感想文等 | 今週でホームドラマチャンネルの『仕事屋稼業』も最終回。いやー、やっぱり痺れますな。一週前の「乱れて勝負」から、もうこちらは痺れっぱなし。必殺どころか、テレビドラマ史上に残る傑作ですね、これは。 見れば見るたび新しい発見があるのが必殺で、今回もまた「おっ」と思うところがあった。お春と半兵衛の間で、「死なないでね」「おれは死んだりしないよ」っていう会話が交わされてたんだなぁ。憶えてなかった。このやり取り、『仕置屋稼業』のおこうの台詞を彷彿とさせるじゃないですか。お春と約束していたから、半兵衛は生き続けることを選択したんだね。 それと、最終回の半兵衛はしっかり肝が据わっているけど、これは「乱れて勝負」があったからこそなんだな。もしあの経験がなくいきなりこの危機に直面していたら、おそらく半兵衛はここまで覚悟を固めてはいなかっただろうと思う。半兵衛はすでに、自分のやっていることをお春に告白した時点で、すべて終わってしまうことを覚悟していたんだよな。おせいはそこまでの衝撃を受けていなかったから、そこで両者の違いがはっきりしちゃったわけだ。 で、こうなるとその後のおせいを見たくなるわけで、ついつい『商売人』の一話目を流し見る。うん、やっぱり冒頭のおせいの啖呵、「馬鹿野郎! これだけ言っても〜」という台詞は、ちゃんと『仕事屋稼業』の最終回を受けたもので、痺れるね。おせいは『仕事屋稼業』の頃より、この『商売人』時代の方がずっと魅力的です。(貫井徳郎氏の日記より)
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