ぼんっと無造作に置かれたホワイトラベルのディスク。
あれっと思って、顔を上げると、ジプシーがいた。
すっかり日が落ちた一課の部屋。
そろそろ定時のために、そそくさと帰り支度をしていた俺の所に、ジプシーが寄越したディスク。
「あれ?」
「あれ、じゃないですよ。俺、すっかり返すの忘れてました」
「・・・何だっけ」
「この間の歌番組」
「ああ、あれね。いいのに、返すのなんていつでも。それに、ここで返さなくても。隣じゃん部屋」
その答えは、ため息一つ。
「この間、部屋でお金返したら、そのあと返したことをすっぱり忘れて、請求されましたからね。証人を今度からつけることにしたんです」
「い。俺、そんなことしたっけ」
さらに大きなため息。
「ドック・・・、それすら忘れるんですから・・・」
「あは、あは、あははは・・・はは」
クリスマスっぽく「ない」お話ですw