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軽井沢編11 贅沢

軽井沢編 11弾です

残すところあと一日~
やっとここまで来ましたよ・・・
書いてる自分が長さにめげそうです(笑)
期間限定の裏話をご覧になった方もそうでない方も話はちゃんと繋がるようになっている・・・筈です(^^;
本編の更新がすごく間が開いてしまいましたがどうにか続行中です♪
なんとか終わりが見えてきましたがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)

以下本文

続き

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贅沢
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遊馬の淹れてくれた温かいカフェオレを飲みながらソファに腰掛け見るともなしにTVを眺める。
朝の早い時間の番組は専らニュースか天気予報。
あとは体操と若干の教育番組。
選択肢が多くはないのでバラエティ色の強い情報番組が選択されていた。
身体がだるさを覚える。
今週に入ってから圧倒的に睡眠時間が不足していることは明白だった。
夜、まともに眠った記憶が殆どない。
遊馬と行動をともにすることになってからもう4日目。
初日は飲み会の後 バーで酔っ払ってフラフラになり、翌日はここで雷に見舞われて、昨夜は・・・・とても眠れてなど居なかった。
朝日をテラスで拝んでしまったあとここで温かい飲み物を手に座っているわけだが、不足した睡眠を補おうとするかのように睡魔が襲ってきて手にしたカップが大きく傾いだ。
「あぶねっ」
隣でTVを見ていた遊馬が慌ててカップを引ったくり事なきを得たものの、襲う眠気は去る気配を見せず頭をフラフラとさせながら振り子のように上半身が揺れていた。
『まるで電車の居眠りだな』と思いながら遊馬が野明の肩を軽く押さえる。
「眠いんだったらベッド行けよ」
呆れたように言うと野明はふるふると首を振った。
「いい ここで」
「寝違えるって」
「この会話、昨日もしたよね」
眠気に襲われていても記憶ははっきりしているらしい野明は気だるげな表情で言った。
「そうだっけ?」
「した。でも結局 あんまり眠れなかったじゃない」
僅かに頬を染めて目を逸らす野明に遊馬が苦笑した。
「今はしねぇよ。俺も眠いし」
「絶対?」
訝かしむ言葉を口にしながら、いまにも眠り込みそうな野明を肩に担ぐようにして立ち上がる。
「約束するって。ほら いくぞ。」
「やぁだ。ここで寝る・・・」
「ソファで寝るの 落ち着かないんだよ。ほら連れてってやるから」
床にへたり込む野明を横抱きにした。
「遊馬だけ行きなよ、私ここがいい」
駄々をこねる野明にため息をつきながら軽く頭を振る。
「置いてくと気になるだろうが」
「平気なのに・・・」
小さく呟く野明を抱えて寝室へ向った。
遊馬に運ばれてベッドに身体を横たえると激しい眠気が襲ってきて瞼がとても重く感じた。
野明の手が無意識に宙をかくのをみて、遊馬が手を差し出すと指を絡めるようにして手を繋ぐ。
繋いだ手にもう一方の手を包むように添えると野明は安心した様に眠りについた。
規則正しい野明の寝息が遊馬の眠気も誘発して自分もそのまま眠りに落ちる。
野明の髪から ほんのりと甘いワインの香りが漂っていた。

繋いでいた手を野明が自分の方に引き寄せたことで遊馬は目を覚ましてしまった。
起こした本人はまだぐっすりと眠っていて余程疲れていたことを窺わせた。
『無理もないか・・』と暫くその寝顔を眺める。
安心しきった無垢な寝顔は微かな微笑みを浮かべていて見ている側の顔も知らず綻ぶ。
繋いでいない手で髪をそっと撫でると「ん・・・」と小さく呻いて両手を口元に引いた。
片手を持っていかれた遊馬が少し間を詰めようと身動ぎすると野明がうっすらと目をあけた。
「わりぃ、起こしたか?」
「ううん、平気。なんだか良く寝ちゃった。遊馬寝なかったの?」
寝起きのとろんとした瞳で問いかける。
「寝たよ。さっき起きた」
時計を確認するともう昼前を指していた。5時間以上眠ってしまったことになる。
遊馬の目線を追いかけて野明も時計を見る。
「もうお昼になるんだね、時間勿体無かったかなぁ」
額を遊馬の胸にポンとぶつける様にしてぽそりと呟いた。
野明の髪を撫でていた手を頬に滑らせ、遊馬はくすりと笑う。
「これはこれで贅沢な時間だとおもうけどな」
遊馬の手が頬に触れると野明は一瞬緊張してしまった。
触れた指先からそれを感じ取った遊馬が顔を覗き込もうとすると野明は慌てて遊馬の胸に額をつけるようにして視線を逃れた。
「どうした?」
顔を上げさせようとすると益々下を向くようにして胸に顔を埋める。
「野明?」
遊馬が頬に触れた時、ドキっと心臓が跳ね 同時に完全に目が覚めてしまった。
昨夜のことを一気に思い出してしまって 羞恥で顔が紅潮して上げられない。
胸に頬をつけると今度は遊馬の香りであのゾクリとする感覚が蘇った。
「・・・遊馬ぁ・・・」
「ん?」
「・・・顔、見れない」
「はぁ?」
さっき会話したときは虚ろながら見てたのに、と遊馬は首を傾げる。
「その・・・恥かしくて・・・」
呟くように言った野明に思わず遊馬は噴き出してしまった。
「今更か? あれから半日近く経つぞ」
「だってっ・・・」
顔の温度が上がったのが寝巻き越しにもはっきりと分かる。
「分かった、分かった。で、どうして欲しい? このまま抱いててやろうか、それとも部屋出てた方がいいか?」
野明は少し考えてから「このままがいい」と答えて遊馬にぴたっとくっついた。
くすくすと笑いながら野明を抱き寄せる。
「いいけどね、何だよ 甘えてるのか?」
「顔 見れるようになるまででいいから、お願い。ちょっとだけ」
遊馬の腕の中で擽ったそうに笑う野明の声がする。
「気の済むまでどうぞ」
野明の額に軽く唇を寄せる。
「そんなことされたら ますます顔上げられなくなっちゃうでしょ」
野明が軽い抗議の声を上げた。
「そうか?そりゃ 悪かったな」
遊馬はまるで悪びれた様子もなくしれっと言う。
鼻腔を擽るワインの甘い香りが心地よくて野明の後頭部に宛がった手で軽く髪を撫でた。
「今日出かけるの 止めたくなるな」
遊馬が愉しげに呟く。
「どうして?」
「ここでこうしてるのもいいかなって」
「折角 軽井沢まで来てるのに勿体無い気がしない?」
腕の中で胸に頬をつけたまま野明が笑う。
「場所じゃなくてさ、野明とこれだけのんびり過ごせる機会なんてなかなかないだろう?」
「そういえばそうだね。いつも一緒にいるけど、2人きりってあんまりないね」
そういう仲ではなかったので深く考えもしなかったが互いに寮に住んでいるので飲みにでて遅くなっても泊める事も泊まることもない。
待機任務中は二課棟に泊り込むが 大勢一緒にいてさながら合宿だ。
移動中 稀に野明を指揮車に乗せる時と僅かな隙間の時間以外は二入きりで過ごす時間は殆どないと言ってよかった。
お互いに好意を持っていたとしても雰囲気を作る余裕のある環境ではない。
休日や準待機中に出かけるときくらいしか二人にならないのにそういうときにも外に出かけるのでこんな風にのんびりと2人でごろごろする、ということは意外に出来ないのだ。
「そっか、これはこれで贅沢なんだね」
先に遊馬の言った台詞を踏襲して野明は軽く目を閉じた。

暫くして野明が愉しげに口を開いた。
「ね、遊馬。本当にこんなにのんびりしたことってないよね」
「普通の家なら『何でもない休日』、なんだろうけどな」
「本当だ、旦那さんの会社が休みの日ってこんな感じなのかな?」
「かもなぁ 俺んち普通じゃなかったからよくわかんないけどな」
「うちも自営業だからサラリーマンの家庭とは違うもんね。いっつも一緒にいるけど全然休みはないの」
2人で顔を見合わせてクスクス笑う。
「で、俺たちも普通の勤務してない公務員な訳だ」
「そうだね。ものすごい変則勤務の公務員」
「でもまぁ お陰で俺は野明を独り占めできてるわけだ」
「それはお互いさまでしょ?」
遊馬の腕の中で軽口を叩きあう、先週には思いもよらなかった状況に笑みが零れる。
その野明を遊馬は大事そうに抱き込んだ。
「どれだけ変則勤務に振り回されてもコンビを組んでる以上、大抵予定が同じだもんな。」
「そうだね、遊馬じゃなかったら一緒に居られない」
「こういう職場だからなぁ。うちの課に所帯持ちが少ない理由ってこういうところだと思わないか?」
「整備班も含めてね」
声を上げて笑い 野明が遊馬の背中にそっと手を回した。
「遊馬と組んでてよかった」
野明は顔を上げて嬉しそうに笑う。
「そうか?」
「うん、そうじゃなければこんなに遊馬の傍に居られないでしょ?それに・・・」
「それに?」
「遊馬が私のこと見てくれてるのはコンビ組んでるお陰だし」
その言葉に軽く目を瞠る。
「別にコンビを組んでるから好意を持つってもんでもないと思うけどな」
「それはね。けど、コンビ組んでなかったら私 遊馬のこんなに近くに居ない気がする」
「何で?」
「遊馬の優しさってすこし分かり辛いから。それとね、遊馬の傍に居る理由を探せないんじゃないかなって」
「理由ね、そうかもな。今でもそれ要るのか?」
野明の顔を覗き込んで訊いてみる。
「今は、離れる理由の方が要るんじゃない? 例えば遊馬に彼女ができてもコンビ組んでると一緒に居ないわけにはいかないでしょ。そしたら辛いだろうなって思う。でも 遊馬以外の人から指揮してもらっても今の様には働けない気がするんだ」
少し切なげな顔で言う野明はひどく脆そうに見えて、遊馬は「彼女なら、いるんだけどね」と苦笑交じりに答えた。
野明の目が動揺で大きく見開かれ、次いでスイッと目線を外した。
「そっか・・・」と小さく呟くと一度額を遊馬にコツンとぶつけてから 遊馬の腕から逃れようと身を捩った。
「逃げるなって」
野明の肩を押さえると呆れたような顔をする。
「だって・・・」
困った顔をした野明が遊馬を見つめた。
「言葉が足りなかったなら、謝る。だからちゃんと聞け」
遊馬は大きく息をして気持ちを落ち着ける。
「いいか、野明。『離れる理由』なんて要らない。お前が俺の『彼女』になったんだろ?」
「・・・え?・・あの・・・遊馬?・・・いいの?」
頬を染める野明を抱き寄せる。
「あのな、野明。俺、彼女でもない女に手を出すほど鬼畜じゃないぞ。それに、お前『俺のものになる』って言っといて今更 『いいの?』はないだろ?」
「・・・うん・・・」
「ちゃんと言って欲しいなら言うから、変な勘違いして逃げるなよな。野明、俺と付き合え」
お説教の最後にくっつけるようにして言う遊馬に野明は思わず噴き出した。
「何だよ、真面目に言ってんだぞ」
「遊馬ってば こういうときまで命令口調なんだから」
「うるせ。で どうなんだよ?」
笑みを浮かべて問う遊馬に野明は満面の笑みで答える。
「はい。宜しくお願いします」
「よし! それにな、俺最初に言ったんだけどな。覚えてないのか?」
野明は首を傾げる。
「『彼女にしてやる』からついて来いって言っただろ? あとは『手も出す』って言っといたし」
「・・・あっ!・・・」
「それでもついてきたんだから お前は『俺のもの』だよ。ここに来たときからな」

遊馬の言葉に胸が震える。
照れくさくて嬉しくて胸がきゅんっとする感じがして擽ったい。
『俺のもの』と言った遊馬の声音が耳に残って甘い切なさが何度も去来する。
遊馬の体温が心地よくて、もうお昼を完全に回っているのにベッドから出る気がしなくなってしまった。
とはいえ 遊馬まで食事を摂らせない訳にはいかないので一応声を掛けることにした。
「遊馬、ごはんどうする?」
「ん?・・・ああ・・・そうだな。そんな時間だよな」
遊馬も億劫そうに返事をするのを聞いて野明はくすりと笑う。
「うん。寝巻きいい加減着替えないと夜 乾かないし。」
「だよな、そろそろ起きるか」
遊馬は大きく伸びをすると勢いをつけて野明ごと半身を起こした。
並んで座って見詰め合うと遊馬が野明の顎を持ち上げ軽く唇を合わせる。
「おはよう」
「もう『おはよう』って時間でもないと思うんだけど・・・」
照れる野明の頭をくしゃりと撫で「着替えて食事がてら少し出ようぜ」と声を掛けベッドを降りた。

お昼を少し回ったこの時間。
食事どころはどこも混雑のピークを越えて軽くお茶を飲む人がチラホラといる程度の半端な時間だった。
喫茶店で軽く食事を摂り 遊馬と一緒に町を歩く。
整備された遊歩道が何本もあって、各々名前がついていたり途中にちょっとした休憩場所があったりする。
時折加わる遊馬の解説に耳を傾けながらゆっくりと森林浴をするように歩いた。
木陰を渡る風は爽やかで心地よく気持ちもスッキリする感じがする。
小一時間歩いて車を止めた旧軽井沢の通りに戻ると遊馬が名物のコーヒーソフトを買って野明に手渡した。

並んでソフトクリームを食べていると背後から声が掛かる。
「篠原?」
声に振り返ると細身の男性が立っていた。
記憶を探るように一瞬目を眇めた遊馬は思い当たった名前を口にした。
「・・・西野か?」
西野と呼ばれた男性は静かに頷く。
「やっぱりそうだ、久し振りだね」
一緒にいる野明に目を移すと爽やかと言っていい笑顔を向けた。
「こちらが噂の『野明さん』? はじめまして。篠原の旧友で西野といいます」
「あ・・・はい はじめまして。泉野明です」
慌てて頭を下げなら、初めて会った人に『噂の』などといわれ名前が知れていることに野明は少なからず混乱して遊馬を見た。
「久し振り。けど 噂って・・・滝口か?」
「都ちゃんから直接聞いたわけじゃないよ。僕は茜から聞いたんだ」
「・・・茜・・・? 柚木か。なんであいつが知ってるんだよ?」
「そりゃ、失恋した都ちゃんが茜に相談したからだね」
「成る程ね。で なんでそれをお前が知ってる?」
「茜は僕の彼女だから」
さらっと言い切る西野に遊馬は目を剥いた。
「マジ?」
「そうだよ。もう5年になるかな。君に振られた茜が傷心を抱えていた頃に付き合いだしたんだ」
クスクスと意地の悪い笑みを湛えて遊馬を見る。
「・・・へえ・・・そうなんだ?」
言いながらチラリと野明を盗み見ると野明は一歩下がったところで黙ってソフトクリームを食べていた。
「『彼女』なんだよね?」
愉しそうな顔で聞く西野に遊馬はため息混じりに答える。
「そうだよ。お前も彼女いるんだったらちょっかい掛けるなよな。柚木が泣くぞ」
「篠原にそんな事言われるとはね。今まで何人泣かしてきたっけ?」
「・・・ここで言うなよ」
少し離れている野明に視線を向けた西野がクスリと笑い声をかけた。
「すみません、不快な思いをされましたか?」
野明は顔を上げるとにこりと微笑んだ。
「いいえ、お気遣い有難うございます。平気ですよ」
西野は軽く目を瞠ると小さく笑い遊馬に向って「いい子じゃないか」と囁いた。
「まあな。で、お前以外にあと何人知ってるんだ?」
「さぁねぇ・・・少なくとも粕谷と水島は知ってるね」
それを聞いて遊馬は『これだから、女ってのは面倒なんだ』と思い切り頭を抱えた。
あちこちに相談と称しては主観たっぷりで物事を吹聴して回る・・・
気づかないうちにどれだけの人間に知られているか分かったものではなかった。
遊馬自身が親しかった人数は限られていても 祖父の交友関係を思えば遊馬の記憶に残らないような顔見知り程度の知り合いならそこそこ居るはずだった。
思わずため息をつくと西野は『気の毒だね』と言うように笑って見せる。
「ところでさ 篠原来てるって聞いてみんな会いたがってるんだ。夕飯でも一緒にどうだ?」
「今日か?」
「明日、帰るんだろう?」
「う~ん・・・」
遊馬が少し考えて『やめとく』と言おうとした時、野明が口を挟んだ。
「行っておいでよ。久し振りなんでしょう?お友達と会うの」
普段どおりの屈託の無い笑顔の野明に遊馬は困惑する。
「いや・・・でもな・・・」
『野明と2人ですごしたいのに』と言いかけて西野の手前、言葉を呑む。
「明日帰るんなら今日しかないでしょ?行ってきなよ。こういう機会って滅多にないんだからさ」
そういうと 遊馬の背中を軽く叩いた。
「おい、野明?」
「私 先にコテージに戻るから後でね」
食べ終わったアイスのゴミをポンっとゴミ箱に捨てると元気良く立ち上がる。
「待てって!」
野明の肩を掴んで引き止めると、ついっと顔を寄せ野明が遊馬の耳元で囁いた。
「でも ちゃんと帰ってきてね・・・」
にこっと笑うと野明はするりと遊馬の腕をかわして数台のタクシーが客待ちしている乗り場に向かう。
西野に向って「失礼します」と丁寧に頭を下げ花が咲くような笑顔を残してタクシーに乗り込もうとする。
慌てて駆け寄った遊馬が野明の腕を掴み寸でのところで車から引っ張り出した。
「行くなって・・・俺はお前と遊びに来たんだよ。一人でどっか行こうとするな」
「でも・・・」
「『でも』じゃない!大体お前を置いて行っても気になって落ち着かないんだよ」
2人のやり取りと黙ってみていた西野が口を挟む。
「野明さんも いらしてくださいよ」
野明は西野を振り返ると困った顔をした。
「あの、お気遣いはありがたいんですが遠慮させてください。お友達の集まりに乱入するほど野暮ではない心算なんですよ?これでも。」
「野暮だ、なんてとんでもない。皆貴女にお会いしたいと思ってますよ?」
「本当にお気になさらないでください。私が入ると皆さん気をつかってしまうでしょう? まして遊馬は双方に。そうなると折角の集まりが台無しですから」
「・・・気を使う連中かよ・・・」と毒づく遊馬に「そういうこと、言わないの」と軽く眉根を寄せる。
「『篠原が彼女を連れてきてる』というのでみんな会って見たいなと思ってるんです。むしろ歓迎しますよ」
にこやかな笑みを浮かべる西野に野明は困って遊馬を見た。
「それに・・・」遊馬に視線を移した西野がクックッと笑いながら続ける。
「貴女が来て下さらないと 篠原は出てきてくれそうにない」
西野の言葉に遊馬は大きくため息をつき、「野明を名前で呼ぶなよ」と毒づく。
西野は『おやおや』とおどけたような仕草を見せてからかう様な口調で言った。
「今断っても他の連中が見つけたらまた同じように声をかけることになるよ」
「だろうな」
遊馬は半ば諦めたような顔をして野明に声を掛けた。
「野明、わりぃ、ちょっと付き合え」
野明は『仕様が無いなぁ』という顔をして「ちゃんとフォローしてよね?」と念を押した。
「それは約束する」
遊馬は野明の肩に手を回し西野に向き直った。
「で、どこに何時?」
「6時にここに」
そう言って西野は一枚のカードを差し出した。
時計を確認した遊馬はカードをポケットにしまう。
「分かった。後で行くよ」
「じゃ 後ほど」
西野は野明に笑顔を向けると手を振りながらその場を後にした。

to be continue...

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追記

古い話で皆様お忘れかも知れませんが・・・
そもそもこの話は短編の続編なんですよね
遊馬のいう「最初に言った筈」の中身は過去の短編3部作の最後になります
もう記憶の彼方に吹っ飛んだわ、という方も多いかと思いますが(笑)
その辺りはカテゴリの連作01に纏めて置いておきましたので興味のある方はこちらから覗いてみてくださいね(気にしなくても何の問題もない程度の些細な話ですが☆)

お時間ありましたら是非是非一言なりとご意見ご感想などを戴けますと嬉しいです(笑)
皆様の温かいコメントに励まされて書いているようなものですので~♪
長くて進まない駄文ですが見捨てないでくださいねm(。。)m
では次回ものんびりマイペースに更新して行こうと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

コメント一覧

ツッジー 2009年08月05日(水)12時59分 編集・削除

待ってました第11弾(≧∇≦)

おやおや、きゅうきょ同窓会が・・・。

波乱な内容にならないことを・・・。

まぁこの遊馬なら大丈夫だよねーーーーー(≧∇≦)

でも・・・ドキドキ・・・。

非公開 2009年08月05日(水)13時15分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

非公開 2009年08月05日(水)13時47分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

さくら(ツッジー様) 2009年08月05日(水)14時50分 編集・削除

>ツッジーさん

同窓会・・・う~ん そうですよね(^^;
波乱になるのかなぁ(笑)
私の書くものなのでそんなに大したことにはならないですよ、きっと♪
次回ものんびりいきますね~!!

さくら(そおた。様) 2009年08月05日(水)15時19分 編集・削除

>そおた。様

例の本入手されたんですね!
是非 一度拝読してみたいです~(笑)

ヒロイン図鑑は 近所のコンビニにはなくて・・・
やっぱり埼玉まで行こうか悩んでます(^^;
でも掲載1Pのみなんですよね~
見たいけど そこまで頑張るほどのものかな~?!
(ヒーロー図鑑なら遊馬の為に走りますが☆)

飲み会 ご期待に沿える波乱があるのか・・・
過去の話が出るのでしょうか~?
あんまり決まってないんですよ、これが☆
(ほーら 行き当たりばったり!)

野明はこのあと待機任務一週間。
普通で居られるんですかね、本当に(笑)
それは遊馬も同じだけど彼は頭のスイッチがカチャンって切り替わりそうなタイプなので憎々しいほど平常運転かもしれないですね(^m^)

次回のんびり更新しま~す!

こんきち 2009年08月05日(水)21時39分 編集・削除

11弾UPおめでとー。
まったりな朝なんだけどドキドキな感じが出てて、幸せになりました( ´∀`)。
そして、急遽行われる事になった同窓会、なにか一騒動おきそうな気がするけど?気になる・気になるですよ(><)

さくら(こんきち様) 2009年08月05日(水)22時04分 編集・削除

>こんきちさま

まったりな朝です。
昼間で惰眠貪ってますよね~(笑)
幸せを感じていただけると嬉しいです♪
そして急遽 同窓会(笑)
一騒動・・・おきるかな・・・さぁてどうしよう?!(^^;