陶芸会館見学記
2004.2
掲示板に寄せられた情報によると、さいたま市の宮原駅近くに陶芸会館という天守風建築物が有るらしいとの事なので、電車に乗って見学に行ってみました。
日進駅で降りて、地図を頼りに細い路地を抜け線路を渡って進んでいくと、唐突に住宅街に聳える三層天守が見えてきました。
写真で見ると、割と古そうに見えますが実物はかなり新しい建物です。
古そうに見えるのは、コンクリートが直接外壁となっている事も有るのですが、これが直接見ると磨き上げられたコンクリの冷たい質感が、近未来的な天守というイメージを見る者に与えます(そんな事考えるのは多分私だけですが)。
白く塗ってしまえばごく当たり前の天守になる所をあえてそうしていないのは、そういう効果を狙っているのだと思います。
・・・本当かなあ?
2004年2月撮影
この陶芸会館は「財団法人陶芸文化振興財団」の施設で、一階が陶芸教室・二階三階は陶芸美術館の展示室になっています。
なお、この財団はさいたま市周辺で陶芸教室を開いている団体が財団化したものだと推定されます。
この日は休日でしたが、一階では陶芸教室が行われていました。
入り口から入って「すみません、上を見学したいんですが、」と声を掛けると先生(陶芸の)が展示室の鍵を開けてくれました。
建物は内部もコンクリの地肌が露出しています。
秘密基地のようでワクワクします。
二階には古今の名品が展示されていました。
三階には、県内在住の方の作品が展示されていました。この陶芸教室と関係の有る方なのか不明ですが、一見してゴロゴロっとした暖かい感じの作品でした。
城というか博物館巡りなどしていると、自然と陶器などを鑑賞する機会が多くなるのですが、モノの良し悪しは全く判りませんが、ただ眺めているのが楽しかったりします。
ところで、三階は天井がとても高いのですが、それは約半分の範囲で、残りの半分はロフト状になっていて陶芸関係の書庫になっています。
ロフトの有る天守というのも初めて見ましたが。
余談ですが、以前から現代における天守建築は、もっと挑戦的になるべきだ、昔の天守を形だけまねるのではなく、と思っています。
いや、結構本気なんですが。
そういう意味で、この陶芸会館は新たな天守建築を予感させる建物であると考えます。
−情報提供:kazkazさん−