
2.「Zガンダム」劇場版 音響監督 藤野貞義氏の証言
初めにお断りしておきます。 今から書くことは「音響監督 藤野貞義氏の証言」です。 この証言と事実、また「富野総監督の証言」と食い違うことがいくつかあります。 それはこの後に書きます。音響監督の証言だけで判断しないでください。 また正確に事実をお伝えするために、文章が長くなっていますが、どうぞ最後まで読んでくださいね。
まず今年(2005年)4月末、電話で。 「フォウ役が変更になったと噂を聞きました。本当でしょうか?」という私の問いに対し、音響監督は「変更になった。一昨年の冬(2003年末)に冴子に連絡をしようとしたが、連絡がつかなかった」と仰いました。 それはまるで「初めから変更することが決まっていて、連絡をしようとしたのは、その変更を告げるためだった」というような言い方でした。 ですから私は「私自身が噂で知るのではなく、直接、教えていただきたかった」と申し上げました。 音響監督は、一昨年の冬以降、連絡をしなかったことを「ごめんね」と仰いました。 そして「詳しくは会って話しましょう」と。
しかし何度連絡をしてもなかなか話をする機会をいただけず、やっとお会いすることができたのは、5月末、劇場版第一部の公開直前でした。
お会いした時の音響監督の話
私が、「今回の変更は監督の意向で初めから決まっていたのなら仕方がないと思っています」と告げると、音響監督は「いや、そうではない」と以下のような話をし始めたのです。
音響監督
- 映画化にあたり、富野総監督から自分(音響監督)に「Z」のキャストのうち、「オリジナルキャストの一部は残す」と連絡があった。
残すオリジナルキャストに、フォウは入っていた。
- 富野総監督が、「残すオリジナルキャストも確認のため声を聞きたい」と言った。
(その後の会話において音響監督はこのことを、オーディションと表現していた)
- 冴子に連絡が取れなかった。
- 自分は、冴子は引退したと思っていた。
- 富野総監督に「冴子は引退した」と伝えた。
これを聞いて、私は大変驚き 「私にもチャンスはあったのですね?私のチャンスをあなたはつぶしたのですか?」 と問いただすと、音響監督は 「いや、そんなつもりはなかった。ただ連絡が取れなかったんだ」 と仰るのです。
以下、私と音響監督のやりとりです。 (以下 音響監督を「音」と表記する)
私 |
「私が引退したと、なぜ思ったのですか?」
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音 |
「いや、誰かから聞いた。誰だったかは覚えていない」
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私 |
「ちゃんとご自分で調べて下さらなかったのですか?インターネットで検索しても、私が仕事を続けていることはすぐにわかります」
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音 |
「自分はインターネットをやらない」
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私 |
「テレビやラジオのレギュラー番組もやっています」
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音 |
「見ない。聞かない」
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私 |
「Z関連のゲームにもずっと続けて出演しています。劇場版制作にあたり、ご覧になったのではないですか?」
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音 |
「ゲームは全くチェックしていない」
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私 |
「日本俳優連盟(通称「日俳連」。声優の大多数が登録している)の名簿にも載っているはずですが?」
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音 |
「載っていた。「フリー」と記載されていて、連絡先は空欄だった」
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私 |
「フリーと記載された者への連絡は、日俳連の事務局に問い合わせると連絡をとってくださいます。(他のフリーの方も同じ)日俳連に問い合わせてくださらなかったのですか?」
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音 |
「考え付かなかった。そのようなシステムになっているのを知らなかった」
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私 |
「では、どのようにして連絡してくださったのですか?」
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音 |
「TVシリーズ収録時(20年前)の連絡先であった冴子の以前の所属事務所に、女性の関係者に電話をさせ、冴子の自宅の電話番号を聞いた」 「冴子の自宅に2003年の冬、何度も連絡した」 「留守番電話に自分のメッセージも録音した」 「しかし、冴子から返事がなかった」 「時間切れになったので、配役を変更した」
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私 |
「私はそのような電話を受けていません。そもそも、なぜ自宅へ連絡をしようとしたのですか?普通は事務所やマネージャー連絡のはずです」
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音 |
「直接、本人に連絡がしたかった」
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私 |
「私は所属ではありませんが〈希楽星〉というプロダクションの社長とマネージャーに、マネージメントをお願いしています。(業界では「預かり」という)TV版の頃も、この二人にお世話になっていました。社長のことは藤野さんもご存知ですよね?」 「20年前の所属事務所に問い合わせていただくと、必ず、〈希楽星〉に担当マネージャーがいると〈希楽星〉の連絡先を伝えてくれるはずです」 「〈希楽星〉へ連絡をすれば、すぐにマネージャー経由で私に連絡がつきました。この業界では必ずすることですが、なぜしなかったのですか?」
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音 |
「どうしても個人に直接連絡がしたかった」 「預かりなのだから、マネージャーにオーディションを受けてくれとは言えなかった」
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私 |
「連絡がつかないことの方が問題ではないですか?」 「他にも、声優仲間に連絡先を問い合わせるなど、方法はあったと思いますが?」
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音 |
「冴子は引退したと思っていた」 「他の声優に問い合わせることも考え付かなかった」 「その後は、何も連絡しなかった」
| 以上
あなたが上記の話を不可解に思うことがあれば、それは私が感じたことと同じかもしれません。 私が伺った内容について、公表してかまわないと、音響監督 藤野貞義氏より了解をいただいています。
次は、「富野総監督の証言」です。
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