アレステア・レナルズ[量子真空]読了。
http://www.amazon.co.jp/dp/4150116741
mixiにて中盤まで読んだ時点での感想文を記しましたが、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=930271685&owner_id=524028
んまあ、大体そんな感じ。
一言でまとめれば「長い。ページを絞れ」
処女作[啓示空間]と比べ力量が上がっており、一応読める
シロモノになってます。――というか、元々、この作家の文体は
啓示空間で用いた狭い舞台には合わないというか。
量子真空ぐらいの舞台規模で、やっと成立したような感じ。
でも、各主要人物の視点を時刻表のように
乗り換えていくのは好み分かれると思う。
各陣営の動きや思惑が透明なのでインチキしにくい
というフェアシップ精神は評価したいけど、
タイムラインに沿って各陣営の動きを逐一書いていった結果
物語の足が重くなってるのはいただけない。
※:特に前半は、伏線張る――というか、
伏線を張るための準備に精一杯で
展開に面白みがないという、
エ ン デ ィ ミ オ ン 現 象 (汗
本書2/3、後半戦に突入して伏線処理が進むとともに
物語の足が徐々に速くなっておりますが、でも、
800ページ分の伏線にしては少々物足りないというか…
そのバカ正直な文体はキライでもないけど、もーちょい、
スマートにしてほしかったなぁ。
アイテムについてはなかなかレベルが高いので、
その辺を楽しむ分には全然アリかな、と。
※:先日運用開始したLHCで発見しようとしているヒッグス粒子の
名前を使わずに、ヒッグス機構を操作することで
慣性質量を操作する、というアイテムの『説明』が素晴らしいw
[ハイテクで武装して古典を再発見する]というポストスペオペらしく、
・敵軍との戦争の真っ最中に異星人の殺戮機械がやってきた!
殺戮機械を滅ぼすため、敵軍に奪取された最終兵器を
奪還すべく新型宇宙船で出発だァ!!
――って具合でストーリィの大筋は判りやすいものの、
本書は話の中核に新技術があり、その技術の出所を
突き詰めていくと全貌が見えてくる。
と、いうあたりが丁寧なポストスペオペだなぁ、とw
好きにはなれないけど嫌いでもなく、なんとなく気になる。
読んだら損するけど、それでも得る物は十分ある。
そういう、メリットとデメリットが別ベクトルなので
打ち消しあわず両立してる小説でした。
【近況】
勤務地が変わったので日常のタイムラインを構築中。
以前と比べ、3時間ほど自由時間がなくなりました。
ああ、でも、毎日TF2やってますw
だから、冬の新刊は、全然進捗が無いというか……
あと、夏休みが終わり、深夜や午前中に
TF2やってる日本人が居なくなったので、
そろそろ海外部屋TF2動画を撮ろうと思います。
【今後の予定】
[ディファレンスエンジン]読了したら、
しばらく絵の練習をやる予定。
練習というよりは、原稿に関係ない絵を描くという感じかな。
http://www.tf2comic.fr/php/index.php?p=1
[Garry's MOD]で作ったTF2コミック。
コレに各クラスのいい表情があったので、それを模写していこうかと。
とにかく、僕は、絵柄のパターンが少ないので、
もーちょっとシルエットで描き分けれるようになりたいです。
っていうのが、最近思いついた目標。3日後に忘れるけど。
http://nerfnow.com/comic/49
以前紹介したけど、この作家が最近のお気に入り。
コマ割りが上手いのもあるけど、
構図とシルエットでキャラの感情をきっちり表現できてるから
フキダシ無くてもスラスラ読めるのが「スゲエ!」と思う。