語る「万華鏡」

(「ラスト・ダンス」の一部削除)

ラスト・ダンス(らすとだんす)

項目名ラスト・ダンス
読みらすとだんす
分類ミステリドラマ

作者
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  • 公的データ
  • 古畑任三郎ファイナル第3夜。
    テレビ局――颯爽と廊下を歩くのは、人気脚本家の加賀美京子こと大野かえで ( 嶋菜々子 )。すれ違うスタッフは皆一様に売れっ子の作家のかえでに挨拶する。その日、かえでが手がけた連続ドラマ「鬼警部ブルガリ三四郎」の最終回が完成し、試写が行われた。かえでを始め、スタッフは皆、作品の出来に満足しているようだった。「鬼警部ブルガリ三四郎」の打ち上げ会場で、大勢の関係者の中、スピーチするかえで。派手目なメイク、女優を思わせるような衣装。社交的な彼女はいつも華やかなスポットライトを浴びていた。
    同じころ、とあるマンションの一室では、もみじ ( 嶋・2役 ) が、パソコンに向かって原稿を書いていた。化粧もせず、地味な装いの彼女は、かえでの双子の姉であり、もうひとりの加賀美京子だった。テレビ業界では誰もが知っている話だが、かえでともみじはふたりでこのペンネームを使い、共同で仕事をしているのだ。
    そんな中、打ち上げ会場にやってきたのは、ご存知、古畑任三郎 ( 田村正和 ) である。古畑は「鬼警部ブルガリ三四郎」の監修として以前からかえでに協力していたのだ。古畑は、かえでに誘われ、打ち上げ会場をこっそり抜け出してダンスホールを訪れた。チークダンスを踊るふたり。かえでは、華麗なステップで踊りながらこうつぶやいた。「私、古畑さん好きよ」と――。
  • 感想文等
  • いきなりの『ブルガリ三四郎』は「溶ける糸」のエンディングのモロパクリでちょっと哀しい(^^;)
     双子となると「二つの顔」だが、関係性は「構想の死角」。
     たぶん入れ替わっているはず……と思わせながら確証はないままに進む、「これはどちら?」。そして黄色いコートの点で確実と思える。こういう部分も含めて、かなり危うい進行だし、完全犯罪とは視聴者の眼にも映らないはずだ。
     警察関係者を除いては、事件以前からの古畑の知人が犯人というのは特殊ケースの「古い友人に会う」だけ……と思ったが、よく考えたら、「以前からの知人」は違ったね(笑)。古畑からはそう見えても、「入れ替わった」からには、犯人にとっては古畑は未知の相手なわけだ。
     それにしても、古畑以外の2人の方が、すでに真相をほとんど見抜いているというのが面白い。しかし、イデオット・プロットとしか思えないのは、いよいよ謎解きの直前での古畑のいつもの「読者への挑戦」が、「入れ替わった」ことに視聴者が気付いていないことを前提のものになっていたから。これは演出のミスだったのか? 「入れ替わった」ことがバレバレな以上、実は謎にはなり得ない。いったい、この演出で「入れ替わり」に気付かないことがあるのかな?
     そんなこんなで、ファイナル・ステージとしてはいささか物足りない部分はあったのだけれど――最後に、放映第一話の小石川ちなみに回帰するのは感を誘った。
     こうして古畑は最初の地点を思いながら消えて行った。まだまだ、相手どってほしい強敵・好敵手はいたはずだけれども……新刑事コロンボがかなり寂しい進行を見せている今、変に長引かせない方がやはりいいわけなんだろう。
     さあ、次は何を楽しみにしていたらいいのかな?(おっぺ)
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