感想文等 | このPART3から、ひかる一平演じる西順之助が登場し、「仕事人シリーズ」のコメディ化が進行し始める。 が、最初の数話に関する限り、実はさほど悪い出来ではない。順之助のキャラクターがちゃんと描かれ、これなら、「新必殺仕置人」の正八が殺しを本格的に始めたなら、みたいな感じにも見て取れなくもない。 また、画面としても、たとえば順之助を仲間に入れる入れないで仕事人たちが順番に語っているシーンなど、単にダラダラ俯瞰で撮っているのでも、順に喋っているキャラの顔を撮っているのでもなく、いかにも必殺らしく凝ったワークの絵になっていて、十分に見応えがある。アジトでのシーンも、のちに藤田まことが嘆いたような「せっかくみんな集まっても、ただ難しい顔をして金を取るだけ」ではない。つまりは、まだまだルーティンワークは始まっていないというわけだ。 たぶん、このPART3の中途から、ダレ・惰性が始まり、集中して観るのがつらいキレのない画面、ストーリーが始まってしまったのだと思う。もし、この初期話数のまま、「純真な少年、西順之助が、いかに堕落したか、あるいは成長したか」で描ききることができれば、必殺の歴史は全く変わっていたに違いないのだが。(おっぺ)
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