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軽井沢編6 変化

軽井沢編第6弾です

間に個人的に色々で・・・・
でも 皆さんのお陰で元気に復帰です(笑)
今回も長くて時間はあまり進みませんが諸事情によりかなり甘い話に・・・
こんなの野明でも遊馬でもないわ!という意見も聞こえてきそうですが。
そこは二次創作ってことで許してくださいね~

ではそんな駄文ですがお付き合いくださる方は以下の本文へお進み下さいませ。

以下本文

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変化
==============

遊馬に手を引かれて店を出る。
カウベルの音を奏でつつペンションの扉が閉まると野明は後ろを振り返って立ち止まった。
「ね、いいの?」少し困ったような顔をして遊馬の顔を見上げる。
「何が?」
「都さん、遊馬と話したいことがあったんじゃないかなって」
「話はしたさ、さっき。話はきいたし相応の返事もした。野明が気にするようなことは何も無いよ」
あっさりと答える遊馬に少し複雑な気持ちになった。
彼女は遊馬が好きで、それはずっと前から変わらずに今もそうだったんだろうことは容易に察することが出来た。
『久し振り』と言っていたことから 恐らくそれなりの期間遊馬と顔を合わせていなくてやっとあえたと思ったら私を伴ってきた、ということになる。
もし自分が逆の立場ならどうだろうと思うと彼女の様子が気にかかった。
私達がいた時は あっさりとというか寧ろサバサバした様で『降参』と手を上げていたけれど そのあと『こちらに来ないか』と声を掛けたのはそれでも遊馬と少しでも接していたいという気持ちの表れではなかったのか。もしそうならキッパリと遊馬に断られてしまった彼女は今頃 涙を流しているかもしれない。
自分を優先してくれたことを嬉しく思う気持ちと 明確に一線を引かれてしまった彼女に対する申し訳無い気持ちとがごちゃ混ぜになって心の中に複雑な波を立てた。

切なげな顔をして閉じた扉を見ている野明の頭を自分の胸元に引き寄せ抱え込むように抱きしめる。
「他人に振り回されるなよ。滝口を気にしてるんだろうけど、それは仕方ないんだから。俺はあいつと付き合うつもりがないし、その対象に見れない。なのに気を持たせるようなことは出来ないさ。それは野明がいるからっていうだけじゃない。伯母さんもいってただろう? 俺は一度もあいつにそういう感情をもてたことが無い。そういうことなんだ。」
野明は遊馬の胸元に引き寄せられたまま黙って話を聞いていた。
「そうやって人の気持ちに思いを馳せる事が出来るのは野明のいいところだと思うけど、過度にのめり込んで一緒に沈んでいくのは止めてくれ。見てる俺が辛い」
驚いて顔を上げれば苦笑交じりの遊馬と目が合った。
野明は胸の奥がキュンとなって遊馬の背中に手を回すと一瞬だけキュッと力を込めた。
「うん」と返事をすると直ぐにぱっと身体を離し「行こっか」と声を掛けて車に向かって歩き出す。
黙って後を歩く遊馬を視界に捕らえて安心しているのが分かって『やっぱり妬いてたのかな』と思った。

助手席に座って運転する遊馬の横顔を見る。
視線を感じたのか遊馬がこっちを振り返った。
「まずは昨日のショッピングモールでいいんだろ?それとも他に行きたいところあるか?」
「ううん 昨日のとこゆっくり見たい。それに・・・」
「それに?」
「この近辺 何にも分からないから。遊馬にお任せ」
「了解」
その答え方が少し可笑しくてクスクスと笑うと遊馬が怪訝な顔を向けた。
「・・・なんだよ?変なこと言ったか?」
「そうじゃなくて。『了解』って言うのが遊馬らしいなって」
「なにが?」
「なんだろうね。でもきっと私が一番よく知ってる遊馬」
「なんだそりゃ?」
「・・・秘密」
なんだか職場にいて指示をもらっている時みたいな受け答えに少し安心した。
やっぱり『遊馬でないと駄目だな』と思うとそっと遊馬のシャツの袖口を引いた。
遊馬は少し驚いたみたいにこちらを見返すと軽く笑った。
「こーら、運転中。ミッション変え辛いだろ」
「あ ごめん」慌てて手を離す。
「もう着くから。少し待ってろ」
「はーい」なんだか擽ったい気分で返事をすると両手を膝の上において目線を前に向けた。
「着いたら腕でも肩でも組んでやるから」
笑いながら言う遊馬に軽口を返す。
「ホントに?」
「本当。そのかわり逃げんなよ」
「・・・変なことしないでよ?」
「さあな、それは取り方次第だろ。まず行きたいとこ探しとけよ」
そう言って昨日取って来た店舗の案内図を野明に手渡した。
小さな冊子に纏まった地図を開いて感心する。
「広すぎて どこに行っていいのかわかんないね」
「こっちは土地があるからな、東京で仮にこんな物作るとしたらでっかいビルとかになるんだろうけど。散歩がてらのんびり回ろうぜ。」
地図を広げて敷地の広さに改めて驚く。
「道に迷いそうだよねぇ」
しみじみいうと遊馬が呆れたような顔をした。
「お前ね 誰と来てると思ってんだ?ちゃんと案内してやるから安心して店選べ」
その偉そうな物言いに思わず顔が綻ぶ。
「頼りにしてるからちゃんと傍にいてよね?」
「了解。だから離れるなよ?」
「勿論」
一瞬顔を見合わせると互いに仄かな笑みを湛えたまま前方に視線を戻した。
車内に妙に擽ったい空気が漂って野明はすこしドキドキした。

駐車場に車をとめて車外にでると地図を広げる野明の脇に立つ。
「で どこ行きたい?」
野明の指差した一角と駐車場の位置を地図で確認する。
「少し距離があるから寄り道しながらゆっくり行こうぜ」
遊馬はぽんと軽く背中を叩くと野明を促して歩き始めた。
開店直後、更に平日ということもあって人気のあまり多くないモール内を並んで歩く。
暫くすると野明が拗ねたような顔をしているのに気づいて遊馬は『何かしたかな?』と首を傾げた。
時々仲良く寄り添って歩くカップルとすれ違うと野明がちらりとそちらを見遣るのに気づいて可笑しくなる。
野明の肩に手を回して傍に引き寄せた。
「羨ましいなら言えばいいだろ?」
「自分から言うのは負けたみたいで嫌なの」
「勝ち負けの問題かね?大体そんな顔して見てたら同じだと思うけどな」
と言って額を小突くと「やだ 変な顔してた?」朱に染めた顔を両手で覆う。
その顔を遊馬が楽しげに覗きこんだ。
「いや、素直でいいんじゃないの?なんなら肩じゃなくて腰抱いてやろうか?」
野明は真っ赤になって「今はいい」と言ってそっぽを向いた。
遊馬はその様子を見て肩を震わせるようにして笑いを堪えながら「はいはい『今は』ね」というと野明の肩を抱いて歩き出した。

フロアは女性向けブランドの洋服や鞄が主で店も東京で見るものと大差を感じない。
それでも野明が楽しそうに「これ、かわいい」とか「ね これどう思う?」と聞いてくるのでそれなりに受け答えをしながら店舗を巡る。
店舗に惹かれて出たり入ったりして歩いているうちに野明は腕を組む方に落ち着いた様で遊馬の左腕に両手を絡め、気になる店を見つけるたびに引っぱっていく。
それに律儀に付き合う自分に遊馬は少なからず驚いた。

『俺 こういうの苦手だったんだけどな』と昔の記憶を手繰る。
中学、高校、大学、研修校時代を通して何人かの女性と付き合いがあった。
それでも買い物に付き合うのは結構面倒で何かと理由をつけては別行動していた。
『待ってるから好きなもの見て来い』と言ったり『他に見たいものがあるから後で待ち合わせしよう』と言ってみたり。
特に相手の洋服選びに興味も無かったし、結局散々見るだけ見て何も買わずに店舗を次々梯子して挙句最初の店に戻ってまたあれこれと悩んだ挙句、別の店舗に更に移動して・・・みたいな体力を浪費するだけの非生産的な行動に理解など出来よう筈も無い。
欲しいならさっさと買ってしまえばいいし、文句があるなら買わなきゃいい。
それは主観の問題なんだから俺に意見を求めても無駄だとも思っていた。
大体『どう?』なんて聞くときは自分で答えを決めていることも多くて実際に俺の意見が聞きたい訳ではなく同意が欲しいだけ、ということも多かった。
そんなことから買い物に同行すること自体がすっかり面倒になって久しかったのだが。

「ね 遊馬、このシャツ可愛いよね」といいながらクルクルと表情を変える大きな瞳でこちらを見上げる野明に「いいんじゃね?」と笑みさえ浮かべて受け答える自分。
寧ろそれを『楽しい』と感じているあたり少なからず自分は変わったのだろうと思う。
それは野明限定なのかもれないが、それならそれでいいと思った。
他に腕を組ませたい相手がいるわけでもない。
自分の隣で色の違う同じデザインのシャツを両手に持って「どっちがいいかな」と考え込む野明を眺めていると自然と気が和らぐ気がした。
真剣に悩んでる野明の眉間に指を立てて、「ここ、皺できてるぞ」と言って顔を覗く。
「え 本当に?!」
野明はあわてて眉間を押さえようとしたが遊馬が指を退かさないので顔をぐんっと後ろに引いて指を離そうとした。
思わずからかってみたくなって遊馬は指を野明の眉間に当てたまま顔の動きを追う。
怪訝な顔をして左右に首を振った野明にあわせて指を動かすと野明は少し考えて眉間に当てられた指を遊馬の手ごと両手で掴むときょとんとした顔で小首を傾げた。
「これなに?」
「いや 面白いなぁと思って」
クスクスと笑う遊馬に野明は「子供みたい」と笑って遊馬の顔を下から覗き込む。
野明の手を解いて頭をくしゃっと撫でるとそのまま軽くポンと頭の上に手を置きなおした。
「どっちか決めたのか?」
「う~ん 決められないの、遊馬決めて?」
「俺が?じゃこっち」
そう言って薄い水色のシャツを選ぶ。
すると野明は手元のオレンジシャツをワゴンに戻すと遊馬の選んだ水色のシャツを嬉しそうに抱えた。
「コテージに帰ったら着てみようっと。遊馬のお見立てだもんね」
言いながら軽やかな足取りでレジに向う。
その様子をみて『たまに買い物に付き合うのも悪くないな』と思った。

他に何件も出たり入ったりを繰り返し、やっぱり何も買わずに出る店が多いのだが不思議と以前のように面倒とか退屈という風には感じなかった。
大きな芝生の中庭を横切って建物を移動する頃になって野明が思い出したように遊馬をみた。
「お買い物 すっごく楽しいんだけど・・・遊馬退屈じゃない?」
「いや 十分楽しいけど?」
「だって 私ばっかり好きな店に出入りして遊馬つまらなくなかったかなって」
申し訳なさそうに言う野明に思わず笑ってしまう。
「変な気使うなよ。そう思ったらちゃんと言ってる。それに、野明見てるとかなり面白いけどな」
「え なにそれ?」
「いや 楽しそうに買い物するんだなって。俺 洋服買うのにそんな風にしないからさ」
「そうなの?」
「見て気に入ったらサイズと値段見て即決。気に入らないところがあると思ったら買わない、そんなもんだな。その店舗に5分もいれば買うなら買うし買わないなら店出てる」
「遊馬らしいというか・・・でもそれじゃ余計退屈だったよね?」
しゅんとしてしまう野明を好ましく思う。
「そんな顔するなって。寧ろ面白かったけど?野明も女の子だなって」
「え?」
「普段一緒に出かけてもこんな風にゆっくり買い物しないから気づかなかったけど洋服とか小物とか楽しそうに選ぶもんだなと思ってさ。」
「女の子ってみんなそうじゃない?」
「そうかもな。でも野明だから面白いんだよ、多分」
そう言って野明の顔を見遣ると野明は照れくさそうな笑顔を見せた。
「私も遊馬と一緒ですごく楽しい」
遊馬の腕に腕を絡めようとして手にした数個の紙袋が邪魔になる。
「ほら それ貸せよ」遊馬が手を出したので渡そうかどうしようか考えているとひょいっと荷物を取り上げられた。
「自分で持てるよ?」
荷物の中身は全部野明のものだけに気が引けた。
「いいから。大した量じゃないし持ってやる」
そう言って腕を軽く差し出すと「ありがとう」と言って野明は遊馬の腕を取った。

腕を組んで芝の貼られた中庭を歩く。
ふかふかした足元がアスファルトになれた足にはとても新鮮で気持ちがいい。
「ここ裸足で歩いたら気持ちよさそうだよね」
「そうだな、今度は公園にでも行こうか。浜離宮恩賜公園とか芝が綺麗に貼られてるし手入れがいいから裸足で歩いても怪我しないだろうし。」
「恩賜公園?」
「行ったことないか?」
「ない」
「じゃ 天気がよければ次の休みに連れてってやるよ。季節ごとに何かしら花も咲いてるからのんびり散歩するにはいいところだし」
「そうなんだ、楽しみにしてるね」
周りをくるりと見渡すと平日にもかかわらず思いの他カップルが目に付いた。
『自分達もそう見えるのかな』と思って野明はこめかみを遊馬の腕にぴたっとくっつけてみた。遊馬は野明の顔を見て小さく笑うとそのまま歩を進める。
エスコートされて歩くようなちょっと擽ったい気持ちになった。

ふと時計を見ると既に1時を少し過ぎていた。
「昼 食べるか?」
「そうだね のども渇いたし」
「なら レストラン街向こうだったな」
というと遊馬はサクサクと歩き始める。
遊馬にくっついて歩きながら『あの地図、一通り覚えてるのかなぁ』と変なところで感心してしまった。
レストラン街の入り口に着くと案内板に店舗の一覧があった。
「何食いたい?」
「遊馬は?」
「そうだな・・・中華以外。」
その答えを聞いて野明は思わず噴き出した。「うん、私も中華以外がいいよ」
待機任務中は毎日上海亭の出前なのだから外に来てまで中華を食べようとは思えなかった。
結局 無難に和食の店を選択し定食を頼んで食事を済ませるとお茶を飲んで少し落ち着く。
暫くして遊馬が思いついたように野明に向き直った。
「野明 折角軽井沢まで来たんだし買い物が終わったらちょっと珍しいもの見に行かないか?」
「珍しいもの?」
野明は小首を傾げる。
「平日の昼間だしあいてると思うけど。」
「どこに行くの?」
「今は内緒。行けば分かるさ」
悪戯を思いついた子供のような目で話す遊馬は年上なのにとても可愛く見えて思わずくすりと笑ってしまう。
「じゃ連れってて」
「よし、決まりな。まずは買い物の続き行くか」
そういうと荷物を持って店を出た。

野明の行きたがっていた店はすぐに見つかった。
いわゆるバスグッズやフレグランスなどを中心に扱う店舗で遊馬にはあまりというか全く馴染みのない店だった。
嬉しそうに店内を物色する野明に『やっぱりこういう物好きなんだな』と少し感心する。
色とりどりのメイク用品、スキンケア用品から石鹸、入浴剤などが所狭しと並べられていて色んな芳香が入り混じった独特の香りが満ちている。
普段来慣れないだけに『匂いに酔いそうだな』と思う。
野明はというと店内をウロウロした結果、バスグッズのコーナーに足を止めて熱心に何かを選んでいた。
「何見てるんだ?」
声を掛けると野明は子供が何かをねだる時みたいな顔をした。
「ね、入浴剤って買ってもいい?」
「なんで?買えばいいだろ。好きなやつ」
「コテージで使ってもいいかな?」
「そりゃいいけど。ほしいならいくつか買って帰ればいいだろ?」
何か珍しい種類のものでもあるのか、と思って首を傾げる。
「だって普段使えないんだもん」
「なんで?」
「寮はお風呂共用だから。」
「女子寮もそうなのか?」
野明はコクリと頷いた。
ちょっと意外だった。何となく女子寮は個別に浴室がありそうだと思っていたが、男子寮と同様共同浴場になってるらしかった。
「そりゃ 使えないか・・・」
二課棟はシャワー室だし外で泊まるようなことでもない限り使いたくても使えなかったわけだ。
「いいんじゃないか?いくつか気になるのあるなら買っていこうぜ。風呂洗うのが面倒でなればのぼせない範囲で何種類か試せばいいし」
「本当にいい?遊馬こういうの嫌いじゃない?」
「別にいいよ。こういう機会でもないと試せないんだろう?気に入ったやつ買えよ」
そういうと野明は嬉しそうに棚を物色し始めた。
よく見ると本当にいろんな種類のものがあってこれが全部入浴剤かと思うほど変わったものも少なくなかった。
一見ワインのボトルにしか見えないものや 小さなビニールのボールに見えるもの、いろんな色の細かい紙石鹸を詰め合わせたようなものから、どう見ても塩の粒にしか見えないものまで それこそ色んなものがあってこの中から選ぶのは結構大変だろうと思った。
真剣な顔であれこれ手にとっては棚に戻して選ぶ姿はなかなか面白くて暫く黙ってその様子を見ていると悩んだ末に手にした籠に入れた10種類近い入浴剤をじっとみて野明が大きく溜息をついた。
「決まったのか?」
「それが・・・これ以上絞れなくて。でもこんなに使えないしどうしようかなって」
「ちょっと貸せ」
といって野明から籠を受け取って店の端に寄る。
「いくつ位に絞りたいんだ?」
「う~ん あと二日でしょ? 朝夕使ったとしても4つあればいいんだから・・・」
「じゃ 選ぶ余地も残すようにして6つに絞る、というのでどうだ?」
「うん。そうだね」
選んできたものは全て一回の使いきりだったので種類別に大まかに分けて見る。
するといくつか 同じようなタイプのものが混ざっていたので 野明にどれか一つを選択させ残りを切る形であっという間に6つに絞った。
「これでどうだ?」と提案すると野明はコクリと頷いた。
こういうところが 男女の感覚の違いなのかもしれない。
ものすごく合理的にサクサクと物事を決める遊馬に野明は今更ながらに感心してしまった。
「これで欲しいの全部か?」
「待って。もう少し」
そう言ってフロアを駆け回る野明を見る。
『あれだけ嬉しそうにするなら連れて来て正解かな』と思う一方で野明の両親がこんなこと知ったら怒るんだろうなぁとぼんやり考えた。
手を出してはいない。けど飲み会から足掛け5日、男と2人泊りがけで遊びに出てるなんて知ったら 何もありませんでした、といって素直に信じてくれるとは思いがたい。
そんな心配を知ってかしらずかその家の一人娘は無邪気に買い物に夢中になっている。
遊馬は遠くに住む彼女の両親と自分の為に思わず深い溜息をついた。

欲しいものを一通り購入した野明が遊馬の元に戻ってきて「ただいま」と当たり前の様に腕を取る。
それを見て『まあいいか』とそのまま野明を伴って店を出た。
「ここで他に買いたい物あるか?」
「もう十分、この後珍しいもの見せてくれるんでしょ?」
「そうだな、じゃまっすぐ車に戻るけどいいか?」
「うん」
返事を返してまっすぐ車に向かって歩くと以外な程早く車に着いた。
「こんなに近かったの?」
物凄く歩いた気がしていたので野明は少し驚いた。
「行く時は色んなところに寄り道したからだろ。まっすぐ歩けば15分かからないさ」
苦笑する遊馬を見て一緒でなかったら車に戻るのに何分かかっただろうと思う。
というか戻ってこれたのかさえ疑問だった。
後ろ姿を眺めていると視線を感じて遊馬が振り返った。
「なに?」
「少しは私も地図読めるようにならないとなぁって思ったの」
「なんで?」
「私1人でここに戻ってこれる自信なかったもの。地図見ても」
少し拗ねたように言う野明に 呆れたような視線を向ける。
「俺が読めるんだからいいんじゃないのか?ちゃんと着いてきたら迷わないだろ?」
「だって いつでも遊馬がいるとは限らないじゃない?」
「何で?呼べば良いだろ、別に。用が無きゃ付き合ってやるけど?」
当たり前見たいに言う遊馬の顔を覗き込んで少ししかめっ面をして見せる。
「駄目だよ、遊馬。そういうこと言うと、変に期待しちゃうから」
「期待って・・・俺は別に困らないけどな。そういわれると逆にこっちも期待するだろ?野明は困らないのか?」
「あ・・・えっと・・・遊馬ならいいかなぁ・・・って」
最後は聞こえるかどうかくらいの小さい声。
意外な答えに少し目を瞠ったが、うつむき加減で話す野明にあえて問い直すことはしないで普通の調子で話す。
「なら 問題ないんじゃないか?」
「えっと・・・うん。そうかも。」
「ま そういうことだな、車出すぞ?」
「うん お願い」
車がゆっくり走り始めると野明は窓の外に視線をさまよわせながら胸がきゅんとするような感覚にじっと耐えていた。
それはちょっと切なくて幸せな感覚。遊馬を見るとその感じが強くなる気がして長く見ていることができなかった。

to be continue....

=============
追記

えっとここ数日 激しく凹むことと人様の温かさに励まされることをど同時に体験しまして。
私 凹んだ時になにか妄想すると激しく暗いか 吐くほど甘いものしか出てこないことをはじめて実感しました。
で・・・結果 吐くほど甘いものになりまして(^^;
数日置くと恥ずかしくてUPできそうにないので今のうちに勢いで上げしてまおうかと・・・

長い駄文にここまでお付き合いくださって有難うございます。
完結にはまだまだ遠いお話ではありますが どうぞ見捨てないでお付き合いくださいませ♪

ご意見ご感想などいただけますとやる気が出てきますのでお時間のある方は是非 一言なりといただけますと幸いです。
次回ものんびりマイペースに更新していこうと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

コメント一覧

すけさん 2009年06月30日(火)21時06分 編集・削除

こんばんは。「軽井沢の話」の最新作を読ませていただきました。タイトル通り、少しずつ変化してきましたね♪
私は甘甘な話は大好きですので、胸キュン(笑)しながら楽しく読ませていただきました。ゆっくりなペースで進む2人の間は、この後どの様に展開して行くのでしょうか?
やる気が出ると仰るので感想を入れさせていただきましたが、今後も(コメント入れてなくても)訪れているともいます。2人と同じ様に、ゆっくりと更新なさってください。楽しみにしております(平伏)。

ツッジー 2009年06月30日(火)21時47分 編集・削除

わーい(≧∀≦)第6弾だー(≧∇≦)

都ちゃんにはかわいそうな事したけど、遊馬の好きな人は野明なんだよね・・・。
期待を持たすわけにはいかないよねー!!
やっぱり遊馬はえらいわ!!!
野明も優しいからなぁー(≧∀≦)

ショッピングモールは、まるで恋人のように・・・ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪
肩だったり、腕だったり!!
羨ましい限りです!!!!

入浴剤も買ったし、一緒に入っちゃうのかしら・・・。

はい!!!若干の期待(*≧m≦*)ププッ

次の更新も楽しみにしてるよぉー(≧∇≦)

ASAKI 2009年06月30日(火)21時51分 編集・削除

あ、ツッジーさんのコメント見て書き直した。
そうだよね、まだ恋人同士ではないよね。
だって、とっても甘いから~んふふふふふ(*^_^*)
ついうっかり、恋人の二人のイメージが。
入浴剤…なんか意味深だよね~
いやぁ~ん(^_-)

さくら 2009年06月30日(火)22時16分 編集・削除

>すけさん様
コメント有難うございます~!!
本当にこうやって一言いただけますと本当に励みになります(^^)
読んでくれる方がいらっしゃると思えばこそ頑張る気力も沸くというもので♪
とっても嬉しいです~
もう 実生活の反動で今書く物みんな甘甘ですよ(笑)
胸キュンしていただけたならもう至福の喜びです!
のんびりですが更新しますので是非是非また見に来てくださいね♪
みたよ~の一言コメでも大歓迎です!
それが私の糧になってます(^^)
本当に有難うございます~

そおた。 2009年06月30日(火)22時21分 編集・削除

遊馬って女性の買い物に付き合うの、確かに苦手そう…。
でも野明ならいいんだね~やっぱり愛の力でしょうか?
自称“俺はつめたい奴だよ~”なひねくれ御曹司の姿しか知らない人から見たら、とても同じ遊馬とは思えないんじゃないだろうか、なんて思ってしまいました。

初々しいお買い物デート、可愛い二人を堪能させていただきましたvvvごちそうさまです!
次は軽井沢名物・モカソフトでも食べに行くのかしら?
…なんてね。

さくら 2009年06月30日(火)22時21分 編集・削除

>ツッジーさん
第6弾です~
もう肩だったり腕だったり・・・実生活の反動で甘甘展開暴走中ですよ(^^;
数日経ったらUPできそうにないので勢いに乗りました(笑)
入浴剤はね自分がそうだったんですよね。
実家では温泉の元とか○ブとかしか使えなかったので泡とかジェルとかそういうのは出張に行ったときにビジネスホテルにでも泊まらないと使えなかったんですよ。
なので外泊で使いたくなるんですよね。
今がチャンスってね(^m^)
日程分より少し多めに買って選ぶ楽しみもつけとくの。
で余ったら次回もって歩くんだよ♪
なので そんなに意味深に取られるとは・・・意外でした(^^;

さくら 2009年06月30日(火)22時27分 編集・削除

>姫~
あ。。あれ?! 姫まで入浴剤に食いついてる!(笑)
ツッジーさんへの返信にもかいたんですが自分の体験が普通に反映されていて深い意味は無かったんですが(笑)
外泊で自分の好きに出来るお風呂があるなら入浴剤使うチャンスでしょう!くらいの・・・
これはもしかして自分が天然?!(笑)
遊馬に悪いことしたかな・・・?
あ でも作者が期待持ってなかったんだし遊馬も持ってるわけ無いか~♪
本当に深い意味無かったんだよ、実際(^^;

さくら 2009年06月30日(火)22時40分 編集・削除

>そおた。さま
モカソフト!やっぱり名物ですよね(^^)
でもこの後の行き先はもっと北軽寄りを目指してますよ♪
有名どころなのでご存知かも知れないですね。
写真が無いのがイタイなと思いますが訪れたのが学生の時なので仕方ないかな~

遊馬って他人(殊に女性)の買い物付き合うの苦手そうですよね(^m^)
本当に ひねくれ御曹司の遊馬しか知らないと吃驚ではないかと(笑)
何しろ書いてるわたしも吃驚です(おいおい・・・)

ツッジー 2009年06月30日(火)22時54分 編集・削除

入浴剤の件・・・そうだったの??

てっきり、この後大活躍するものだと・・・(*≧m≦*)ププッ

さくら 2009年06月30日(火)23時16分 編集・削除

>ツッジーさん
うん 姫のコメントもみて自分に天然入ってたことに気づいたよ(笑)
艶めく方向で使うつもりなかったんだけど、そうか そういう使い方あったんだと今・・(おいおい・・・)
自分の無計画さを思いっきり露呈しちゃいましたね(笑)

ツッジー 2009年06月30日(火)23時20分 編集・削除

絵ちゃこない??
そおた。さん来てくれたよ(≧∀≦)

ASAKI 2009年06月30日(火)23時23分 編集・削除

妄想した自分が恥ずかしいでしゅう(*_*)
そりゃ失礼しました。
でも、入浴剤好きなasakiには楽しみでしたけど。
最近は子供がいるのでなかなかbath timeを楽しめないけど…昔はいろんな入浴剤を買って楽しんだものです。
誰と??って?
ね~誰とだろ…。
遠い国の王子様だわよ、きっと。

yuki URL 2009年06月30日(火)23時57分 編集・削除

こんばんは!先日は拍手コメントをいただき、ありがとうございました!!
軽井沢、いいですね~♪ショッピングモールでお買い物をする二人。普通のカップルの光景が、野明と遊馬だとすごく新鮮なかんじがしました。
あっそれから、大変遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます!
でもダンナさんひどいですね。てか家出しちゃってもいいと思う。私ならプチ家出しちゃうな!
まだまだ長い夫婦生活、これからもきっといろんなことがあるかと思いますが、お互い頑張っていきましょう☆

さくら 2009年07月01日(水)01時39分 編集・削除

>ツッジーさん
先ほどは有難うございます~(^^)
楽しかったです!
また呼んでくださいねっ

さくら 2009年07月01日(水)01時43分 編集・削除

>姫♪

いえいえ、そんな事はないですよ(笑)
私が天然入ってしまったようで(^^;
ツッジーさんからも コメント貰ってしまいました。
私もかつては遠い国の王子様と色々試したものです。
中には後始末に困って途方に暮れたようなものもありましたが(^^;
子供がいると使えないよね なかなか(^^;

さくら 2009年07月01日(水)01時49分 編集・削除

>yukiさま
コメント有難うございます(^^)
こちらこそお越し頂けて光栄です!
軽井沢 新鮮に見えました?!
イメージぶち壊してないといいのですが(笑)

その上 お誕生日のお祝いと励ましのお言葉まで戴いて本当に有難うございます。
子供がいなければ家出実行したいところですがそうも行かず・・・
取り敢えずは妄想でストレスを吐き出して頑張りたいと思います(^^)
これからも お互い頑張りましょう!

須羽史香 2009年07月01日(水)15時03分 編集・削除

遅ればせながら、誕生日おめでとうございますv
泡風呂にも反応してコメしてしまいました(^_^;)
うちは子どもが好きで、たまにやりますよ~。あわあわにして、その中で仮面ライダーの人形入れて遊んでます。色つきの入浴剤も好きみたいです。
さくらさんもよかったら是非♪(仮面ライダーはともかく)
野明と遊馬で入る予定がないのは少し残念ですが(笑)、かわいらしい二人のやりとりに癒されておりますv
それと、色々とほんとに分かってもらえないのって悔しいですよね(>_<)でもきっと、これからいいこともたくさんありますよ!お互い頑張っていきましょう(^_^)

さくら 2009年07月01日(水)16時04分 編集・削除

>須羽さま
誕生日 有難うございます~(^^)
皆様本当に お優しくて・・・嬉しいです♪
泡風呂 私も好きですよ~
下の子がまだ1歳になったばかりでキケンなのでしないんですがもう少し分別がついたらやりたいですねっ☆

須羽様まで 入浴剤に喰いついて下さるとは(笑)
自分の迂闊さに吃驚です。
えっと 考えようかな・・・前向きに(^_^;
でも どうやって?!

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