短い破裂音が、周りの環境のせいで尾を引いて長く響く。
目の前で、赤い花びらが散った・・・気がした。
次に訪れるのは、激痛。
視界は瞬く間に回転し、気付くとアスファルトの上に倒れていた。
「あれ・・・?」
冷たい感触に、自分がどんな状態に陥っているのか、判断がつかない。
強烈なめまいは、貧血からだと思える。
けど、さっきあった激痛は、微塵も感じられない。
ただ、息苦しい。
浅く呼吸を繰り返す。
自分の呼吸音、心臓の音。
それが、今自分が感じられる世界での音。
そっと、まぶたが降りて来た。
「 」
呼ばれた気がした。
次は、ふっと体が浮く感覚と、暖かい感触。
いよいよ、駄目なのかな、と思った時、頬への刺激に、一気に体の激痛が戻る。
「くぁっ・・・」
重いまぶたを無理矢理にこじ開けると、青白い顔をしたタカの顔が目に入った。
「ユージ・・・・」
まだ、心臓と息の音しか聞こえていない自分の世界に、聞き慣れた声が、まるで水の様にしみ込んで来る。
「ユージ・・・」
暖かい感触と、声。そして、次に聞こえたのは、自分よりも早鐘を叩く様な、あいつの鼓動。
「馬鹿野郎、人には、勝手に行くなって、言っておいて・・・」
お前の方が、死にそうじゃネェか。
俺は、おかしくなって、ふっと笑った。
「・・・心配するだけ、損したかな」
ふうっと、大きく息をついたタカを見て、俺もつい、力が抜ける。
もう。
「ユージ?」
「つか・・・・れちゃっ・・・・・た・・・・・」
「一人で走り過ぎるからだろ。もうすぐ、救急車来るから、安心しろ」
「ああ・・・・」
もう、限界。
病院で、こてんぱんに叱られるんだろうな、こいつから。
いつも勝手だよな。ほんと。
俺も、こいつも。
血まみれ祭りその一ーw<待て