感想文等 | この『古畑任三郎』では、犯人役にあまり刑事物の犯人などはやらない主役級の俳優たちがゲストスターとして出演する、それが「ウリ」のひとつだった。 中森明菜、堺正章、桃井かおり、古手川祐子、木の実ナナ……なるほど、いずれも主演シリーズを持てる役者たちだ。主役を張れる役者が「犯人」として主人公の名探偵と対決するのだから、これは面白くなる。「刑事コロンボ」のパクリと言えばそれまでだが、日本のドラマシリーズでやってくれたことが嬉しい。 ……で、この大宮十四朗編の犯人役が小林稔侍だったとき、失礼ながら「えー」と思ってしまった。なんとなれば、私にとって小林稔侍氏は「行かない刑事」だったからなのだ(^^;) 今の小林稔侍氏は、れっきとした主役俳優だろう。けれど、私が最初に認識した時、小林氏はギャグ担当の端役だった。土曜日九時からのアクション番組――「Gメン'75」の前身たる丹波哲郎出陣の「バーディ大作戦」に、行内刑事というキャラクターで登場していたのだ。 「バーディ大作戦」はといえば、前番組「アイフル大作戦」の直接の続編。「アイフル」では主役は小川真由美であり、丹波哲郎が彼女のライバルたる警視庁の敏腕刑事だった。その丹波哲郎が、小川真由美の去ったアイフル探偵社の面々に担ぎ上げられ、警察を辞めて新しくバーディ探偵社を立ち上げての物語が、「バーディ大作戦」になる。 「アイフル」時代、丹波哲郎には、藤木悠演じる追出(おいで)刑事という部下がいた。後々の「Gメン'75」では堅実なベテラン刑事を演じた藤木悠氏だったが、追出刑事はギャグ担当で、とにかく覚えているのは丹波哲郎が追出刑事を呼ぶときの、「追出」「はっ」「おいで」。(^^;) 「バーディ大作戦」になり、丹波哲郎が警察を辞めて、追出刑事は部下を持つ身になった。この部下が、行内(いかない)刑事で、小林稔侍氏だったのだ。 この行内刑事絡みの記憶も「追出、おいで」同様に名前ネタのギャグで、 追出「放してください、私は奴を追わねば!」 女「追出さん、ここにいて。私から離れないで。どこにも行ったりしないで」 追出「うう……行かないっ!」 女「ああ、うれしい」 追出「違う、行内っ! 奴を追え! 行くぞ!」 のような感じだった(笑)。 行内刑事のキャラクターそのものにはあまり記憶もなく、とにかくギャグ担当の端役のイメージだけが強く残った。 他の番組で見掛けるときも、端役のギャングだったりで、どうしてもパッとしない印象のまま、頭に残ってしまっていたわけだ。 時代劇スターが犯人というプロットなら、いっそ田村高廣とか滝田裕とかで攻めてほしかったな、、、と思ってしまったのだった。 とにかく……ごめんなさい、行かない刑事(^^;)というわけなのだった(^^;(おっぺ)
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