感想文等 | 別物語での主人公たちが共演するというのは、いつもワクワクさせてもらえるプロットだ。 「ルパン対ホームズ」などは、片方の主人公ルパンの作者のみが書いていたため、どうにもホームズに分が悪かった。やはり、どちらの主人公も本物の作者の手によってほしい。 マジンガーZとデビルマンは、どちらも原作者は永井豪であり、とりあえずは差別がない(笑)。しかし、実際のところはメインドラマはマジンガー側にあり、デビルマンは、客演という感じではあった。すでにデビルマンは放映を終えていたからというのもあっただろう。また、プロットとして「ついにマジンガーZが空を飛ぶ!」という、テレビに先駆けてのジェットスクランダー登場が眼目にもなっていたわけだ。 とはいえ、デビルマン不動明も決してただの通りすがりのゲストではなく、兜甲児とのバイクでの直接対決、また交情、「俺ならマジンガーZを空から攻める」というプロットを射抜くセリフなど、かなり「いいとこ」を背負ってもいた。 のちのちの「グレートマジンガー対ゲッターロボ」などが、ゲッターチームがどうしてもゲストのライバル扱いになりがちだったのに比べて、よく練り込まれた物語だったように感じられる。これは、デビルマンはひとりだが、ゲッターチームは3人だ、というのもあるだろう。グレート側の鉄也を描き、さらにゲッターチーム3人もきちんと描き、というのは映画とはいえ時間的には1時間に満たない尺では難し過ぎただろう。 結局、マジンガーの映画版では、この「マジンガーZ対デビルマン」、次の「マジンガーZ対暗黒大将軍」が佳作であり、グレート時代の対ゲッター2作は、いささか印象弱くなっていたかもしれない……とはいえ、敵役ギルギルガンなどは未だに記憶に案外残っているのだが。(おっぺ)
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