書くかどうか、微妙なラインなんですけど、まあ・・・やりたいかなw
「亀山さんって、どんな方だったんですか?」
唐突な神戸の言葉に、杉下の本を読む手が止まった。
「君の、前任者ですよ?」
ぱたんと本を閉じる。
入口から入ってすぐに杉下の机。
その奥に、神戸の机がある。
神戸は、その机の前から、杉下の机の前にあるガラスの仕切りに寄りかかって話しかけた。
杉下は、その視線を真正面から受け止めている。
杉下が本を読み出したのはものの5分前。
そのさらに3分前に、部屋に戻って来た。
その時、一瞬だけ交わした視線が、杉下には気になっていた。
「亀山君がどうかしたんですか?」
「どんな人だったのかなぁって、気になっただけです」
「・・・僕の、部下だった人ですよ?」
「へぇ・・・」
神戸が、そう呟く。
「それだけではないでしょう」
「は?」
「僕が戻った時に、電話の位置が少し変わってました。亀山君がらみの電話でもあったのですか?」
杉下の言葉に、神戸がちらりと電話を見た。
「細か・・・」
ふうっとため息をつく。
「ありましたよ、電話。 亀山さんはいるかって。いないって答えたら、うそつけって。うそじゃないって言ったんですけどね。信じてない風でしたよ」
「・・・男性ですか、女性ですか?」
「男性でした」
「そうですか。何事もなければいいのですがねぇ・・・」
そう呟いて、本の活字の中へと意識を飛ばす杉下に、神戸はかくりと首を落とした。
非公開 2010.10.12-10:34 Edit
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