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OTOMO KATSUHIRO on Magazine
「聖者が街にやってくる」掲載週刊漫画アクション
『さよならにっぽん』収録の「聖者が街にやって来る」は、1979年4月終わりから5月中旬にかけて、週刊漫画アクション誌上で4回に渡って連載されました。掲載は5月10、17、24、31日号。2012年6月現在、唯一の週刊連載作品と言えるでしょう。たった4回ですが。
この時期のアクションは入手困難です。
それにしてもこの作品、僕にとっては大友克洋の中篇の中で最も印象深い作品です。もともと音楽が好きで、ジャズもそれなりに知っているという背景もありますが、なんというか、悩んでいるときに読むと、ちょっと救われる感じがします。「AKIRA」→「ショート・ピース」ときてこの本を3番目に読んだ僕は、この作品で本当に大友ファンになったような気がします。
週刊漫画アクション 1979年5月10日号
タイトル | 作家 | 頁数 |
ピンナップ:終末風景3 | 金森達 | -- |
ケイの凄春 4c扉+2c4p | 小島剛夕・小池一夫 | 26 |
新ルパン三世 91 | モンキー・パンチ | 20 |
日本柔侠伝 23 | バロン吉元 | 20 |
博多っ子純情 7-2 | 長谷川法世 | 20 |
オシャカ坊主列伝 572 2c4p | 小島功 | 4 |
星をまちがえた女 19 | 上村一夫 | 24 |
じゃりン子チエ 2-6 | はるき悦巳 | 21 |
ゲバゲバ時評 | はら たいら | 5 |
イカシマ物語 66 | 岩本久則 | 4 |
聖者が街にやって来る!! PART 1 WHEN THE SAINTS GO MARCHIN'IN 2c4p | 大友克洋 | 26 |
くるくるぱーティー大会 | いしいひさいち | 6 |
学校の探偵 6 | 小池一夫+芳谷圭児 | 25 |
嗚呼!!花の応援団 111 | どおくまん | 21 |
赤鞘遊侠伝 382 2c4p | 黒鉄ヒロシ | 4 |
- 双葉社 13-22-709
- 1979年05月10日
- 256p
- B5 版
- 定価 180円
- 雑誌コード:29422-5/10
第1回が掲載された号です。ここでは「聖者が街にやってくる !! WHEN THE SAINTS GO MARCHIN'IN」というタイトルになっています。この後、第4回までタイトルは微妙に変化していました。なお、アオリはありません。
この第1回は、単行本 p145-170に当たります。雑誌掲載時は、冒頭4ページが2色でした。一部指定もありますが、基本的には大友克洋によって着色されています。『さよならにっぽん』でも薄墨状になっているのが確認できると思いますが、単行本 p148-1,4コマ目のように、雑誌では薄墨だった部分にトーンを貼っている場合もあります。モノクロ・ページは、ほぼ半数のコマで、背景とキャラクターの服にトーンの追加があります。また、p150-1、p151-6、p152-2、p154-1、p158-4、p159-1,9、p160-6コマ目はディテール追加の描き込みがなされています。さらに、p159-9コマ目は、連載時は富岡しか描かれておらず、バックの「お互い〜」という回想シーンはありませんでした。単行本化の際に、わかりやすくするために追加されたものと思われます。なお、これだけの描き足し、修正があるにもかかわらず、この回のラスト3ページ、単行本 p168-170の飛行機、空港のシーンは(込み入った絵にも関わらず)連載時に完成していました。おそらく、この黒人ミュージシャンたちの登場シーンは先に描かれていたのでしょう。描くのが愉しそうな絵ですからね‥‥(笑)。
週刊漫画アクション 1979年5月17日号
タイトル | 作家 | 頁数 |
ピンナップ:JONA | HOGARA IKETANI | -- |
嗚呼!!花の応援団 112 4c扉+2c4p | どおくまん | 25 |
学校の探偵 7 | 小池一夫+芳谷圭児 | 21 |
新ルパン三世 92 | モンキー・パンチ | 20 |
博多っ子純情 7-3 | 長谷川法世 | 21 |
じゃりン子チエ 2-7 2c4p | はるき悦巳 | 22 |
星をまちがえた女 20 | 上村一夫 | 20 |
お侍さん物語 又兵衛 | 二階堂正宏 | 4 |
ゲバゲバ時評 | はら たいら | 5 |
オシャカ坊主列伝 573 2c4p | 小島功 | 4 |
日本柔侠伝 24 | バロン吉元 | 25 |
くるくるぱーティー大会 | いしいひさいち | 6 |
聖者が街にやって来る!! PART 2 聖者が街にやって来た!! | 大友克洋 | 12 |
地底人来襲!! | 福永ひろ文 | 8 |
ケイの凄春 | 小島剛夕・小池一夫 | 25 |
赤鞘遊侠伝 383 2c4p | 黒鉄ヒロシ | 4 |
- 双葉社 13-23-710
- 1979年05月17日
- 256p
- B5 版
- 定価 200円
- 雑誌コード:29423-5/17
『さよならにっぽん』収録の「聖者が街にやって来る」第2回。タイトルは「聖者が街にやってくる !! PART 2 聖者が街にやって来た!!」。第1回同様、アオリはありません。
この第2回は、単行本 p171-178、181-183に当たります。単行本 p179-180は、次回第3回にあったページですが、単行本では移動されました。この回も第1回と同様、背景にかなりの描き足し、トーンの追加が行われています。しかし、やはり飛行機、飛行場や自動車の絵などは連載時に完成されていました。なお、扉絵は単行本 p50に収録されています。
週刊漫画アクション 1979年5月24日号
タイトル | 作家 | 頁数 |
ピンナップ:マーガレット・ポー | 会田我路 | -- |
博多っ子純情 7-4 4c扉+2c4p | 長谷川法世 | 25 |
ケイの凄春 | 小島剛夕・小池一夫 | 21 |
星をまちがえた女 21 | 上村一夫 | 20 |
学校の探偵 8 | 小池一夫+芳谷圭児 | 21 |
オシャカ坊主列伝 574 2c4p | 小島功 | 4 |
じゃりン子チエ 2-8 | はるき悦巳 | 21 |
くるくるぱーティー大会 | いしいひさいち | 4 |
ゲバゲバ時評 | はら たいら | 5 |
イカシマ物語 68 | 岩本久則 | 4 |
日本柔侠伝 25 2c4p | バロン吉元 | 20 |
聖者が街にやって来る!! PART 3 聖者は街にやって来た!! | 大友克洋 | 20 |
新ルパン三世 93 | モンキー・パンチ | 20 |
嗚呼!!花の応援団 113 (最終回) | どおくまん | 22 |
赤鞘遊侠伝 384 2c4p | 黒鉄ヒロシ | 4 |
- 双葉社 13-24-711
- 1979年05月24日
- 240p
- B5 版
- 定価 180円
- 雑誌コード:29424-5/24
『さよならにっぽん』収録の「聖者が街にやって来る」第3回。タイトルは「聖者が街にやってくる !! PART 3 聖者は街にやって来た」。これまで同様、アオリはありません。
この第3回は、単行本 p179-180、184-200に当たります。この回の冒頭2ページは、単行本では第2回掲載分の中、p179-180に移動されました。これがページ数の都合なのか、行き当たりばったり(失礼!)でそうなってしまったのかはわかりません。この回も第1〜2回と同様、背景にかなりの描き足し、トーンの追加が行われています。特に単行本199ページ前後の演奏シーンなどは、ライヴハウスの暗い感じがなく、かなり白っぽい絵(要するに途中の段階)でした。それでも、時間のかかりそうな浅草雷門などはちゃんと描けているんですよね〜。
なお、この回の扉絵は単行本 p124に収録されています。
週刊漫画アクション 1979年5月31日号
タイトル | 作家 | 頁数 |
ピンナップ:秋ひとみ | 会田我路 | -- |
真剣先生 1 4c扉+2c4p | はやせ淳 | 25 |
日本柔侠伝 26 | バロン吉元 | 20 |
博多っ子純情 7-5 | 長谷川法世 | 22 |
星をまちがえた女 22 | 上村一夫 | 20 |
オシャカ坊主列伝 575 2c4p | 小島功 | 4 |
じゃりン子チエ 2-9 | はるき悦巳 | 21 |
くるくるぱーティー大会 | いしいひさいち | 4 |
ゲバゲバ時評 | はら たいら | 5 |
イカシマ物語 69 | 岩本久則 | 4 |
学校の探偵 9 2c4p | 小池一夫+芳谷圭児 | 20 |
蜃気郎 2 | 西岸良平 | 16 |
聖者が街にやって来る!! PART 4 聖者が街にやって来る! | 大友克洋 | 20 |
ケイの凄春 | 小島剛夕・小池一夫 | 25 |
赤鞘遊侠伝 385 2c4p | 黒鉄ヒロシ | 4 |
- 双葉社 13-25-712
- 1979年05月31日
- 240p
- B5 版
- 定価 180円
- 雑誌コード:29425-5/31
『さよならにっぽん』収録の「聖者が街にやって来る」最終回、第4回掲載号です。タイトルは「聖者が街にやってくる !! PART 4 聖者が街にやって来る!」。やはり、アオリはありません。
この第4回は、単行本 p201-219、最後までが掲載されています。この回もやはり、背景の描き足しやトーンの追加が随所に行われました。しかし、レコーディング・ルームや飛行場の細かい絵は、連載時に完成されていました。この辺の仕上げの優先順位はやはり、愉しく描ける順なんでしょうか(笑)。それと、こうした細かくて描くのが愉しい(ような)絵が各回に適度に配置されているのも、作為を感じないでもありませんね(笑)。
なお、この回の扉絵は単行本 p220に収録されています。
OK Works 2 (1979-1980) | Home
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