徳川城訪問記
2004.5
北海道の天守といえば唯一のものが松前の福山城の天守であると、一般的には言われていますが、とんでもありません。北海道には多数の模擬天守が聳えており、その(本物の天守との)比率は本州よりも高い(当たり前だ)のです。
このように、北海道に多数の天守が有る理由はなんといっても、北海道に住んでいるのは日本人であり、日本人に一定の比率で存在する”天守好き”がやっぱり北海道にも存在するという事でしょう。
本州で有り勝ちな、近くの城跡に強引に関連付けた天守、というような成り立ちのモノは発生しにくく成りますが、逆にそういう制約が殆ど無く、何処に天守を建てても誰にも”紛らわしい”とは指弾されないという自由さが有ります。土地も広大ですし。
そんな、北の大地に聳える天守の中でも群を抜いて巨大なのが、赤平市の郊外にある徳川城です。四層四階に石垣部分を加えて六階建てという規模は、城に由来しない模擬天守の中でも五本の指に入るものです。
この徳川城は、人形工房徳川城という道内唯一の節句人形製造メーカーの店舗兼ショールームです。四層六階の規模とともに、直線的な石垣の処理、反りが小さく地味なラインの屋根など、素朴な造形が北海道らしさを醸し出します。
画像で右側の一・二階部分は国道に面した方向と反対側なので、石垣ではなくて面積の広い窓が配置されていて、この辺りも実用本位な感じです。
内部は一・二・三階が人形の展示・販売エリアで、五・六階が鎧兜の展示と展望台になっていますが、館内撮影禁止だったので画像は有りません。なお、四階にレストランが有ったようですが、営業してなかった模様です。