川内戦国村訪問記

2004.8


 川内市(合併して薩摩川内市になった)の市街から川内川を下って、もうすぐ河口という辺りの川沿いに、川内戦国村が有ります。
 この川内戦国村は甲冑武具の製作で知る人ぞ知る「丸竹産業」が経営する歴史テーマパークですが、村と付いているからといって、日光江戸村とは関連は無いようです。
 とはいえ、なんとなく日光江戸村に似た施設なのかな、と思って訪れたのですがかなり毛色の違うモノでした。


<戦国村城門>


 ここを訪れたのは、8月のお盆休み中の平日で、とにかく天気が良い、というか突き刺さるような日差しで、関東ではまず見ることのない、真っ青な空とエメラルドグリーンの海の印象が強く残る一日でした。
 さて、駐車場に車を入れると、かなり停まっている車は少なくて、お客さんはせいぜい2〜3組くらいでしょうか。まあ、この時期のこの辺りでは行楽は涼を求めたものが多くなるでしょうから、こういう、ある意味暑苦しい?施設にはあまり来ないのかも知れません。

 そうなると、あの伊勢安土桃山文化村の悪夢(客より係員の方が多い)の再現か?
 という恐れを抱きつつ、チケットを買って城門を潜り村内に入ると・・・


<中庭から城門方向を望む>

 ・・・なんか誰も居ないぞ?

 少ないだろうと思われた客はやっぱり1〜2組ですが、その相手をする人が全く見当たりません。

 戦国村の基本的な構造は長方形の敷地で中庭を囲んで各施設が建っています。戦国村の案内ページを見てもらうのが判りやすいかと思いますが、敷地の長辺が100m弱で、まあ広いと言えば広いんですが、広大という程の規模でもありません。
 なので、城門から入れば大半の範囲が見渡せるのですが。

 とりあえず、城門の右手の多聞櫓から三層の隅櫓になっている部分が売店らしいので、入ってみると、店員さんも居ません。
 そして、その向かいにある武家屋敷の展示の案内は、自動装置によるアナウンスで行っているようです。
 どうやら、この施設は全体的にこういう造りになっていて、通常は生身の人間が案内する事は無い模様です。
 これなら、人件費が少なくて済みそうですね。


<民芸物産コーナー(薩摩屋)>

 とりあえず、反時計回りに見学してみる事にして、次は田ノ上コレクションの展示と、西郷記念展を見物します。
 コレクションの方は、割と有り勝ちな甲冑や焼き物・掛け軸などですが、西郷記念展の方が、西郷隆盛の軌跡を等身大(ほぼ)のジオラマで再現していて、ここでも解説の録音が流れるという構成になっています。
 このジオラマ(特に人形が)が結構いい味を出していたりします。


<これは田原坂の情景だったかな>

 次は、天守の前の記念撮影ポイント辺りで、日本庭園を眺めつつ天守の外観を観察します。
 この天守、というか本当に天守なのかちょっと不安になってきたんですが、日本庭園に向かった方向が濡縁になっていて、開放的な御殿風の構造になってます。
 およそ、一階を見ただけでは天守には見えません。


<居住性の良さそうな天守>

 天守の中に入ってみると、ここにも島津関係の等身大ジオラマが有りました。
 仏像がかなり良い感じを醸し出しています。


<秀吉に降伏するシーン>

 そして、二階に上ってみると、三階部分まで吹き抜け、というか柱は有るんですが、になっています。これは、当初は三階建てにする予定だったのがなんらかの理由で断念したものなのでしょうか?
 ちょっと微妙な所のように思いますが、本来は三階になる筈の部分に仏像みたいなものが設置されていたりします。


<天守二階から三階?を見上げる>

 天守から渡り廊下を通って工房の方に来て見ると、作業場の中で数人の方が甲冑の製作中でした。もしかするとお客さんが沢山来た時には、こちらから応援に出るのかも知れません。

丸竹産業のページ


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