記事一覧

パートナー

軽井沢編がまったくの白紙で・・・逃げようかなと思ってコミックを眺めていたら風杜さんがいたので遊馬と話をさせてみようとしたら・・・こうなりました(^^;
なんでこんなに面倒になるんでしょうね?
それは 私に素直さが足りない所為かも知れません。
(今までのお話とは全く無関係なお話です)

以下 本文になります。

==================
パートナー
==================

今日は出動もなく一日が終了し 退勤時間になった。
お武さんが報告書にサインをして隊長に提出してくると、「さ、今日はもうあがりましょう」と声を掛けた。
皆 口々に「お疲れ様です」といって帰り支度をはじめる。
机の上を片付けた野明と遊馬も「お先に失礼します」と言って隊員室を後にした。
更衣室で着替えを済ませる。
約束しているわけではないが 早く着替えた方が待っているのが習慣になっていた。
先に着替えを終えた遊馬が 壁に背中を預けて野明を待っているとシゲが通りかかった。
「遊馬ちゃん あがり?」
「そ。今日は出動もなかったし」
「・・・泉ちゃん?」更衣室を指しながらシゲが問う。
「着替えるのおせーんだよな」
シゲは にっと笑った。
「その割りに楽しそうよ、遊馬ちゃん?」
「んなことないって」
「そーお? まいいけどねぇ」
軽口を叩いていると 遠くで榊班長の「シゲ!こら どこ行きやがった!!」と言う怒鳴り声が聞こえてきた。
「あ やべ。またね~ 遊馬ちゃん」
そう言ってシゲが姿を消すと入れ替わりに野明が更衣室から出てきた。
ブラウスに薄手のパーカー、ホットパンツという軽装ではあるが色が全体的にパステルカラーで普段のTシャツとジーンズという出立ちとは少し雰囲気が違う。
遊馬の傍に駆け寄ると「おまたせ」と言って歩き始めた。

ハンガーを出て少し歩くと、野明が遊馬の顔を覗き込むようにくるりと回りこんだ。
「ね、この後暇?」
「なんかあるのか?」
「あのね」といいながら デイ・バックの中から一枚のチラシを取り出した。
「これ、行きたいなぁって。関東、初出店なんだって」
それは 汐留に新しくできたパーラーのものだった。遊馬もチラシを覗き込む。
「ふーん 俺 甘いもの苦手なんだよなぁ」というと渋い顔をする。
「じゃ 遊馬はコーヒー飲んでていいから。ね、駄目?」
「こーゆーとこって 女ばっかりだろ? 俺はいいよ」
遊馬は興味がない、とばかりに手をひらひらと振って見せた。
こういうときは もう何を言っても無駄だと経験で判っている。
野明は 諦めたようにしゅんとして、「つまんなーい」と頬を膨らませた。
そこへ 二人の背後から声が掛かる。
「へぇ? そんな店ができたんだね、泉さん 僕とどう?」
吃驚して振り返ると 二人の背後に風杜がにこやかな笑みを浮かべて立っていた。
突然のことに吃驚して野明が固まっていると 遊馬が笑みを浮かべているのに目だけはあからさまに不機嫌な光をたたえて言った。
「風杜さん、来てたんですか?」
「松井さんの付き添いでね。」あくまでも穏やかな笑顔で風杜は答える。
「今日はもう?」
「用事はおわったよ、後は帰るだけだ」といって野明に向き直る。
「ということなんだけど、僕と行かない? 篠原君は乗り気じゃ無いみたいだし。」
「あの・・えっと・・・」と遊馬を見遣る。
遊馬は苦虫を噛み潰したような顔で風杜を見遣り、野明はそれを見てどうしたらいいのか図りかねた。
「このあと時間はある、ということでしょ。泉さん?」
先刻のやり取りを聞いていたのだから 「予定があるんです」という誤魔化しは使えない。
野明が困っていると風杜は更に続けた。
「それとも 篠原君以外とはいきたくない?」
遊馬は 風杜に鋭い目を向けた。
そんな言い方をしたら 野明は絶対断れない。知っていてそう言った事が判った。
案の定、野明は「そういうわけじゃないです」と答えてしまった。
予想していた通りの答えに 風杜は「なら 行こうか」といって野明の髪をくしゃりと撫でた。
それは自分が野明にするものと同じ仕草で。
それを見た遊馬は すごい勢いで野明の頭を強引に引き寄せると聊か乱暴な手つきで髪をクシャクシャにするように撫でると、「行くな」と声を掛けた。
「遊馬?」野明は頭を抱えられたような格好のままびっくりして声をかける。
いつに無く怒ったような顔をして自分を抱え込んでいる遊馬を見て野明は小さく溜息をつく。
「・・・判った。だから離して?」
野明が言うと 遊馬は視線を風杜に向けたまま黙って手を緩めた。
遊馬の腕からするりと抜け出した野明は風杜に向かい合うように立つと申し訳なさそうな顔をして言った。
「ごめんなさい。やっぱり行けないです。」風杜は野明をみて微かに笑うと 遊馬に視線を移した。
やや不満そうな顔をして、遊馬に問いかける。
「篠原君は 一緒に行かないんだよね、その店」
遊馬は風杜から視線を外さずに静かに答えた。
「好みじゃないですね、けど 貴方が野明と二人で行こうとするのはもっと気に入りません」
「なるほど。で、君が連れて行ってあげるのかい?」
穏やかならざる雰囲気に野明が口を挟む。
「あの、いいんです。別の友達と行ってもいいですし。」
「泉さん、僕は駄目で『別の友達』なら篠原君は怒らないと?」
「あ・・・えっと・・・」野明が言葉に詰まると「篠原君と話したいんだ」といって野明を制した。
「改めて訊こうか、篠原君。君が泉さんをそこに連れていくのかい?」
「貴方と行く、というくらいなら俺が行きますよ」
「消極的だね、自分も楽しむつもりが無いなら泉さんに失礼じゃないか?でないと彼女は君に気を使わなくてはいけない」
二人の会話を真ん中に立って聞くことになってしまった野明は居た堪れない気分だった。
『どうしてこうなっちゃったんだろう』と野明が困惑している間にも言葉の応酬は静かに続いていた。
「君は 泉さんの何なんだい?」静かに しかし誤魔化しを許さないまっすぐな目線で遊馬を見る。
「パートナーですよ」遊馬は短く答えた。
「それは仕事上のことだね、プライベートでもそうかい?」
「そんなことを・・・」答える義務はない、と続けようとした遊馬の声に被せるように 風杜は静かに言った。
「僕はプライベートのパートナーになりたい、と思ってるからね」といって野明に目線を向ける。
野明は驚いて目を丸くしたまま、固まってしまった。
その様子を捉えて小さく笑うと、遊馬に目線を戻し言葉を継ぐ。
「仕事の上で君が泉さんのバックアップ、指揮担当としてコンビを組むパートナーだということは理解しているよ、けどそれはプライベートなところまで介入するものではない、と思うんだけど、違うかい?」
「仕事の上のパートナーは俺でも、プライベートでは貴方がパートナーになりたい、とそういうことですか」
「今、そう言った筈だよ?」
「それは 野明が決めることですよ、俺じゃない」
その言葉に野明は遊馬を振り返る。不安気な瞳が大きく見開かれていて今にも泣き出しそうに見えた。
遊馬は野明の瞳をまっすぐに見返すと、ゆっくり風杜に視線を合わせた。
「でも 俺 退くつもりは無いですよ、公私どちらも」
そういうと もう一度野明に向き直る。
「お前は 俺にとって唯一のパートナーだからな」
野明は遊馬を見つめて、やがてこくんと頷くと、風杜を振り返った。
言葉を選ぶようにゆっくりと、しかしはっきりした口調で告げる。
「ごめんなさい、風杜さん。『私のパートナーになりたい』と思って下さって有難うございます。けど 私は風杜さんのパートナーにはなれません。」
そう言って頭を下げた。
「篠原くんのパートナーだから?」
真摯に問う眼差しを受けて野明はきちんと向き合うように答える。
「私が遊馬のパートナーになりたいから。もし望んで貰えるならこの先も共にありたいと思うからです」
まっすぐに目を見て答える野明に風杜は相好を崩した。
「君自身に 面と向かってそういわれるとこれ以上争っても無意味だね」
「はい、すみません」野明は穏やかに笑った。
風杜は野明に向かって頷くと、遊馬に問う。
「君はそれを望むのかい?」
「他に望むものはないですよ」
そう言って野明の顔を見る。嬉しそうに笑顔を返す野明を見て遊馬もまた笑顔を返した。
風杜は「そうか」というと二人に背を向けて「邪魔したね」というと二課棟の方へ戻っていった。
残された野明と遊馬は暫く風杜の去った方を見ていたが やがてどちらからともなく顔を見合わせた。
「帰ろっか?」と声を掛け野明はバス停に向かって歩き出す。
少し後ろを歩いていた遊馬が野明の背中に声を掛けた。
「汐留、寄っていくか?」
野明はきょとんとした顔で振り返ると、「さっき嫌だっていわなかった?」と聞き返した。
「気が向いたから寄ってやる」
頭の後ろで両手を組み目を逸らす遊馬に、野明はくすりと笑う。
「ホントにホント?」
そばに駆け寄って来ると嬉しそうに顔を見上げる。
遊馬が「嘘は言わん」と言うと野明はにっこり笑って「ありがとう」と言った。
遊馬の手首を掴むと軽やかな足取りで「乗り遅れたら寄れなくなっちゃうよ」と言ってバス停まで走りだす。
後をついて走りながら遊馬もまた野明と「この先も共にありたい」と思わずにはいられなかった。

END

===================
追記

汐留のお店はもう出来てからかなり経ちますが行きたいお店があって其処をイメージです。
本文で店について触れていないので 余計な裏設定なんですけどね(笑)

最後まで 駄文にお付き合いくださって有難うございました(^^)
感想などいただけますと励みになります。

風杜さんの扱いに愛が足りないのは・・・遊馬に注ぐ愛が大きいからです。ごめんなさい~

コメント一覧

ツッジー 2009年06月03日(水)09時04分 編集・削除

風杜さん、良い仕事した!!
という事に(*⌒∇⌒*)テヘ♪

はっきりと野明に気持ちをぶつけた風杜さんもえらいけど、野明と遊馬もきちんと風杜さんに自分たちの気持ちが言えてよかった(≧∇≦)

もう、ちょっかい出したら駄目よー風杜さん!!

さくら 2009年06月03日(水)09時14分 編集・削除

>ツッジー様
おはようございます(^^)
風杜さん いい仕事しました?
当サイトでは あまり良い思いの出来ない風杜さんです。
私の心がやさぐれると出てきて虐められそうです(笑)
普通 こうはっきり断られるとちょっかいかけるのは難しいですよね(^m^)

ASAKI 2009年06月03日(水)14時45分 編集・削除

「私が遊馬のパートナーになりたいから。もし望んで貰えるならこの先も共にありたいと思うからです」
この台詞、好きです~(>_<)素敵です!
なんか、最近時間がなくて駄文がすすみません。
書きたいことはたくさんあるのにな~

さくら 2009年06月03日(水)16時15分 編集・削除

>ASAKIさん~

「私が遊馬の~」の下りがを出したくて書いたので気に入って頂けて嬉しいですO(≧∇≦)O
ASAKIさん ありがとうっ!
時間って あるようでないんですよねぇ・・・
私も夜中に更新してますが、そうすると今頃眠いの(^^;

ASAKIさんの更新、日参してチェックしてますよ(^m^)
お互い 生活に無理が無い程度にのんびりいこうね~

ストックが無くなったら更新ペースガックンと落ちるんだろうなぁ。。。私(^^;
その時は 見捨てないでね(笑)

ASAKI 2009年06月03日(水)22時25分 編集・削除

私も!!ほぼストックないから、更新できそうにないけど…見捨てないでね(^_-)-☆
でも、さくらさんは絵も小説もあるじゃ~ん。
私は、駄文しかないざんす~

こんきち URL 2009年06月03日(水)22時40分 編集・削除

風杜さん当て馬役ごくろうさまです。
帰りの車の中では松井さんに愚痴ってたんだろうなぁ
でも
2人の距離はこの件で縮まったから・・・功労賞ぐらいは
あげたいと思います。
なんだか支離滅裂ですみません(^^;)

さくら 2009年06月03日(水)23時21分 編集・削除

>ASAKIさん

ASAKIさんを見捨てるなんて絶対無い!
師匠じゃないですか~♪(^^)
落書きと 小学校作文ですよ、うちのコンテンツ(笑)
ASAKIさんのところの格好良い キュンキュン遊馬が欲しい❤(*^-^*)
その文章力 分けてください~
お互い ボチボチいきましょうね~(笑)

さくら 2009年06月03日(水)23時24分 編集・削除

>こんきち様

はい~ 当サイトでは風杜さんは当て馬以外の何者でもない扱いです(笑)
何しろ管理人が 遊馬LOVEなので彼にいい思いはさせないですよっ!ヾ(≧д≦)ノ
私の心が荒むと現れて酷い目に合わされて退散するんです、きっと(←私は オニですね!)
コメントいただけると大変励みになります♪
どうぞ 今後ともよろしくお願いいたします(^^)

tera 2009年06月04日(木)01時57分 編集・削除

こんばんは。自由時間満喫中でございます(^^)
遅ればせながら2000hitおめでとうございます!
コメントできない日もありますが、更新されてるかなぁとほぼ毎日思ってのぞいてます。

自分のサイトがないので他所様のサイトに余り長いコメント(しかも愚痴っぽい><)を載せるのも考えものだなぁ、ブログ続かないかもしれないけど、日記がわりにやろうかなぁとつらつら思って、ちょっと手をつけ始めました。
(創作はPATOの世界を潰しそうなので無理ですが、今の思いをつらつら書くことも必要なときなのかなぁと思いまして)
コメントを書くことによって、なんだか色々思いを書きたくなってきたようです。そんな機会を与えて下さったさくらさま始め、皆様に感謝です♪

今後も無理のない範囲で、末永く続けて頂けるとと思います。
さて、パートナーの感想です♪
遊馬が「野明が決めること」、と言いながら、でも「退くつもりはない、唯一のパートナーだから」という切り返しがよいです!!
そんなこと二人の男性に言われた日にはあたふたしちゃいますよね。
そんな中で、野明のまっすぐな台詞、ステキです♪

さくら 2009年06月04日(木)02時11分 編集・削除

>teraさま

こんばんは。有難うございます♪
皆様に支えられて2000hitを達成致しました。
本当にマメにご訪問くださる皆様のお陰で励まされつつ運営中です(笑)
いただけるコメントの長さとかは私は全く気にしてないのですが(むしろ読み甲斐があるぞ、位におもってます♪)tera様が運営開始されたら是非お邪魔させていただきますね(^^)
人間 無理は続きませんものね、気楽に続けていけたら・・・と思いますよ☆

さてパートナーの感想、ありがとうございます(^^)
うちの遊馬は選択権を野明に渡しているように見えて 何気に主導権が欲しいずるっ子です(笑)
とはいえ この場合遊馬は負けない自信があるんです、そうでなければ喧嘩は売りません、きっと(笑)
野明の台詞 ステキといって貰えて嬉しいです~
こういうご感想いただけると 頑張ろうという気がわいてきますよね(笑)

ASAKI 2009年06月04日(木)21時51分 編集・削除

し、し、師匠~って~私が?!
びっくりして腰抜かしそうになりました(>_<)
とんでもございません!!
若輩者ですから~
これからもよろしくお願いしますm(__)m

さくら 2009年06月04日(木)21時58分 編集・削除

>ASAKIさん♪

お師匠様~♪ ASAKIさんが(笑)
かっこいい遊馬の書き方を盗みたいですもの♪
当家の子はどうも格好が良くないので(^^;
よろしくご指導おねがいします~O(≧∇≦)O

ASAKI 2009年06月04日(木)23時08分 編集・削除

師匠…いい響きだぁ~(-.-)←アホ。
でも、全然、そんな器はなくて。
私も、私が勝手に師匠と尊敬する方々の作品を愛読しておりますm(__)m

私は、心がキュンと苦しくなる作品が書きたいです、本当に。あとは、読み手の方に映像が伝わるような。…でも、無理なんだな~この私の力では。

さくら 2009年06月04日(木)23時21分 編集・削除

>ASAKIさん

いや・・・伝わってますよ、映像!
特に台詞シリーズの遊馬なんてもうキュンキュンですが私(笑)
しょっぱなの 「おいで」からノックアウトされましたもの(笑)

ASAKI 2009年06月04日(木)23時28分 編集・削除

ま、そこが始りなんですが…そこで、限界を決めたようなもので(^^ゞ
付き合う前を書きたいのです。
つかづ離れずな雰囲気が大好きなASAKIでございますm(__)m

さくら 2009年06月04日(木)23時58分 編集・削除

>ASAKIさん
つかず離れずっていいですよね、そういう時が一番キュンキュン度が高いかもしれないですね、実際も(笑)
ASAKIさんの作品 すきですよ~
最近は 二課も増えてきて萌え度満点ですよ(^m^)