今昔館(稲庭城)
2002.12
秋田県稲川町は稲庭うどんで有名ですが、その発祥の地?稲庭城の二の丸跡に今昔館なる三層の天守が建っています。国道398号を走っているとすぐ脇の小山の上に聳えているので見落とす事はないでしょうが、冬季はこの先の峠は閉鎖なので秋田側からしかアプローチ出来ません。
それから、今昔館自体も冬季(12月から3月)は閉鎖され、名物?のスロープカーも運行していません。
<今昔館とスロープカー他の全景>
今昔館が有る稲庭城の二の丸は国道から約100mの峰の上の細長い削平地です。上の写真の看板の脇から歩道が付いているので登って見ました。
<スロープカーの軌道>
12月の中旬でしたが、雪は殆ど有りませんでした。歩道はそんなに急な所は有りませんが、結構長いのでスロープカーが運行している時期にわざわざ歩いて登る必要は無いと思われます。途中に稲庭城の遺構が若干有ったようですが。
それなりのペースで登って二の丸に着いたのは約15分後、寒冷地対策で沢山着込んでいたので、じっとりと汗をかいてしまいました。
今昔館も開いてませんので、周りから写真を撮るしかする事が無いのですが。
どうやら彦根城あたりをモデルにした感じで、結構派手な天守です、ただ細くて華奢な感じです。
というのも、稲庭城の二の丸は尾根上の細長い曲輪でそこに天守の長辺を平行に配置しているので、写真を撮るために引ける方向からは天守の短辺が正面に来てしまうのです。
ネット上にある今昔館の写真も大半がそうなっています。
天守の写真を一番カッコ良く撮れる方向は(好みは人それぞれと思いますが)長辺側の正面から30度程度斜め方向だと思うのですが、この今昔館の場合、天守と同じレベルではその方向では引きが無くて天守を仰ぎ見る形になってしまい、一般的な天守の写真としてはイマイチです。
<国道脇の空き地から270mm相当の望遠で撮影(さらにトリミングで2倍程度に拡大)>
それでは、山麓から長辺の正面を狙うとすると、適当な(一般的な望遠レンズで撮れる)距離では標高差が有りすぎてやはり仰ぎ見る形になり、上下に潰れた感じになりやはりイマイチです。
後は超望遠でかなり遠くから狙うしか無いですが、ざっと見た限り良さそうなポイントは見当たらなかったです。
こういう配置になってしまったのは、建物を建てる時に景観を意識しなかったからでしょうか。
ただ、この位置で天守の方向を変えようとすると稲庭城の二の丸からはみ出てしまいます。盛り土・石垣などが必要になりますから、遺構を余計に破壊するのを避けたのかも知れません。