語る「万華鏡」

(「ヒミコの夏」の一部削除)

ヒミコの夏(ひみこのなつ)

項目名ヒミコの夏
読みひみこのなつ
分類ミステリ小説

作者
  • 鯨統一郎(おっぺ)
  • 公的データ
  • スクープを狙っていた雑誌記者・永田祐介は、ある取材先で水田の中に一人佇む少女と偶然出会う。少女は一切の記憶を失っていた。少女の両親を捜すうちに、祐介は少女に、植物の意思を読み取る特異な能力があることに気づく。一方、「ヒミコ」という遺伝子操作によって生み出された新種の米が日本の食卓を席巻しつつあった。少女が発した「ヒミコが日本を滅ぼす」という謎の言葉。少女とヒミコの二つの点を結ぶ線が明らかになった時、祐介の眼前に、巨悪の企みが浮かび上がってきた。やがて忍び寄る殺人者の手……。ヒミコに隠された謎とは? 殺人者の正体は? 祐介は少女を、そして日本を守りきることができるのか――?
    1998年、デビュー作『邪馬台国はどこですか?』で注目され、現在最も活躍が期待される新進作家・鯨統一郎が満を持して放つ傑作長編ミステリー。
    「日本農業新聞」にて好評のうちに連載を終えた作品に、大幅な加筆・訂正を加えた一冊。(おっぺ)
  • 感想文等
  • よもや鯨統一郎がこんなタイプの小説を書こうとは!
     おおた慶文の少女のカバー絵、字の大きさ、章題のある点、などから、さてはジュヴナイルなのかとも思ったが、そうでもない。掲載誌を見ると、日本農業新聞だった。発表誌と読者層を考えての、いつもの鯨節を抑えてのスタイルらしい。
     そして、これは案外面白かった。スリリングですらあった。決して先の読めないというほどのミステリーでもないのだが、「みどり」の名のちょっとしたトリックなど、読者の興味をうまくひきつけている。佳作だと思う。(おっぺ)
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