【 はじめに 】 ・韓国語の文法を少しまとめてみようと思ったら、その前に日本語の文法をやらなくちゃ ならないってことが分かりました... とりあえず、NIFTY の掲示板に「日本語の文法教 えて..」って出してみたところ、お二人の方からお返事をいただきました。(今年の6 月頃の話です) ・その内、谷村さん(塾で国語と社会と理科を教えている大先生です)からは、二度にわ たり長文且つ丁寧なメールをいただき、日本語の文法について無料で解説していただく ことができました。 ・私達日本人にとって、「国文法」は高校の入試のために勉強をすると言う程度で、日常 ほとんど勉強の必要性を感じないものと思いますが、少しは知っていても損はしないん じゃないかと思い、この頁を作ってみました。 ・本頁の記載事項は、大半が谷村大先生からいただいたメールからの転載ですが、編集等 は私(管理人) がしましたので、文責は私にあるものとします。
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【 1.日本語の単位構成 】 1-1.文章‥‥(言葉の最大単位) ・長くても短くても単に「文章」で済ましていいみたいです。分けるとなると、結構や やこしいというか、どうでもいいような気もしますが ... ・物理的に形を成すか:話し言葉 or 書き言葉 ・形式から:散文 or 韻文(詩・短歌・俳句) ・文体から:口語体 or 文語体 ・内容から:小説 or 随筆 or 説明 or 論説 or 詩・短歌・俳句etc. ↑あ、あと、メールってのもそうですね(笑)。 になるかと思います。 1-2.段落‥‥(文章のまとまり) ・形式段落:単に文頭の文字が一段下がっているところ←そのまんま? ・意味段落:1つ以上の形式段落が集まって形成。小中学生の問題としては結構問われ るのですが、かなり主観的な要素が強いと思われます。自身、解答を見て 納得出来ないことも多いです。 1-3.文‥‥(言葉の基本単位) ・その構造から「単文 or 重文 or 複文」に分かれます。 ・文の成分 ・「語」:主語・述語・修飾語・接続語・独立語。 →日本語の場合、ほとんど述語が最後に来ます(倒置以外)ので、中学生 には、「述→主→修・接・独の順番に見つけると分かり易いよ」と教え ております。 ・「部」:上記の語が2文節以上になった場合、「〜部=連文節」となります。 →これまた、「述語(部)に直接係っていけないやつは、行き場がなくなっ て可哀想なんで、他のとくっつけてやってね」と教えております。 (1)主語・述語の関係 (2)修飾・被修飾の関係(連体修飾語、連用修飾語) (3)並立の関係 (例) 蝶と−花が (4)補助の関係 (例) 遊んで−いる ↑「別に無くてもいいけど、なんとなくくっついているもの」 とお考え下さい。 1-4.文節‥‥(文を直接組み立てている単位) ・不自然にならないように普通は「ネ」を入れて区切ります。(その他、「サ」、「ヨ」 など、好みに応じて) (例) 今日はネ 友達とネ 一緒にネ 遊びにネ 行ったよ。 →無理すればどんな音を入れても区切れるとは思いますが、音によっては、 思いっきり無理が生じます。 →ちなみに、「ネ」を入れて区切ると可愛く、「サ」を入れて区切ると都 会っぽく、「ヨ」を入れて区切ると田舎者になります(笑)。
【 2.単語と品詞 】 2-1.単語‥‥(言葉の最小単位=品詞) ・品詞の分類: 単語→自立語→体言 ‥‥名詞、代名詞 →用言 ‥‥動詞、形容詞、形容動詞 →その他‥‥連体詞、副詞、接続詞、感動詞 →付属語‥‥助詞、助動詞 ・自立語:それだけで文節を形成 ・体言:主語になれる 1.名詞(普通名詞・固有名詞・数詞・形式名詞/接頭語や接尾語付きの名詞) 2.代名詞(人称代名詞・指示代名詞/近称・中称・遠称・不定称/単数・複数) →考えてみれば、英語と違い、細かいですね。英語なんか、I(一人称は これだけ)やthat(中称・近称をひとまとめ)ですもん。そういや you や sheep(単複同型)なんてのも手抜き?な気がしますし.. 2-2.用言‥‥(述語になれる)
・以下の説明をご理解して頂く上で必要かと思われることについて、いくつか触れておきます。 [活用形]:活用する品詞(動詞・形容詞・形容動詞・助動詞)に共通です。(〜形を漢字で 考える(漢字分解法)と判り易いかと思います。) ・未然形‥‥“未だ然らず(まだその状態にない)” →「〜ない、ず、ぬ(打消・否定)、〜う、よう(意志)、 〜せる、させる(使役)」に接続。 ・連用形‥‥“用言に連なる” →「〜ます、〜た、〜て」に接続。 ・終止形‥‥→「。(句点),〜と(引用)」に接続。 ・連体形‥‥“体言に連なる” →名詞・代名詞、その代表的な語句「〜とき、こと、ところ」に接続。 ・仮定形‥‥“仮に定める(=if)” →「〜ば」に接続。 ・命令形‥‥→「〜!」に接続。 [語幹]:活用しても変わらない部分。 [活用語尾]:語幹と接続する語句を埋める、実際に活用している部分。 |
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・連体詞って奴は他の品詞と間違え易いものが多いです。以下、間違えやすいのを、例と共に 挙げると... ☆代名詞「これ、何?」‥‥「これ」だけで自己完結。 連体詞「この本」‥‥‥‥「この」は「本=普通名詞=体言」に係る。 すなわち、連体修飾語として後に体言を伴わなければ、言葉 として完結出来ない。 ☆形容詞「大きい猫」‥‥‥「大きい」だけでも自己完結出来る。 後ろに「猫」を伴うのは連体形だから。 連体詞「大きな猫」‥‥‥「大きな」は「猫=普通名詞=体言」に係る。 すなわち、連体修飾語として後に体言を伴わなければ、言葉 として完結出来ない。 また、「形容詞」と言えない理由として、お決まりである 形容詞の活用語尾:「かろ、かっ、く、う、‥‥」に当ては まらないから、と考えることも出来る。 |
・品詞の基本的な識別方法 ・次の順番で考えると判り易いです。 1.原形(終止形)に直して考える。 (例) 「楽しかった」→ 形容詞「楽しい」+ 助動詞「た」 2.係っていく先の品詞を考える。(特に、連体詞・副詞の場合) 3.品詞本来の意味で考える。 4.特殊な識別法。 (例) 形容詞、形容詞の活用語尾による識別 etc. |
【問題】次の「の」の識別をしてやんなさい。(←宇和島弁) 1.こ「の」本誰「の」? 2.大きな岩「の」上に立つ。 3.心「の」優しい友だった。 4.星「の」輝く満天の夜空。 5.そんな「の」ないよねえ。 |
・どうです?出来ました?これが出来れば、今時の「学力低下気味」の中学生には余裕で勝 てます。いやいや、高校生でも出来ないのいっぱいいるぞ。 ・そういえば、2002年からの完全週休5日制に合わせて、指導要綱がまたまた変わるらしい です。もちろん「むっちゃ簡単に」。例えば中学生英語なんか今1000語ほど習っている英 単語を「会話、電話」中心に大幅削減とか、小学生の算数なんか、「分数の約分は高学年 で」とか。 ・一体、「お上」は何を考えてるんだか。どんどん「必要悪(?)≒なければ無い方がいい」 であるうちの商売に悪影響ありそう。 【解答】1.連体詞「この」の一部 →終助詞「の」→語尾を可愛くする奴 2.連体修飾格「の」 →「大きな岩」全体を「上」(=名詞=体言) のところへ引っ張って行って何の 「上」なのか詳しくする。 3.連用修飾格「の」 →「心」を「優しい」(=形容詞=用言) のところへ引っ張って行って何が「優 しい」のか詳しくする) 4.主格「の」(=「が」) 5.準体言助詞「の」(=「こと」) |