教 義 と 組 織


 教会の教えの根本は、古くから唱えられてきた「使徒信条」の中に見ることが
できます。


 「天地の創造主、全能の父である神を信じます。父のひとり子、わたしたちの
主イエス・キリストを信じます。
主は聖霊によって人となり、おとめマリアから生まれ、ポンティオ・ピラトのもと
で苦しみを受け、十字架につけられて死に、葬られ、死者のもとに下り、三日
目に復活し、天に上って、全能の神である父の右の座に着き、生者と死者を裁
くために来られます。
 聖霊を信じ、聖なる普遍の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、からだの復活、
永遠のいのちを信じます」


 イエス・キリストは、弟子の中から12人を選び「使徒」としました。そしてペトロ
に使徒の頭としての特別な使命を委ねました。使徒たちは各地で宣教し、キリス
トを信じる者たちの共同体、すなわち教会をつくり、自分たちの後継者を定めま
した。ペトロはローマに行き、教会をつくりました。このペトロの後継者がローマ
司教、すなわちローマ教皇です。そして使徒たちの後継者が世界中で働いてい
る司教なのです。

 ローマ教皇は全カトリック教会に対して最高の統治権を有する、というのがカト
リック教会の伝統的な教えです。現在全世界には司教が責任を有する約2500
の教会(教区)があります。司教は自分の任務を助ける司祭(神父)を指名する
ことができます。日本には16の教区があり、18人の現役の司教が働いています
(東京と大阪には2人)。


 カトリック教会には、このように地域を単位とする組織のほか、修道会組織があ
ります。「父と、子と、聖霊」の三位一体の神を信じることを宣言し、洗礼によって
教会に属することを選んだ信者は、それぞれの生き方を選ぶことができます。
結婚生活、独身生活、修道生活と、各人が選ぶ生き方は異なりますが、それはそ
れぞれの道を歩むように呼びかける神に、その人なりにこたえることだ、と教会は
考えています。


 修道生活を送る人は、清貧・貞潔・従順の3つの誓願を立て、修道会に属して生
活します。修道会は目的によって、祈りや修行に専念する「観想会」と、教育、福
祉、医療、出版、宣教などの諸活動を行う「活動会」があります。また全世界で活
動する会もあれば、ある国で生まれ、そこだけで活動する会もあり、多種多様で
す。修道会の設立はローマ教皇の許可が必要です。そして各地の司教のもとで
活動します。

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