、すごく性格の悪い科学者が出 てきたんですよ。で、読んでてとっても「こいつ、嫌な奴だな〜」とか思ってたんですが、ラスト近くでこの科学者、異星生命体にとりつかれるんです。そして、半分意識をのっとられたような状態になって、すごく「ネアカ」でな〜んも悩みのないへらへら喋り散らす奴に変貌する。「わしにはもう何も悩むことはなくなった。わはははははは」なんて。 こう要約しても、なんだかよくわからないと思いますが、僕、読んでてこの場面がなぜかすごく「こわかった」んです。すごく恐怖感を覚えた。 で、以前の、すごく性格が悪くて、むっつりしてて、「嫌な奴」だった頃の科学者の方がずっと「愛すべき奴」だったと思った。このへらへら笑って「悩みなんかないもんね〜」と言ってる奴は不気味で、たまらなくいやだった。 それで、「ああ、暗かろうが、陰鬱だろうが、やっぱり、人間、悩むってことのできるのが一番だ」と思ったのでした。「悩めなくなったら、人間にはそれはこの上ない不幸なんじゃないだろうか」と。 つまり、「悩みがあるから、人間なんだ」(笑)。と。 単に僕がウンウン悩むことに特殊な愛好癖を持ってるだけなのかもしれないんですが(笑)。(おっぺ)
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