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軽井沢編12 過去

軽井沢編 12弾です

今日は一日雨の予報です。
空気はジメジメ空はどんより。
時々雷鳴も聞こえます

のんびり進んできたこのお話もなんとか終わりが見えてきましたがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)

以下本文

続き

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過去
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時間が1時間半ほどしかないことを確認した遊馬は野明を車に乗せると「一度戻ろう」と声を掛けた。
野明はこくりと頷くと遊馬の手をそっと握り、遊馬はクスリと笑った。
「野明、ギア入れられない」
「あ・・・そっか」
慌てて手を離す野明の顔を覗く。
「変なことに巻き込んで悪いな」
「ううん。それより御免ね。私まで行くことになったら 遊馬大変じゃない?」
「そんな心配しなくていい。とにかく野明は俺の傍から離れるなよ、連中手が早いのも居るんだから」
野明はそっと胸元に両手を添える。
「大丈夫だよ、印つけてくれたし」
遊馬はクスリと笑うと野明を引き寄せた。
「やっぱ 目立つとこにもう一個つけとくかなぁ」
「駄目。職場で見つかったら大変なんだからね」
遊馬の唇の前に人差し指を当てて軽く目を眇める。
「分かってるよ」
遊馬は少し面白くなさそうに言うと車を出した。

コテージに戻ると野明は寝室に篭もり先日買ったシフォン素材のノースリーブワンピースとカーディガンを身につけた。
ソファに座る遊馬の前でクルリと一周してみせる。
「どう?」
「いいんじゃないか?」
ここ数日で女の子らしい格好を立て続けに見てきた遊馬は口の端に笑みを浮かべる。
「それ、二課棟には着てくるなよ」
「なんで?制服に着替えるんだし問題ないでしょ」
「あるの」
「なにが?」
「色々だよ」
頬杖をついて言う遊馬に野明はキョトンとして「へんなの」と呟いた。

整備班の中には野明に好意を持っているものも少なくない。
もともと女性が少ない上に野明は屈託無く誰とでも話し、他の女性では乗ってもくれないような整備の話にも嬉々として応じる。
こっちがヒヤヒヤするほど無防備でタンクトップや短パンでハンガーをうろつきイングラムに登っている姿に遊馬は気苦労が絶えなかった。
そこに女の子女の子した可愛らしい格好でウロウロされた日には警戒する人数の増加を考えるだけでもウンザリだった。

洗面所で化粧を直すと遊馬の前に戻ってきてにこりと笑う。
「用意できたよ」
「ああ、ちょっと座れよ」
自分の隣を示し、グラスに入れたお茶を手渡す。
大人しく受け取って少し飲むとコトリとテーブルにグラスを置いた。
少し間を置いて遊馬が口を開く。
「説明、しといた方がいいよな」
一瞬何の事だか分からなくて野明は小首を傾げた。
「この後の話、どういう繋がりか説明しとく」
やっと合点がいった野明は無言でコクンと頷いた。
「基本的にはここであったヤツばかりで 学校が一緒とかそういうのは一切無いんだ。毎年夏になると祖父さんが避暑に来てたからそのとき知り合った連中」
遊馬は宙に視線を向けたまま話を続けた。
「滝口は会っただろう、伯母さんの姪っ子。滝口の友人で柚木ってのがいてそれが先刻の西野の彼女。西野の家はこの近くでレストランやってるんだ、祖父さんがよく行ってた。で 名前が挙がった水島と粕谷は西野の友人だな。結構小さいときから夏だけつるんでた連中なんだ。ここ数年は俺が来てないけどね、他に何人来るのか分からないけどそういう繋がり」
ざっと説明すると遊馬は野明の顔を覗き込んだ。
「質問があれば受け付けるけど?」
野明は少し悩んでから口を開いた。
「う~ん。夏だけのお友達・・・だったの?」
「そうなるよな、別に手紙とかやり取りすることも無かったし。貰っても返事出したことが無い」
「分かる気がする・・・・」
手紙を出したのは恐らく女の子で遊馬はそれに返事すら出さなかったのだろうと容易に想像ができた。
元来そういうマメな性格ではないのだ、彼は。
凝り性ではあっても決してマメではない。
それでも其れなりにモテたのだろうことは想像に難くない。
都さん然り、先ほど名前の挙がった茜さん然り。
西野の口ぶりを思えば遊馬に好意を寄せていた人は他に何人もいたのだろうということは察しがついた。

黙り込んだ野明を見て遊馬は軽く息を吐き頭を撫でるとその肩を引き寄せた。
「何 考えた?」
「大したことじゃないよ」
遊馬は何でもない風を装う野明の瞳を覗き込む。
「気になる?」
野明は反射的に顔を上げ、そして自分の反応を恥じてすぐに俯いた。
今 傍にいてくれる大事な人。その過去を気にするなんて浅ましいと思う。
その様子を観察していた遊馬は静かに口を開いた。
「あとで連中に聞く位なら先に言っちまうけどさ、交際断った相手も付き合って別れたヤツもいたよ。けど、今は野明が好きなんだ。それじゃ駄目か?」
野明はふるふると首を振る。
「それとも、そういう過去があるのは嫌?」
真摯な目で話す遊馬はとても優しく見えて、野明はちょっと泣きたくなった。
「嫌じゃないよ。今は私を見てくれてるし。先に遊馬から聞けたから大丈夫。後で聞いても」
にこりと微笑む野明の目尻に触れると滲んだ涙が指に移った。
「泣かせたくないんだけどな」
苦笑する遊馬に野明は首を振った。
「ごめん、これは違う。遊馬優しいんだもん」
「なんだ、それ?」
「なんだろうね」
「まぁ いいさ。他に聞きたいことは?」
「・・・一つだけ、いい?」
「どうぞ」
「今は 私だけって思っていい?」
頬を染めて遠慮がちに訊く野明に遊馬は余裕の見える笑みを浮かべた。
「当然。自信持てよ、俺の『彼女』なんだから」
野明の顎を軽く持ち上げるとゆっくりと甘いキスを交わした。
一度唇を離して 再び口付けようとする遊馬に野明が軽く抗議する。
「折角つけた口紅が落ちちゃう」
「またつければいい」
「遊馬についちゃうってば」
「あとで拭く」
「遊馬」
「いいから、黙って目閉じてろ」
野明の唇を優しく塞ぐとその吐息すら逃がさないように深く口付けた。
ゆっくりと唇を離して「あ~ 行くの止めたくなってきたなぁ」と呟く。
「そういう訳にいかないでしょ?約束したし」
野明が苦笑する。
「最後の日になんでこうなるんだよ」
腐る遊馬の背中を野明はポンポンと叩く。 
「そういうこともあるって。ところで時間 平気なの?」
時計を確認した遊馬が眉間に皺を寄せる。
「タクシー呼ぶか。飲んだら帰り運転できないからな」
遊馬は管理棟に電話を掛けて車を手配すると、はぁっと大きなため息を吐いて野明をぎゅっと抱きしめた。
「・・・どうしたの?」
「見せたくない」
「え?」
「野明を連中に見せたくない」
「う~ん・・・色気もないし御免ね」
申し訳なさそうに言う野明に遊馬は「ばーか、そんなんじゃねぇよ」と呟く。
「じゃ何?」
「・・・教えない」
「なによ、それ?」
小首を傾げる野明に遊馬は苦笑を返した。
「いいんだよ、野明は分からなくて」

タクシーに乗って指定された場所につくとそこは大きなホテルの前でエレベータを使って上層階に上がると小洒落たバーに入った。
遊馬が応対にでたウェイターに西野の名を告げると奥の個室に通された。
バーカウンターの併設された一目で特別と分かる個室に野明は気後れする。
中にはすでに西野を含む男性が3人ソファに腰掛けていた。
遊馬を見ると「よう、久し振り」と声をかけ気さくに席を勧める。
野明の背中に手を回して遊馬がソファに腰をかけると男性二人が野明の顔をまじまじと覗き込んだ。
野明は曖昧な笑みを浮かべて会釈をすると遊馬の顔を見上げる。
遊馬は『大丈夫』と軽く笑うとため息混じりに男性二人から野明を遠ざけた。
「そんなにじろじろ見たら怯えるだろうが」
西野も呆れたように「女性に失礼ですよ」と応じ、慌てた野明は両手をぱたぱたと振った。
「あ、あの大丈夫です。ごめんなさい。初めまして泉野明です」
そういうとペコリと頭を下げる。
「こっちこそ御免ね。水島と粕谷です」
粕谷と呼ばれた男性が人好きのする笑顔で「よろしくね、野明ちゃん」と言って笑顔で手を差し出した。
野明が慌てて手を伸ばそうとすると遊馬が粕谷の手をペチっと叩いた。
「野明を名前で呼ぶな」
ムッとした様子で意見する遊馬に野明はキョトンとした顔を向けた。
「別にいいよ?」
「俺が嫌なの」
「なんだかな~」
野明は腑に落ちない顔をして小首を傾げた。
そのやり取りを黙ってみていた3人は『篠原、変わったよなぁ』と顔を見合わせた。

結局、遊馬が強硬に主張したため野明の呼称は『泉さん』、または『泉ちゃん』で落ち着くことになり、野明は一時期シゲさんが名前で呼んだことがあったけどなくなったなぁとふと思った。
もしかすると遊馬が裏で何か言ったのかも知れない、そう思うと少し可笑しくてクスリと笑った。
「何だよ?」
若干機嫌が悪そうに言うのは遊馬の照れ隠しなのだと分かっているので、あえて怯むことも無い。クスクスと笑いながら答える。
「別に。ちょっと思い出してた」
「・・・何を?」
「秘密。教えてあげない」
愉しそうに言う野明に遊馬が不貞腐れたような顔をした。
「あとで覚えてろよ」
「さぁね」
野明はにこりと笑った。

「しかし、よくこんなところ取ったな」
遊馬がビール片手に西野に声を掛けた。
「親父がこのホテルにも店を出しててね、そのツテだよ。今は予約の多い時期じゃないから。個室の方が落ち着くだろう?」
「そりゃそうだが・・・」
遊馬は野明の手にあるグラスを確認する。
先日のような無茶な飲み方をしないよう言い含め、注文するものもアルコール度数の低いものを選ぶ。
ここにはカクテルベース以外の日本酒はないので遊馬は野明の様子を見ながら何かと口を出していた。
「大丈夫だからお友達とお話しなよ」と促すのだが「分かった」と言いつつ遊馬は野明に付きっ切りになっていた。
あとから合流した都と茜もその様子に吃驚して、当惑する野明に若干の同情を寄せる。
「篠原君って過保護だったんだねぇ」
都が呆れたように口を開くと茜はやれやれ、という顔をして首を振る。
「変わったんじゃない?少なくとも前はもっと突き放した感じだったわよ」
「でもあれじゃ野明さんと話できないね」
遊馬は男性陣と会話している間も野明を決して離さないし、手持ち無沙汰で飲み物を呷れば『飲み方に気をつけろ』と注意を受ける。
遊馬にしてみれば数日前に飲みなれないカクテルで野明が酔いつぶれたのを見ているので気が気ではないのだが野明にとっては息苦しいことこの上なしだ。
男性陣が話しかければあからさまに警戒するし野明は曖昧な笑みを浮かべて隣に座っているだけで気疲れしそうだった。

「野明さん、こっちおいでよ」
遂に都が話に割って入った。
ぱっと顔を上げた野明に、遊馬が振り返る。
「何?」と都に問いかけると「篠原君に言ってないの、野明さんこっちきて話しよう」と重ねて声を掛けた。
野明が頷き腰を上げる気配を察して咄嗟に手首を掴む。
「えっと・・・向こうで話してきていい?」
遊馬は「おう」と答え渋々といった様子で手を離した。
「酒、飲みすぎるなよ」
「わかってるってっば。遊馬も折角友達と会ったんだからちゃんと話しなよね?」
言い置くとするりとソファから立ち上がり都たちの居るカウンターに向った。
その後ろ姿を頬杖をついて見送ると、にやにやと笑いながら水島が揶揄する。
「あんまり構いすぎると嫌われるぞ、篠原」
「うるせ。お前らちょっかい出すなよ」
「出せるか!あれだけべったりくっついてて」
「させない為に手元に置いてるんだろうが」
不満気に言う遊馬に水島は思わず呆れ顔をする。
「確かに可愛いけどな。お前好み変わった?」
「別に変わってないよ。滝口にも同じこと聞かれたけどな」
「黒髪、ストレート、色白、知的美人」
嘗て遊馬自身が公言していた自分の好みを列挙する水島に「お前も滝口もよく覚えてるよな」と苦笑する。
「彼女は路線が違うように見えるけどな」
水島は女の子達が居る方に視線を移す。
「あいつは特別なんだよ」
都に言ったのと同じ事を小声で言うとつられて遊馬も野明達に視線を向けた。
女三人で盛り上がる声の中に気になる単語が混ざった気がして遊馬は小さく眉を顰めた。

漸く遊馬から離れた野明は思わずふぅっと息を吐いた。
「お疲れさま」
都が苦笑して冷たい水を送って遣した。
「有難うございます」
素直に受け取ると一気に飲み干す。余程喉が渇いていたらしく水がとても美味しく感じた。
「篠原君って過保護だったんだねぇ」
しみじみいう都に野明は苦笑した。
「私も初めて知りました」
都は茜に声を掛けた。
「ね、前からあんな感じ?」
その質問に茜も苦笑する。
「う~ん 昔はもっと突き放した感じで『好きにすればいい』くらいの感じだったんだけどなぁ」
言ってから小さく「あっ!」と呟いて『拙いこと言ったかな?』と野明の様子を伺う。
野明は涼しい顔で「初めて会った時はそんな感じでしたよ」と笑った。
「冷めた口調で偉そうに話してた、今も仕事の時はそうだけど」
目を細める野明に都と茜は安堵の笑みを浮かべた。
「ごめんね、配慮が足りなくて」
茜が謝ると、野明は「気にしないでいいですよ」と笑う。
「余裕あるなぁ」
都は手にしたグラスに口をつけるとおどけたように言い野明に向って手を出した。
「折角 知り合いになったんだし仲良くしよう」
「宜しくお願いします」
野明も手を出すとそこに茜も手を添えて三人でコロコロと笑った。
「じゃ まず乾杯しようか!」
そう言って各々飲み物をオーダーし、グラスを合わせた。

地元以外に同年代の女友達が極端に少ない野明にとってはこういう機会はとても貴重で愉しかった。
途中で『さん付け』や『敬語』を都が疎んじたこともあり暫くすると3人は名前を呼び捨てでざっくばらんに話すようになっていた。
話題は共通の話題だった遊馬のことからその他の恋愛話へとシフトして行き、野明は日常接点のない二人に安堵して結構色んなことを話してしまった。
おそらく緑にすら話した事の無い高校時代の話までが口の端にのぼり、都や茜も過去の恋愛遍歴をあけすけに話していた。

都は結構一途に遊馬を慕っていて結局一度もいい返事を貰えなかったと語り、茜は何人かのお付き合いの後、遊馬と少し付き合ったがあっさり振られて今は西野と付き合っていることを語った。
「なんで篠原君 茜と別れたの?」
都はずっと聞いてみたかったと言って茜に質問を投げつけた。
野明もコクリと頷いて答えを待つ。
すると茜は軽く眉間に皺を寄せて言った。
「『面倒臭くなった』んだって」
「「はぁ?!」」 野明と都が同時に声をあげ、男性陣も吃驚して一斉にこちらを振り返った。
注目を浴びた3人が慌てて作り笑顔で「何でもない」と手を振り、頭を寄せてこそこそと会話を再開する。
「面倒臭いって・・・」
都が絶句し野明は渋面を作る。
興味の無いものに関する遊馬のドライさは嫌というほど知っている野明はそう言ったときの遊馬の顔が目に浮ぶようだった。
それを付き合っている彼女に言ったというなら野明にとっても『明日は我が身』。
思わずそっと遊馬を振り返ると片肘をつきつつビールのグラスを傾けている姿が目に入った。
「心配になっちゃった?」
すまなそうに言う茜に野明はふるふると首を振るとグラスを傾ける。
「そうじゃなくてね、遊馬ってそういうのはっきり言う方だよね、と思ってさ」
「だね。それでもアプローチ掛けてた都ってすごいな~と思ってたよ」
「でもちっとも振り向かなかったけどね」
都は不満げな目を遊馬の方に向けると、茜はクスリと笑う。
「そういうところが 篠原君にとって『面倒』だったのかもね。自分に干渉されるの物凄く嫌がってたし」
「私も前にお父さんとの事に口を挟んで大喧嘩になったことがある」
「そういう所は変わってないんだね」
3人で顔を見合わせて深く頷くと遊馬の様子を伺う。
手にしたビールをグイグイ呷る様子を見た野明が心配そうに「あれ、何杯目だろう?」と呟いた。
空いたグラスは素早く回収されるため時折振り返っただけでは正確な杯数が分からないが、野明の見るところ遊馬の酒量は彼の許容範囲を軽く凌駕しているように思えた。
軽くため息をついて視線を戻すとまた3人で会話を再開する。
「ところで野明は篠原君以外に付き合ったことないの?」
茜が空のグラスを掲げて追加を注文しながら質問する。
「あ。それ聞きたい」
都が嬉々として話に乗る。
少し間があいて野明はぽつりと呟く。
「好きな人は居たけどね、気づく前に終わっちゃった」
野明はグラスを両手で抱えるように持って少し寂しげに笑った。
訊いた二人が怪訝な顔で首を傾げる。
「近くに居過ぎて失くしてから『好きだったんだな』って分かったんだ」
どこか遠くを見るような瞳でグラスの中を見つめていた野明が小さな声で独り言のように呟いた。
「墨勇、どうしてるかなぁ・・・」
何かを探すように宙を見る野明の肩を都と茜が両脇からポンと叩いた。
「本当 好きだったんだねぇ、でもさ次に同じ失敗しなければいいんだよ」
「そうそう、でもやっぱり未練って残るもの?」
野明は少し考えてゆっくりと答えた。
「未練かぁ。あるのかもね、思い出すと少し切ないから。もし今顔を合わせたらどう感じるんだろうなぁ」
軽く目を閉じて昔を思い出していると強いお酒の香りと一緒に筋肉質な逞しい腕が後ろから野明の肩を抱きこんだ。
驚いて顔を上げるといつの間に傍に来たのか酔っ払った遊馬が肩に顎を乗せて「会わせねぇよ」と管を巻いた。
目を丸くして言葉を失っている野明の顎を掴むと半ば強引に唇を重ねる。
吃驚した野明が抗議しようとするより早く「他の男の名前呼んでんじゃねぇよ」と唸り、まわした腕に力を込めた。
「ちょ、ちょっと遊馬?! 酔っ払ってるの? 離してってば」
遊馬の腕から逃れようと顔を真っ赤にした野明が身を捩ってみてもその腕は簡単には解けなかった。
当人たちを除く全員が一瞬言葉を失う。
両脇で固まっていた都と茜が我に返って声を掛けた。
「ね、篠原君、離しなよ」
「野明 吃驚してるじゃない、一回離して落ち着きなって」
やんわりと引き離そうとする2人を片手で払うようにして「うるせ」というと野明の首筋に唇を寄せる。
「やっぱ 印つけとく」言うが早いか鎖骨の少し上辺りに強く唇をつけた。
「ねぇ遊馬、止めてってばっ・って・・っ痛っ・・・!」
遊馬の離れたその場所にクッキリ浮ぶ赤い花。
付けられた野明だけでなく都と茜までが頬を染めるのを見て遊馬は満足そうに笑う。
「『俺の』なんだからな、覚えとけよ」
誰にとも無く呟く遊馬はまるで我侭を言う子供のようで、野明は軽くため息を吐いた。
「全く。気にしてるのはどっちなんだか・・・」

酔いの回った遊馬の顔を覗き込むと女性3人で肩を竦める。
茜が小さく呟いた。
「野明 苦労するわよ、多分」
野明は曖昧に笑い、都はしみじみと大きく頷いた。

to be continue...

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追記

始まった飲み会。
大きな波乱は無いですが 遊馬が超警戒モード(笑)
なんでこんなことになったのか・・・・
やっぱり オフ会前に貸し出し前の動作確認と称してeyes引っ張り出してきて「cut short!」とか読んでしまったのがいけないですね~(^^;
久々に読みましたが 初々しい話ですよね(^m^)
野明が可愛いのなんのって♪

さてこちらのお話もそろそと終わりが見えてきました。
あと少しがんばろうっと♪
お時間ありましたら是非是非一言なりとご意見ご感想などを戴けますと嬉しいです(笑)
皆様の温かいコメントに励まされて書いているようなものですので~♪
長い割りに進まない駄文ですが見捨てないでくださいねm(。。)m
では次回ものんびりマイペースに更新して行こうと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

コメント一覧

そおた。 2009年08月10日(月)17時30分 編集・削除

なんですかこの独占欲Max状態わ;;;
さすが御曹司、俺様オラオラ仕様ですな。
自分の過去もさらっと先回りして告白しておくあたり、
余裕があるというか慣れているというか…。

しかしこれでは野明は確かに苦労しますね~。
素面に戻ってから、野明に怒られてしゅんとしてたり
してたら楽しい…かも…。

>私信
さくらさまのメアドに、当方の連絡先をお送りしました。
万が一届いていませんでしたら、お手数ですがお知らせ下さい。

さくら(そおた。様) 2009年08月10日(月)22時11分 編集・削除

>そおた。さま

本当に何でこんな風になったのやら(^^;
最近私が寝不足だから・・・とかは理由になりませんものね(笑)
本当に野明が苦労しそうですよねぇ・・・
さて どうやって収拾つけたらいいのやら。

そうそう メール確かに頂戴いたしました!
返信しましたが届きましたでしょうか?(^^)
どうぞ宜しくお願いいたします~

ツッジー 2009年08月11日(火)21時50分 編集・削除

第12弾だーーーー(≧∇≦)
わーい(≧∇≦)

すごい、独占欲むきだしだねーーーーー(*≧m≦*)ププッ
どんだけ、警戒しとるんだ!!遊馬は!!!!!

でも、野明かわいいから心配だよねーーーー(≧∇≦)

人前でキスマークだなんて・・・エロだわ(≧∀≦)

さくら(ツッジー様) 2009年08月11日(火)22時25分 編集・削除

>ツッジーさん

人前でキスマークは・・・ツッジーさん前書いてたじゃないですか(笑)
いつか小ネタでやろうと思ってたんですよ♪
でもでも ツッジーさんとこは格好よかったのに当家では酔っ払いです(T∇T)
あれれ・・・?! オカシイなぁ・・・??