「空っぽさ。何も思い出せないんだ……真実を痛みに感じる事も出来ない」 気が付くとN◎VAにいた。全く見覚えのない場所、顔、身体。自分自身にすら気が付かず、どうやら自分が化け物…ヒルコの類いだと判った時には、レッドエリアの片隅に逃げ込んでいた。 それから暫く経ち、この街での立ち振る舞いが判り始めた頃、男は真実を探し始めた。自分の物ではなく、他の誰かの真実を。きっと自分の事は何一つ判らないのだろう。だから、せめて他の誰かは何か大事な事を、見つける事ができる様に。
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