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   トラネコはふと目が覚める。今日は日曜日だ。焦って起きることも無かった。そう思うと、もう再び眠りにつくことはできなかった。「ふぁ〜〜」
 鏡を見ると、いつものようにりりしい髭と堂々たる縞模様。「今日も決まってるニャ」
トラネコは少々ナルシスト気味なところがあり、よく連中から「猫虎!猫虎!」とからかわれたものである。彼の夢はいつか巨人軍に入ってやつらを見返してやることであった。
  トラネコは憧れの巨人軍に入るため、今日も練習をすることにした。彼は完全武装してヘリに乗り込む。離陸したヘリはひたすら東へ進む。やがて練習場に到着した。
   「たのも〜」と言うとベテラン風の男が言葉を返してくれた。
「おう、新人か。テストを受けに来たって訳だな。よし、俺が見てやろう。」男はそう言うと、俺について来いと言わんばかりに歩いていった。
 しばらく歩くとそこは先ほどとは違った雰囲気が漂っていた。先客が5人ほどいて、どいつもこいつも高校生に毛が生えた程度の年頃だったが、実力は以外に大したものだった。
 トラネコは自分が練習にきたことなどすっかり忘れていた。それよりも偶然つかんだ入団するチャンスを捨てまいと必死になっていたのだった。
 ドラえもんにもケット・シーにも似た彼の体型は、短距離走には向いていた。おかげで100mを10.1秒という陸上選手にも劣らない好タイムを収めることができた。だが、問題は遠投テストだった・・・。
  遠投テストはピンポン玉の遠投だった。合格ライン(推定)は25メートル。1人2投という過酷なテストだった。いよいよ彼の番、1投目彼は渾身の力でピンポン玉を放り投げた。
   トラネコは渾身の力をこめてボールを投げた。「ボールは45度の角度で投げれば一番飛ぶニャ。」すると、ボールはきれいな放物線を描き飛んでいった。(よし。これは25mはおろか30mは飛ぶニャ。)トラネコはそう思った。
 ボールは25mラインを超えていった。「不安だった遠投テストも一球で合格したニャ。これでもうこのテストは合格間違いなしだニャ。」トラネコは余裕だった。「記録は何mだニャ。」審査員はこの言葉を聞いてしぶしぶ記録を計りに言った。(合格したのに記録を聞こうなんてふてえ奴だ。後で覚えてろ。)ボールはなんと40mラインに落ちていた。「あいつドラえもんみたいな体系なのになんて肩をしているんだ。これじゃ記録をごまかしきれない。くそう。」審査員は仕方なくボールを拾って帰っていった。「お前の記録は39mだ。合格だ!」トラネコは「39mか。もう少し飛ぶと思ったのに…」などと言いつつボールを受け取ろうとした。するとボールの感触がいつもと違うのに審査員がきずいた。
 (何だこの感触はいつものピンポン玉じゃない。こいつが投げたのは…)審査員は少しうれしくなった。(よし。こいつはピンポン玉を投げたんじゃない。すなわちこのドラえもんは合格でない。やった!)審査員は微笑みながら言った。「おい。残念だったな。お前が投げたのはピンポン玉ではない。このゴムの塊だ。これはピンポン玉ではない。ピンポン玉と言うのはもっとプラスチックぽいんだぞ。知らなかったろう。ふふん…」「ニャニー」トラネコは驚き審査員からボールを奪い見てみた。(確かにピンポン玉じゃない。これはスーパーボールだニャ。)トラネコはショックだった。
   トラ猫は愚痴った。何でもいいから、審査員に言ってやりたかった。
「ピンポン玉はプラスチックじゃない!セルロイドなんだ!!」
   「…知らなかった。」審査員はそう言った.(は、しまった。私としたことが。くそあいつめ、きっと私に恥をかかせようとうそをいったんだな.ようし。)「おい、そこのどらえもん。うそをいってないでそのゴムで出来たボールを貸せ。こんなのだったら私は70メートルは投げれるぞ。」「え。」トラネコは驚いた。(この人はピンポン玉がプラスチックで出来ていると思ってたのか。スーパーボールもなぜかゴムで出来たボールと言っているし、ほんとのあほや。)トラネコはそう思った.(ふふん,驚いてるぞ.いい気味だ.)審査員はそう思いながら,力いっぱいスーパーボールを投げた.
 
   ボールは弧を描いて飛んでいった.(よし。かいしんのできだ。これは60〜70めーとるはとんだろう。)ボールは落ちた.「おい,そこのドラえもん.距離を計ってこい.60mは飛んだからな.頑張れよ!」審査員は自信満万だった.トラネコは思った.(どう見ても,25mラインを超えていないのに60mは飛んだといっているといっている.はったりか?)そう思いつつ計った.
 「どうだ。すごかったろ。」トラネコは迷った。(本当のことを言ったほうがいいのかな)トラネコは本当のことを言った.「14mです.」「なに!」審査員は激怒した.「もうお前なんか見たくない.私はあっちに行く.他の人を連れてくるからその人に遠投のテストを見てもらえ,いいな!」(あの審査員本気で60m飛んだと思ってたのかな.)トラネコはそう思った.
 
   数分後,新しい審査員の人が現れた.「ハイ,私はボブと言います.今、トムから遠投のテストの審査を変わってくれといわれたので来ました.さあ,それじゃ改めて遠投のテストをしてください.」(今度はちゃんとした人らしい.さっきの審査員はトムというのか。もう会いたくないな)トラネコはそう思いつつピンポン玉のテストを受けることにした。
 
  するとその時突然、上空からまばゆい光が射した。皆、あまりのまぶしさに目を閉じる。しばらくして目を開けるとトラネコは我が目を疑った。なんと先ほどの風景から一変して、目の前には全く別の風景が映っていたのだ。
   トラネコは周りの風景を見て呆然とした。ここは深い森の中、お昼なのは分かるが木で日差しがさえぎられていて、全体として暗い。トラネコの目の前にはお菓子の家がある。中からはぎゃぎゃと誰かが叫んでいるのが聞こえてくる。家の外にはトラネコの他には誰もいなかった。「こっ、ここはどこニャン…?ワテはどこにおるニャン!?。」トラネコは開いた口がふさがらなかった。
 お菓子の家には小さな窓が一つついていた。トラネコはそこから中をのぞいて、目玉が飛び出した。なんと、魔女がいるではないか!!おやっ、魔女の他にも誰かいる。ひとり、ふたり。一人は男の子で、もう一人は女の子。女の子は牢屋の中に入れられているらしい。魔女の言葉から、二人がヘンゼルとグレーテルと言う名前であることが分かった。
  「お菓子の家だニャン!おなかいっぱいお菓子を食べることができるなんて,お菓子好きのワテにはたまらないニャン!」トラネコは家の中にいる魔女たちには目もくれずお菓子の家を全部食べようとしていた。
「では早速!頂きマース!」トラネコはお菓子の家を食いに食った。そしてとうとう家の壁の一部分を貫通させたしまった。そのとき、やっと魔女たちはトラネコの存在に気が付いた。
  魔女は驚いた。「…誰だお前は?名を名乗れィ!」
トラネコはこの言葉には全く耳を傾けずお菓子の家を食べつづけた。(このお菓子はとってもおいしいニャ。魔女なんてどうでもいいニャ)トラネコには魔女なんかよりもお菓子を食べるほうがずっとずっと大事だったのだ。その後もトラネコはお菓子を食べつづけていたら、魔女はとうとう怒り出した。
  「…貴様,人の家をバクバク食べおって…。お前なんかこの魔法で…。」
トラネコは魔女の言葉に気が付いたが,やはりお菓子が大事だったのでそのまま食べつづけた。すると,魔女はとうとう魔法を使ってきた。「できればこの魔法は使いたくなかった。でも仕方あるまい。」魔女は精神を集中させて叫んだ。「死ね死ね光線ー!ビビビー!」なんとトラネコにこの光線がまともに当たってしまった。 「ニャニー!」…トラネコは意識がもうろうとしてきた。「…これでもうお菓子が食べれないニャ。もっと食べったかったニャ…」 バタン、とうとうトラネコは倒れてしまった。「もう駄目だと思うが念のためヘンデルとグレーテルのいるおりに入れておくか。」魔女はトラネコをおりに入れた。

おりの中では… 「ヘンデル、このネコ生きてんのかな? 死んでたらネコ鍋にしよう!」グレーテルは昔に1度だけネコ鍋を食べたことがあり、その味が忘れられずもう1度ネコ鍋を食べれるかもしれない機会に心を躍らせていた。一方ヘンデルはネコ鍋など食べたことが無く、ネコを食べることに違和感を感じており、できれば食べたくなかった。「グレーテル。まだ生きているのかもしれないし,そんなこと考えるのはよそうよ。」とヘンデルが言うと、グレーテルは、「別に生きていたって、ひん死状態なんだからそのままネコ鍋にすればいい。」などと言った。ヘンデルはどうしてもネコ鍋が食べたくなかった。したがって、話題を変える作戦に出た。「ねえ、グレーテル。君は僕とこの猫のどっちが好き?」するとグレーテルは、「もちろんネコよ。だってネコ鍋になれるんだもの。」と言った。ヘンデルは話題を変えるのに失敗したことに気が付いた。(…しまった。)ヘンデルはそう思った。



  それから数時間後。なんと、トラネコの意識が回復した。「…ここはどこニャ?おりかニャ?」ヘンデルとグレーテルはもう駄目だと思っていた猫がいき返ったので、とてもびっくりした。「あの魔女の光線にはびっくりしたニャ。もう駄目だと思ったけれど、実際はたいしたこと無かったニャ。」この発言にヘンデルとグレーテルは更にびっくりした。するとヘンデルが「え、君はあの魔女の死ね死ね光線が当たったのに平気なのかい?とてつもない破壊力の魔法なのに…。」と言ったら、トラネコが、「あんなの全然対したことないニャ。全然怖くないニャ。」と言った。ヘンデルとグレーテルが驚いていると、「こんなおりすぐに壊してやるニャ!あの魔女が作ったおりなんか楽勝だニャ!」とトラ猫は言い、おりを壊し始めた。(あの魔法が当たったのにこんなに元気なんて。本当にこのおりを壊してくれるかもしれない。)ヘンデルは本気でそう思った。
しかし数分後にはトラネコの疲れた姿だけがあった。「全然駄目だニャ。このおりは何でできているんだニャ?」とトラ猫が言うと、ヘンデルが、「この家は全部お菓子でできているんだ。だからきっとこのおりもお菓子でできているんだと思う。」と言った。するとトラネコは「…ということはこのおりは食べられるんだニャ。やったニャ!またお菓子が食べれるんだニャ。よしこのおりを食い尽くしてやるニャ!」トラネコはそう言いおりを食べ始めた。
  (…は!言った後気が付いたけれど、このおりはお菓子でできているんだ。ということは僕が食べれば良かったんだ。僕もお菓子はとても好きなのに…)ヘンデルはそう思って自分もおりを食べようとした。しかしトラネコのあまりの食いっぷりにおりに近づくことさえできなかった。(す、すごすぎる。僕もお菓子は好きだけれどあんな風に食べれるんだろうか?自信がない…でもお菓子は食べたい。どうすればいいんだ。)ヘンデルが悩んでいるうちにおりは半分ほどなくなっていた。
  そうこうしている内にトラネコは檻を完全に食い尽くしてしまった。が、まだ食い足りないらしくそこらの壁にむさぼりつく。やがてついにヘンデルも覚悟を決めてチョコの壁にかぶりついた。

30分ほど経って魔女が様子を見に来てそして言った「な、どうやってお前ら檻から出たのだい?」そう、彼女もまた檻もお菓子だと言う初歩的なことを見逃していたのだ。トラネコはそんな魔女に向かって吐き捨てた「よくもこんなとこに閉じこめてくれたにゃ!まぁ確かにワテは世界一の人気者で食べたくなるほどきゅーとだからこんなことしたくなるのも分かるけど、もうちょっとましな扱いってものがあるにゃ!!」と。
「おだまりっ!!!!!」そう叫ぶと魔女はいきなり召還魔法を唱え始めた。魔女の持つ杖の先が光ったと思うとなんと魔女はホントに何かを召還できそうだった。これには魔女本人が一番驚いていた。「は、初めて召還魔法に成功した・・・」魔女は感動で涙を流しそうになりながら言った。
「いでよ!☆◆$◎♪?△っ!!!」興奮しているせいか名前はさっぱり聞き取れなかった。
杖がより一層輝きを増したかと思うと一気にその輝きは消えた。トラネコはゆっくり目を開けた。
  楚些楼
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