なんとなく三国志「せあらの兵法・中」
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| 捨てるには惜しいことを「鶏肋」という。三国志演義からのエピソードでこの故事は生まれた。 曹操が劉備に奪われた漢中を奪還しようとした際、劉備軍は曹操が着く前に周辺の要害に立てこもった。曹操は劉備と馬超にはばまれて、苦戦していた。軍を引き上げようにも笑いものにされるので思いとどまっていた。 あるとき、鶏料理がでた。曹操はその鶏の肋（あばら）をみていた。 部下の将がきて「ご命令は？」とたずねた。 「鶏肋」じゃと曹操はとっさに答えてしまった。 その命令は各将にいきわたったが、将達はなんのことかさっぱりわからない。 しかし楊修（ようしゅう）はこれを聞くとただちに荷物をまとめはじめた。引き上げの準備をはじめたのだ。 将が楊修にたずねると楊修は答えた。 「鶏肋は食べようとしても肉はないが、かといって味わいがあるので捨てるには捨てがたい。漢中はそうゆう土地といういみです。明日にでも陣払いするにちがいありません。」 しかし曹操が陣中を歩いているとき夏候惇の陣が荷物をまとめていたので、曹操がわけをきくと夏候惇は答えた。 楊修が曹操様は陣払いする意向だと言っていたことを聞いた曹操は楊修に問いただした。楊修は「鶏肋」の意味を答えると曹操は怒り「余計なことをいって士気を乱した」として打ち首にした。 「魏書・曹植伝」によると曹操の後継者争いに巻き込まれ死んだとされている。 2002年05月4日 |
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| 「衣食足りて礼節を知る」と通じ合う言葉。 生活の安定がなければ心の安定はありえない 孟子が斉の宣王に、人民とはこういうものだと言って政治のあり方説いた。 学問を修めた士は、みずからを律することができるが、一般人民にそれを求めることは無理であるという。人民に貧しい生活をさせながらも罪を犯したからといってこれを罰するのは、罠をしかけて、人民をそこに追いやるようなものである。偽政者は人民の安定を第一に考え保障しなければならない。 人民の教育につとめさせることこそ、人民に恒産、恒心を兼ね備えさせる道であると孟子は考える。 「孟子」梁恵王 2002年04月25日 12時30分50秒 |
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| 「老子」の言葉。才能を重視することをやめるなら、競争はなくなる。高級品を貴重視しなければ泥棒行為はなくなる。 有無、大小、美醜、高低などといった物事の価値は本来は相対的なもの。その価値観の一方に固執するから、欲望が生まれてやがて争奪が生まれる。 「老子」はこの泥沼から人間を救い出し、自然な本性を回復させるには、「無為の政治」を行う以外にない、と考える。 その主張は、一見愚民政治の形をとり、儒家・墨家の尚賢政治の主張と際立った対照をを示している。だがそれも、失われていく人間の本性への哀惜から生まれてくるのであって、偽政治のほしいままなふるまいを保障するための愚民化政策とは、根本的にちがっていることを知るべきであろう。 「老子」第三章 2002年04月25日 12時14分35秒 |
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| 戦術の要締は、敵をあざむくことにある―孫子の1法則。
孫子による、戦に勝利する基本条件は5つ。 道―原則、方針 天―情勢 地―環境 将―指導者 法―組織、規律、装備 この5つの要素はどれひとつとして見過ごすことはできない。これらの基本条件を満たされているか否かを具体的に判断するには、つぎの七点について彼我双方の優劣を比較する必要がある。 �“牴罎侶�主は、どちらが正しい政治体制をしているか。 �⊂�の能力は、どちらが優れているか。 �Ｅ靴了�と地の利は、どちらが有利であるか。 �に，蓮△匹舛蕕�よく守っているか。 �ナ嫉里蓮△匹舛蕕�強いか。 �Ψ盈�は、どちらが行きとどいているか。 �Ь淅海蓮△匹舛蕕�厳正であるか。 以上の七点を比較した結果、こちらが有利だと判断した場合、つぎに打つ手は有利な態勢をつくって基本的な条件を補強することだ。基本条件がこちらに有利だとしても、個々の場面に応じた変幻自在の態勢がつくれなければ、力は発揮されない。 つまり、基本条件が力を発揮するかどうかは、戦術のいかんにかかっている。しかもその運用は状況の変化に応じて自在に駆使すべきものであり、あらかじめ固定することはできない。要は、敵をあざむくことだと孫子はいう。 たとえば、撃てるものを撃てぬと見せかけ、必要なものを不要と見せかける。遠ざかると見せかけて、近づき、近づくと見せかけて、遠ざかる。有利と見せて、誘い出し、混乱させて撃破する。充実している敵に対しては退いて態勢をととのえ、強力な敵とは正面衝突を避ける。また敵を激昂させて消耗させ、あるいは低姿勢に出て油断させる。敵が落ち着いていれば、事をかまえて奔命（ほんめい)に疲れさせ、団結している敵は離間させる。こうして敵の弱みにつけこみ、敵の意表をつくことが、戦術の要締である、と孫子は説いている。 「孫子」始計篇 2002年04月15日 15時10分13秒 |
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| 目下の者にたずねることを恥としないの意。 あるとき、弟子の子貢が孔子に「あの孔圉（こうぎょ→衛の大夫、孔文子のこと)は、どうして"文"という立派なおくりながつけられたのですか」とたずねた。 そのとき孔子は、孔圉の長所として、「聡明なうえに向学心あつく、あえて後輩に教わることを恥としなかった（敏にして学を好み、下問を恥とせず)」という点をあげた。 聞くは一時の恥、聞かざるは一生の恥」ということわざもあるというのは、およそ知ったかぶりをしたがるのが人間の通性という認識が、普遍的にあるからであろう。そこであえて下問を恥じなかった孔圉の態度が光ってくるというものだ。 「論語」公冶長 2002年04月15日 14時30分50秒 |
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| 漢帝国の創始者劉邦（高祖)と天下を争って敗れた悲劇の英雄、楚の項羽をめぐるエピソードは数多いが、これもそのひとつ。 項羽は戦国時代いらいの大国楚の名門の子弟であり、本名を籍といった。旗揚げしたのは前209年、24歳のときであるが、若いときより英雄としての器量は兼ね備えていたようだ。。 かれの一番若い叔父が項梁であり、かれはこの叔父の影響を受けて育った。 項羽は少年時代、項梁から読み書きを学んでいる。しかし項羽はいっこうに上達しない。それで項梁は剣術をならわせたが、これもまた上達しなかった。。 とうとう項梁はしかりつけたが、項羽は平然な顔でこう答えた。。 ―「読み書きなどは、名前が書ければ十分です。剣術だってしょせんひとりをたたくだけ、そんなことを稽古しても仕方がないでしょう。どうせやるなら、万人を相手に戦う術でなくては（書はもって名姓を記すに足るのみ。剣は一人の敵なり、学ぶに足らず。万人の敵を学ばん)」。 これをきいた項梁は、なかばあきれながらも、つぎに兵法を教えた。今度は項羽も喜び勇んで勉強した。しかし、これも長くつづかず、要点をつかんでしまうと、もうそれきりで、放り出してしまった。。 天下を争う人物でも、努力型と天才型があるが、項羽は後者の典型だった。厳しさの反面、意外なもろさがある。。 「史記」項羽本記 2002年04月15日 13時40分07秒 |
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| 髪の毛を吹いて、やっと小さな傷を見つけるようなことをするな、というのだから、一般に、重箱の隅をつつくようなことをするな、というのと同じ意味になる。 出典の「韓非子」では、この言葉のあとに「垢を洗いて知り難きを察せず」とつづく。「垢を洗い流してやっと気づくようなところまで検索してはいけない」という意味。韓非のいわんとすることとは、法は、その主旨をそのままの基準どおりに行うべきであって、こじつけのような細かい理屈や解釈で法以上に厳しくしてはならず、法以下に緩めてもいけない、ということ。 中国の故事名言より「韓非子」大体 2002年04月15日 14時10分15秒 |
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| 現在、一般には後半の「終わりは脱兎のごとし」を強調して、なにくわぬ顔をしておいて、いざというと利をかすめて逃げ去る、あるいは、おとなしい顔をしていたが、事態の進展につれて、ネコをかぶってはいられなくなった、というようなばあいに使われるが、本来は、「孫子の兵法」のひとつとして説かれた言葉である。 およそ、戦争をはじめるにあたっては、敵の動静を深く読んだうえでの綿密な計画が必要である、と孫子は説く。そして、行動を開始するまでは、あくまで秘密を保ち、隠密裡に事を運ぶことが肝心である。これをたとえて、「最初は処女のごとく」といったのである。 原文にしたがえば、「最初は処女のごとく、敵人戸を開く」すなわち、敵に警戒心をおこさせてはいけない。そして、「のちには脱兎のごとく、敵拒（ふせ)ぐも及ばず」とつづく。 安心させておいて、いきなり脱兎（逃げ出したうさぎ)のような、迅速果敢な動きで、敵を粉砕せよ、こうすれば、敵には防衛態勢をととのえるいとまがなく、味方は確実に勝利をおさめることができる。これが、「兵は詭道なり（勝つには敵をあざむけ)」と説く孫子の”開戦の方法”なのである。 「孫子」九地篇 2002年04月12日 06時40分07秒 |
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| 劉備亡き後、蜀の生き残る道は魏と戦い、これを破るほかないと決心した孔明様は（227年)蜀帝劉禅に北伐しようとするにあたって「出師の表」なる上奏文を奉った。 ―「謹んで申し上げます。先帝におかれましては、創業の志の半ばも達成されないまま、中道にしておかくれになりました。いま、天下は三分され蜀、魏、呉の三国が覇を競っていますが、わが蜀の劣勢はおおうべくもありません。まことに危急存亡の秋であります」と。 「危急存亡の秋（とき)」とは、危難が身近に迫り、生きるか死ぬかの瀬戸際であることを示す。「とき」が秋となっているのは、五殻の実る大事なときだからである。 「出師の表」は、昔から、「これを読んで涙を流さない者は人にあらず」といわれるほどの名文。 孔明様は「出師の表」を「今当遠離、臨表涕零、不知所言」―（今、遠く壮途につくにあたり、この一文をしたためながら、あらためて感涙にむせび（涙があふれて)、申し上げる言葉も思いつかぬ始末でございます)―と結んでいる。 2002年04月13日 17時10分32秒 |