| 感想文等 | 他愛ない学園少女コミック小説……に違いない、とは思うのだが、ここまで十冊読んできて、一点、「これは面白いな……」と思っている特色がある。それは、「語り直し」のテクニックについてなのだ。 この連作シリーズは、おおよそ一冊の中に数編の共通したテーマの短編がいくつか入っている、そういう構成であることが多い。ところが、それが、単に「共通したテーマ」だけではなく、「同じ出来事」を「別のキャラクターの立場から」語り直す、そういう構成になっている場合が割に多いのだ。 これは案外に面白い手法で、たとえば高千穂遙が自分の人気キャラクターのダーティペアとクラッシャー・チームとの競演を書いた際、それぞれの視点からで同じ事件を別々の長編2冊として上梓したことがある(「ダーティペアの大乱戦」「ドルロイの嵐」)。これは遊び心の産物だと思うのだが、本格ミステリの分野に目を向ければ、たとえば主に叙述トリックの手法で、この構成が選択されるのはよく見るところだ。 しかし、この「マリみて」の場合は、むしろ三原順「はみだしっ子」の「クリスマスローズ咲く頃」と「サーニンのメモノート」の関係性に近い。複数主人公であるが故に必然的に生じ、そして相互補完として一種感動的にすら機能する構成になっているのだ。 作者がどれほど意識してこの構成を駆使しているのかは判らないが、端倪すべからざる、と感じる読み手がここに一人いる。(おっぺ)
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